保湿剤のおはなし

2020年 12月 1日 火曜日

 

冬になり、あかぎれが絶えず、ハンドクリーム保湿剤が手放せない方も多いのではないでしょうか…。特に毎日水仕事などをしているとなかなか治りませんよね。

では、その保湿剤って、いったいどんな成分がカサカサを防いでくれているか、知ってますか??

今回は、主な保湿成分の種類と特徴をご紹介したいと思います♪

 

☆白色ワセリン

はい、言わずと知れた代表格。軟膏によく使われている基材としても有名ですね。

石油が原料ですが、精製の過程でほぼ不純物はなくなります。

油分がコーティング剤となり水分が出ていくのを防ぐので、水分でしっかり保湿をした後に塗ると効果的ですね。

同じように、リップクリームや皮膚保護材としても利用できますよ。

しみないので、傷やあかぎれにも最適です。

ただ、かなりベタベタするので、気になる人は気になるかも…。

 

☆尿素

よく、ドラッグストアでも「尿素○%配合!」という見出しで売られている化粧品、ありますよね?

尿素とは、皮膚の角質層の水分保持に優れる成分で、天然保湿因子として肌の角質層にも含まれる成分です。

油分ではないので、べたつきは少ないです。

ただし、尿素は角質層を柔軟にして剥がす作用があるため、ひじやひざ、かかとの固くなった皮膚には有効ですが、などの皮膚の薄い部分には適しません。傷のあるところも避けましょう。強い刺激になることがあります…!

 

☆ヘパリン類似物質

これは、あまり聞きなれない方も多いのでは?病院で処方されるケースが多いですね~。

ヘパリンとは、人間の体内でも作られている、ムコ多糖類と呼ばれる物質の一つ

糖が長く繋がった鎖のような構造をしていて、水分を吸着しやすい=手放さない、という特徴があります。

ただ、ムコ多糖類は鎖が長いため、分子量が大きくなかなか肌に浸透しません。そこで鎖を少し短くなるように工夫したものが、ヘパリン「類似」物質、というわけです。

このような保水力とは別に、血行を良くするという働きもあります。

ヘパリンはそもそも、血液を固まらせないようにする働きがあります。同じように、ヘパリン類似物質にも似たような働きがあり、血行を良くすることでしもやけにも効果があるといわれています。

冬場には欠かせない保湿剤かもしれませんね。

 

☆ビタミン含有(A,E)

ビタミンAには、皮膚の新陳代謝を高め角化を抑える効果があります。

また、ビタミンEは皮膚の血行を良くし、皮膚を保護します。しもやけや、カサカサな手荒れの治療に有効ですね。

こちらは刺激性は少ないので、皮膚の薄いところでも大丈夫です。

 

☆グリセリン

化粧水や美容液にはほぼ間違いなく入っているグリセリン。

グリセリンって、何者なのでしょう?

グリセリンは、人や動物、植物に幅広く存在する成分で、人では筋肉や皮下に「脂質」という形で蓄えられています。

化粧品に入っているグリセリンは、主にパーム油やヤシ油の油脂から作られます。

最大の特徴は、高い吸湿性と水によくなじむ性質で、お肌にもよく浸透していきます

肌の中で水によくなじむことで、保水能力を発揮するわけです。

ただし、ワセリンなどのように油膜を張って、肌の水分蒸発を防ぐことはできないので、保湿剤としてグリセリンだけで使うことは少ないですね。

 

 

 

いかがでしたか?

お使いのハンドクリームや保湿剤の中に、入っている成分はありましたか?

乾燥の種類や部位によって、使い分けると良いですね♪

皮膚科の薬にもよく使われていますので、より詳しく知りたい方はお近くの薬局の薬剤師さんに聞いてみてください!

 

 

 

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