空腹時のお腹の音のはなし

2017年 2月 1日 水曜日

新年が明け、立て続けにイベントがあり暴飲暴食による体重増加や倦怠感に悩んでいる方は少なくないと思います。

私自身もクリスマス、お正月などのイベントで毎年必然的に食事量が増え、この時期はいつもよりも一層体調管理に注意しなければいけないと身の引き締まる思いで過ごしています。

そして毎年のように思うことが、「あんなに食べたのに毎日だいたい同じ時間にお腹が鳴るのはなぜだろう」ということです。そこで空腹時のお腹の音について紹介してみたいと思います。

 

 

消化管で分泌されるホルモンのひとつに「モチリン」があります。

モチリンは十二指腸で分泌され、消化管の運動調節や消化液の分泌に関与しています。

モチリンは、食べ物が腸に送られて胃が空になることによって分泌されることが知られています。この分泌により胃壁がリング状になって収縮し、その収縮が腸に伝わることによって腸が収縮します。この時の空気の移動が「グー」という空腹時のお腹の音の正体であり、これは「空腹期収縮」と呼ばれています。この収縮では、はがれおちた細胞や細菌、粘液なども運ばれることが知られています。この現象は「消化管の掃除」とも言われ、この掃除が正常に行われると次の食事の受け入れる準備が整います。

 

私自身疑問に思っていた事のひとつとして「お腹が鳴ったらすぐ食べていいのか」ということがあります。先ほども述べたとおり、「グーというお腹の音」=「掃除」です。音が鳴ってすぐ食事をしてしまうと、掃除が中断され、「空腹時収縮」が「食後期収縮」へとすぐに移行してしまいます。つまりお腹の掃除が行われている間は食事をせずにきれいに掃除されるのを待つことが大事であると言えます。食べすぎが原因で便秘になるという方がいますが、これもモチリンが影響していると言われています。モチリンが分泌されるまで食後約8時間程度かかると言われていますが、空腹時間が短いもしくは無いことにより、モチリンが正常に分泌されないと腸の収縮による掃除がしっかり行われなくなります。このことが排泄機能の低下につながり便秘の原因になってしまうのです。

その他にも適度な空腹によってモチリンが分泌されると、成長ホルモンの分泌が促進され身体全体の若返りが期待できるのではないかとも言われています。食事は生きていく上で必要不可欠です。私自身も健康に美味しく楽しむために再度胃腸の健康について考えていきたいと思います。

 

食べ過ぎてしまうこの時期だからこそみなさんも「お腹の音」に耳を傾けて、胃腸の健康について考えてみてはいかがでしょうか?

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