ウイルスと地球温暖化のおはなし

2016年 8月 1日 月曜日

ヒトは昔から、今もなおウイルスに苦しめられています。天然痘、スペイン風邪、小児麻痺、最近ではSARS、鳥インフルエンザ、エボラ出血熱など、非常に多くの病気がウイルスにより引き起こされています。

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ヒトはウイルスとの戦いに際し、ワクチンの開発によって一部のウイルスを撲滅させることに成功しました。約200年前、英国の医師エドワード・ジェンナーは牛の病気である牛痘のウイルスをヒトに接種することにより、天然痘に感染しなくなるという方法を発見しました。この方法が普及し、1980年WHOは天然痘の世界根絶宣言を行いました。ちなみに、ワクチンという言葉は、ジェンナーの偉業に敬意を表し、その種痘法発見のもとになった、雌牛を意味するラテン語のVeccaから命名されたと言われています。

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さて、不幸にもウイルスによって命を絶たれた人の中には、アラスカなどの永久凍土に埋葬された人もいるようです。事実、スウェーデンの医師、ヨハン・ハルティンは1997年、永久凍土に眠る腐乱のない遺体から、スペイン風邪のウイルスを、ほぼ完全な状態で回収したのです。そのウイルスは2005年、米国のJ.K.タウベンバーガーらによって遺伝子を解読され、再合成されました。

 

現在、地球温暖化の問題がとりざたされていますが、なかなか成果が得られていない状況です。もし、このまま温暖化が進行し続けたとしたら、天然痘をはじめ、種々のウイルスが再び蘇ってしまう、などということも否定はできません。また、スペイン風邪などの様々なウイルスが同時に出現し、鳥、豚などの「種の壁」を経て、想定外に変異したウイルスがヒトを攻撃するようになるかもしれません。

 

そのようなウイルスによってパンデミックが引き起こされないことを、心より祈っております。

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