甘酒のはなし
2014年 1月 1日 水曜日
皆さま明けましておめでとうございます!
今日はお正月にちなみまして甘酒のおはなしです。
私のお気に入りの町、日本橋人形町には『甘酒横丁』と呼ばれる散歩道があります。
明治の初め頃にこの横丁の入り口の南側に甘酒屋があったことから、昔は『甘酒屋横丁』と呼ばれたのがこの道の名前の由来なのだそうですが、こちらの『甘酒横丁』では、夏の暑い時期にも甘酒を販売していたり、配布するというイベントが行われる事もあります。
「ちょっと待って!甘酒って、寒い時に身体を温めるための飲み物じゃないの???」
と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実はこの甘酒、江戸時代には夏バテ防止の栄養ドリンク剤として飲んでいたのだそうで、俳句の季語では「甘酒」は今でも夏の季語となっています。
また、飲む点滴とも呼ばれる程ミネラルやビタミン等も豊富で、これらの栄養はいわゆる栄養剤としての点滴とほぼ同じ内容であるともされており、その吸収率が非常に高いという特徴もあります。
という事で、今回は甘酒に含まれている成分について。
(お薬と言うよりは栄養のお話になりますが、“点滴”“ドリンク剤”って事で、、、)
甘酒の成分を分析してみると、なんと30種類以上もの体に良い成分が含まれているらしいのです。
即効性のエネルギー源になるブドウ糖。
体の形成に欠かせない必須アミノ酸全9種類。
エネルギー転換に関わり疲労回復効果があるビタミンB群。
汗で失われるナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のミネラル。
この他にも、100種類以上の酵素が消化の手助けをしたり、二日酔いの原因である低血糖を予防してくれたりと、甘酒はまるで万能薬!!!
夏に良いというのが納得ですね。
更に、女性にはウレシイ事が!
甘酒の原料となる麹には、美白効果の高いコウジ酸が多く含まれています。麹を扱う職人さんの手が白くて綺麗であることから注目され、化粧品にも使用されるようになったのはご存知の方も多いのではないでしょうか。このコウジ酸にはメラニンの生成を抑制する働きがあり、更にメラニンの生成を促す物質の産生を抑える働きもあります。また、シミの原因となる活性酸素の抑制やくすみの原因となる物質の産生を抑える効果もあります。
これは私自身ではまだ試した事はありませんが、甘酒に小麦粉を混ぜた甘酒パックも美白に効果的なのだそう。
その他では、食物繊維やオリゴ糖なども含まれていて、腸内環境を改善する『ジャパニーズヨーグルト』なんて呼び名も!
甘酒は人によっては毛嫌いされてしまう事もあるようですが、皆さんはどうですか?お好きではない方でもちょっと興味がわいたのではないでしょうか。
最後に。
この甘酒、「酒」の名は付きますが、実際にはアルコール飲料ではなくソフトドリンクです。そのため未成年者でも飲用が許されていますが、原料にもアルコールは含有されていますし、製造過程でアルコールが生成される事もあるため、お酒に弱い方が大量に飲むと酔う可能性もあります!1日にコップ1杯程度が適量とされていますので、飲みすぎにはご注意を!
Posted by pharmacist008.
カテゴリー: コラム.