絵画から病気がわかる!?

2012年 5月 20日 日曜日

こんにちは、夜間休日対応のH子です

先日、ぼーっとTVの美術番組を見ていたらボッティチェリの特集をやっていました。

「ヴィーナス誕生」「プリマベーラ」

そうそう、ん十年前、新婚旅行で行ったフィレンツエのウッフィー美術館で観たあの2枚。
当時は修復が終わったばかりでお化粧直ししたばかりの2枚は圧倒的に色鮮やかで
背景のブルーや色とりどりのお花たちが美しかった!
思ったよりかなり大きなサイズでビーナス達がドーンと私の心を揺さぶりました

ところで・・・

この2枚のビーナスを観て、「おやっ?」と違和感を感じませんか?
妙に首が長いし、ひどいなで肩だし、なんだか表情も物憂いカンジ・・・

そうです、

 実はこの絵画のモデルとなった女性、シモネッタには
結核の徴候がみられていると言われています

事実、彼女は肺結核で若くして亡くなってしまったのでした・・・。
                       (引用:「病気の社会史 文明に探る病因」立川昭二、NHKブックス152,1971)

むむむむむ、あのルネッサンス文明を謳歌していたであろうフィレンツエ市民の皆様も
病気には勝てなかったという事なのですね。
当時は梅毒やら、結核が大流行だったそうで、それで命を落とす人々が多かったそうです。

天下無敵のルネッサンスも感染症治療薬を開発するまではいかなかったんですね(><)

長らく人の命を脅かしてきた結核。
昭和の中ごろまで、不治の病だったのです。

日本で結核で亡くなった方は昭和23年で約14万人もいたらしいですよ!怖いですね~。

戦後、リファンピシン製剤、エタンブトールといったお薬が世界中に急速に広まり、
なおかつBCGなどの予防注射などの普及によって結核は死に至る病気ではなくなりました。
また、羅患する人も2010年には人口10万人あたり18まで低下しているそうです

こんな風に疾患の徴候がみられる絵画というのは意外と沢山あることが知られています。
(それだけ実物に忠実に描かれたということですよね。)

美術的な観点だけでなく医学的な観 点(!?)から絵画を観ると少し違った発見があるかもしれませんね(^^)