医師から処方された薬を最後まで服用していますか?

2019年 4月 1日 月曜日

医療機関で処方されたお薬をご自身の判断で、途中で服用を止めてしまったということはないでしょうか?

ある事例をご紹介します。

 

ある患者さんは健康診断の際に内視鏡検査で逆流性食道炎であることが分かり、医師からプロトンポンプ阻害薬というお薬を処方され、8週間は服用し続けるように言われました。

 

処方されたお薬を服用する前は、頻繁に胸やけの症状があり、時にはみぞおちの辺りに強い痛みを感じることもありましたが、服用を始めて数日も経たないうちに痛みを感じることはなくなり、服用開始1週間後には胸やけの回数も少なくなりました。

服用開始1ヵ月後には症状は全くなくなったのでお薬を服用するのを止めました。

お薬を止めて2週間ぐらい経った頃に、職場の同僚との飲み会があり、久しぶりに結構な量のビールを飲みました。翌朝起きると、以前よりも強い胸やけと痛みがあり、残っていたお薬を2週間ぐらい服用して、やっと症状が治まりました。

 

医師がお薬を処方する場合、適当に投与期間を決めて処方している訳ではなく、その病気の治療に適したお薬の投与期間というものが決まっています。

逆流性食道炎の場合、プロトンポンプ阻害薬というお薬を8週間服用するというのが基本的な治療法です。このお薬は胃酸の分泌を強く抑制するので、胸やけや痛みといった症状は1~2週間で消失します。

 

ところが、このような症状が無くなっても、食道の粘膜はまだ治っていないことが多く、お薬を8週間ぐらい服用し続けることで食道の粘膜も治ることが知られています。

また、逆流性食道炎という病気の場合、職場や家庭におけるストレス、過度の暴飲暴食なども発症の原因となりますので、お薬を服用し続けた方がよいと考えられます。

 

この患者さんの場合は、食道の粘膜が完全に治っていないうちに、自己判断でお薬の服用を止めてしまい、暴飲暴食をきっかけに再燃してしまいました。

 

お薬を毎日服用するのは面倒なことですし、服用し続けていると副作用も気になりますので、できればお薬は服用したくないと思ってしまうかもしれません。

しかし、お薬の服用を止めたいと思う時は、自己判断せずに必ず主治医または薬剤師に相談して下さい。

 

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