葛根湯のおはなし

2019年 12月 1日 日曜日

12月に入り、ぐっと気温が下がるこのごろ「急に寒気が!!」と感じた方も多いのではないでしょうか。

病院を受診するまで症状はひどくないけれど、なんとなく体調が優れない、という方は漢方薬で身体の調子を整えることがおすすめです。

 

風邪の引き始めに効果的な漢方薬と言えば「葛根湯」です。

今回は葛根湯の作用と効果的な服用方法をまとめました。

 

〈発汗効果により免疫アップ!風邪が治るメカニズムと葛根湯の役割〉

漢方薬の中でも一度は耳にした方も多い葛根湯。

そもそもなぜ風邪のひきはじめに効果があるのでしょうか。

 

風邪をひくとウイルスを体内から排除しようと、身体の中で免疫細胞が働きます。

免疫細胞は身体の体温があがることで活性化するため、風邪をひくと熱がでます。

つまり熱が出ているときは、身体の免疫細胞がウイルスと戦っている証拠といえます。

 

葛根湯は7種類の生薬を配合した漢方薬です。

「カッコン」「タイソウ」「マオウ」「カンゾウ」「ケイヒ」「シャクヤク」「ショウキョウ」から成り立っており、「マオウ」と「ショウキョウ」は身体を温める作用を持つ代表的な生薬です。

 

前述の通り、風邪をひくと免疫細胞が働いてウイルスを身体の中から排除しようと身体は熱を上げようとします。

しかし、熱を上げることは体力を消耗し、高熱が続くと大量のエネルギーが消費されます。

風邪を早く治すポイントは上手に体温を上げることです。

 

風邪のひきはじめの段階、特に風邪をひいた1日2日目で、身体を効果的に温めれば免疫力もアップし、身体が体温を上げようとする前に、いち早くウイルスを撃退することができます。

細菌・ばい菌のイラスト「困った顔のキャラクター」

 

〈葛根湯をお湯で服用して効果を最大限に引き出そう〉

葛根湯は身体を温める作用があることはお話いたしました。

しかし、生薬そのものの作用だけでは身体をすぐに温めることは難しいです。

寒気を感じる風邪を引いた方は、ぜひ白湯(さゆ)で服用してください。

一気に身体が温まって免疫力もアップの助けになります。

 

ポイントは、白湯で服用した後、「額に汗がじんわりにじむ程度」まで身体を温めることです。汗をかきすぎでも、エネルギーを大量に使い、体力低下の原因となりますのでご注意ください。

 

〈ドラックストアの漢方薬を上手に活用してセルフメディケーションを〉

日々、忙しく働いていると医療機関を受診する機会も少なくなってきます。

風邪に限らず、病気は早期に対処することでその後の経過に差がでてきます。

身近な漢方薬で体調をいち早く整え、万全の状態で冬を過ごしていきましょう。

コタツでくつろぐぴょこのイラスト

 

 

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