物忘れの治療のくすりのはなし
2012年 7月 28日 土曜日
夏休みの時期となりましたが、皆さんは帰省の予定はありますか?
私はまとまった休みがとれると、ちょくちょくと帰省しており、実家に帰ると祖母に会うことを楽しみにしています。
祖母は今年で90歳となり、大好きな猫と一緒に毎日穏やかに過ごしているようです。
そんな元気な祖母ですが、唯一気になるのが物忘れについてです。
だいぶ前の話になりますが・・・
当時私は大学生で東京に住んでいました。
今思うと、祖母は、私の父・母とずっと一緒に住んでいたこともあり、祖母の物忘れが進んでいることに気がつきにくかったように思います。
たまたま親戚と集まる機会があった際に、祖母の状態が心配という話があり、物忘れ外来という病院を受診することとなりました。
当時アルツハイマー型痴呆に対する薬剤は少なく、祖母はドネペジル塩酸塩を飲み始めました。
現在研究が進んでいますが、病気自体を完治させるということは難しく、現在は病気の進行を遅らせる薬しかありません
祖母は気が付いたときには症状も進んでいた様子で、飲んでも進行を遅らせることができるかどうかという状態でした。
現在はドネペジル塩酸塩のほか、リバスチグミン、メマンチン塩酸塩、ガランタミン臭化水素酸塩など新しい薬が出ており選択の幅が広がっています
色々な話をしても忘れてしまうことが多い祖母ですが、
私が結婚することを伝えにいったとき、私の手を握りしめて、結婚する彼に向かって
「かわいがってあげてください。」と何度も繰り返し伝えていたことが、
とても心に残っています。
もしかしたらこれからもっと忘れてしまうことが多くなるかもしれません。
もっと早く気が付いてあげられたら・・・と思うこともあります。
でももしも薬を飲んでいなかったら、私の結婚のことも分かってもらえなかったかもしれません。
現在新しい薬も増えてきていることや進行を抑えるという薬剤の特徴からも早い段階で専門の医師・医療機関で見てもらうことが大切なのだと感じています
Posted by pharmacist008.
カテゴリー: コラム.