ひな祭りのはなし

2015年 3月 1日 日曜日

もうすぐひな祭りですね。
ひな人形を飾り、桃の花や菱餅を供えて女の子の成長を願うひな祭りですが、今回は桃の花、菱餅についてのお話です。

桃の花「白桃花」と呼ばれる生薬で、利尿剤やむくみの解消、下剤として用いられることがあるようです。桃を食べたときに捨てるあの種を割ってみると、中から数個の種が出てきます。これはトウニンと呼ばれる、アミグダリンなどを含む生薬です。桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン )、桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)、潤腸湯(ジュンチョウトウ)、大黄牡丹皮湯(ダイオウボタンピトウ)などの漢方薬に含まれています。
果肉はおいしいですよね。桃の実にはビタミンC、カリウム、食物繊維のペクチンなどが含まれ、肌をきれいにしたり老化防止のはたらきがあったり、桃のジューシーな果肉は不足した体液を補い、皮膚に潤いを与えてくれます。カリウムには血圧を下げる作用があり、食物繊維のペクチンも多く含まれるので、便秘軽減にも効果が期待できそうですね。また、桃の葉には、タンニンやマグネシウム・カリウムなどが含まれ、日本では、古くから「桃湯」が親しまれています。お店では“うるおい成分 桃の葉エキス入り”と謳った化粧水や入浴剤も売られています。
桃には目立った栄養素はあまりないけれど、女性をきれいにしてくれる要素がたくさんあり、身近で汎用されていますね。

さて、雛祭りカラーとして定着している、白、
赤色(桃色)桃の花をイメージしています。さて、白、緑は何をイメージしているのでしょうか?
白は純白の雪緑は健康、新緑がイメージされ、この3色でもって春の情景が表現されています。
これらの3色ですが、赤(桃色)はクチナシが原料、白はヒシの実、緑はヨモギが原料となっています。
3色の意味にも諸説ありますが、次のようになります。

●赤……山梔子(クチナシの実):魔除け/解毒作用…桃の花をイメージ
●白……ヒシの実:子孫繁栄、長寿/血圧低下…清浄、純白の雪をイメージ
●緑……ヨモギ:厄除け/増血作用…健康、新緑をイメージ
(くらしの歳時記 http://allabout.co.jp/gm/gc/220699/)
クチナシ茶、ヒシの実茶、ヨモギ茶といった健康茶の名前も耳にしますね。

赤色の原料となっているクチナシの完熟果実を乾燥させた山梔子(サンシシ)は漢方薬の黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)や加味逍遙散(カミショウヨウサン)、清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)、防風通聖散(ボウフウツウショウサン)などにも含まれています。

春を無事に迎えられたことを喜び、“これからも皆が元気で過ごせますように”と願うひな祭りも、健康を意識してみると、いつもとちょっと違った味わいになるのではないでしょうか。

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