低用量ピルのおはなし

2025年 3月 1日 土曜日

低用量ピルとは

低用量の女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)を含むホルモン剤です。

避妊をはじめ、女性特有のさまざまな症状の改善や予防を目的として使用されます。

【低用量ピルの使用目的】

低用量ピルは、以下の目的で幅広く活用されています。

・避妊・生理にまつわる症状の緩和(月経困難症・月経異常・PMS・PMDDなど)

・子宮の症状の改善(子宮内膜症など)

・卵巣癌、子宮体癌の予防

低用量ピルの種類

大きく分けて4種類あります。

その違いは、含まれている「黄体ホルモン」の種類です。

※「卵胞ホルモン」は全てのピルにおいて「エチニルエストラジオール」が使用されています。

①第1世代ピル

黄体ホルモン ノルエチステロン
主な製品

シンフェーズ

フリウェル(LD/ULD)

ルナベル(LD/ULD)

特徴

・経血の減少

・生理痛緩和効果

・子宮内膜の増殖抑制効果

・ニキビ、肌荒れの改善効果

・月経困難症や子宮内膜症の治療効果が高い

②第2世代ピル

黄体ホルモン レボノルゲストレル
主な製品

トリキュラー

ラベルフィーユ

ジェミーナ

特徴

・不正出血が起こりにくい

・生理周期のコントロールに適している

③第3世代ピル

黄体ホルモン デソゲストレル
主な製品

マーベロン

ファボアール

特徴

・ニキビ、肌荒れ改善効果

・多毛症の改善効果

④第4世代ピル

黄体ホルモン ドロスピレノン
主な製品

ヤーズ

ヤーズフレックス

特徴

・卵胞ホルモン量が少ない「超低用量ピル」である

・子宮内膜症や月経困難症の治療に使用され、避妊目的での処方はされていない

・副作用が起こりにくい

低用量ピルの副作用

低用量ピルの服用で比較的よく見られる副作用としては、以下のような症状があります。

・頭痛

・胸の張り

・むくみ

・吐き気

・不正出血

低用量ピルを服用開始後、1〜3カ月程度で副作用が現れることが多いと言われています。

服用を続けるうちに症状は治ることが多いですが、症状がひどい場合や長く続く場合は医師または薬剤師にご相談ください。

血栓症の発症には注意が必要

頻度は少ないものの注意が必要な副作用として、「血栓症」があります。

血栓症とは血管の中に流れる血液が固まり、血液の流れに栓をして止めてしまう病態です。

発症率は極めて少なく、低用量ピルを服用していない女性の静脈血栓症発症のリスクは年間1万人あたり1〜5人であるのに対し、低用量ピル服用女性では年間1万人に3〜9人程度の割合で発症するとされています。

低用量ピルによる血栓症では、ふくらはぎを流れる静脈に発症することが多く、以下のような症状があります。

・突然の手足の痺れや痛み、腫れ、麻痺

・突然の息切れや胸が押し潰されるような痛み

・激しい頭痛

・舌がもつれて喋りにくい

低用量ピル内服開始から3ヶ月以内の発症が最も多いため、飲み始めは血栓症の兆候が出ていないかを定期的に確認しましょう。

そして、上記の症状が現れた場合は内服をやめてすぐに受診してください。

まとめ

現在はオンライン診療やオンライン処方により、ピルがより身近な薬になっていると感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、ピルの効果は生活を豊かにしてくれる一方で、血栓症という副作用のリスクもあります。

そのため、定期的に対面での検査を受けたり、定期健康診断の結果を医師に伝えたり、体調の変化があった場合は必ず医師または薬剤師に相談しましょう。

 

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