抗生物質を正しく使おう!意外と知らない正しい使い方と注意点を解説

2025年 10月 1日 水曜日

皆さんのご自宅に、以前病院で処方されたけれど飲み切らなかった抗生物質(抗菌薬)が残っていませんか?
「風邪っぽいから飲んでおこう」と、自己判断で服用した経験がある方もいるかもしれません。

しかし、このような使い方はとても危険です。

そこで今回は、意外と知られていない抗生物質の正しい使い方と注意点を解説します。

 

風邪に抗生物質は効かない?

風邪の原因の多くはウイルスです。
一方、抗生物質は細菌をやっつける薬であり、ウイルスには効果がありません

そのため、風邪に対して抗生物質を飲んでも症状が改善することはほとんどなく、むしろ不必要な服用によって体に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

不適切な使用が招く「薬剤耐性」とは

抗生物質を必要のない場面で使ったり、処方された量や日数を守らずに中途半端にやめたりしてしまうと、細菌が薬に強くなってしまうことがあります。
このような状態を薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)と呼び、世界的にも大きな問題となっています。

薬剤耐性を持つ細菌が体内に増えると、本当に抗生物質が必要なときに効かなくなる恐れがあるので注意しましょう。

 

抗生物質を正しく使うためのポイント

ぜひ以下のポイントを守り、抗生物質を正しく使用しましょう。

 

1.自己判断で服用しない

「前に同じような症状で薬をもらったから」「家族が余らせた薬があるから」といった理由で抗生物質を飲むのは危険です。
症状が似ていても、原因となる菌や体の状態は人によって異なります

誤った薬を飲むと効果がないだけでなく、副作用のリスクも高まります。

 

2.処方されたら必ず飲み切る

「熱が下がったから」「体調が良くなったから」と途中でやめてしまうと、体内に残った細菌が再び増えてしまうことがあります。
このときに生き残った細菌は薬に強くなり、次に同じ薬が効かなくなる可能性があります。

 

3.他人に薬を分けない

「同じような症状だから」と家族や友人に薬を分けることはやめましょう。
抗生物質は症状や体質、年齢、体重などを考慮して処方されています。

他人にとっては合わない薬である可能性が高く、思わぬ副作用を招く危険があります。

 

4.保存せず、残った薬は薬局へ相談

飲み切らずに残った薬「また使えるかも」と保管しておくのは避けましょう。
湿気や温度で薬の成分が変化することもあり、効果が落ちたり安全性が損なわれる可能性があります。

 

まとめ

抗生物質は正しく使えばとても頼りになる薬ですが、誤った使い方をすると効果がなくなるだけでなく、薬剤耐性という大きな問題を引き起こします。

  • 風邪に抗生物質は効かない
  • 自己判断での服用は避ける
  • 処方されたら必ず飲み切る

この3つを意識して、正しく抗生物質を使いましょう。

薬に関する疑問や不安があるときは、ぜひお近くの薬局で薬剤師にご相談ください。

 

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