イワシのはなし
2015年 10月 1日 木曜日
10月4日は、イワシの日です。
イワシには、新しい細胞を作る上で欠かせない、良質のタンパク質をはじめ、脳細胞や体細胞によい脂質、ビタミンA、B類、D、E、カルシウム、鉄分、亜鉛、そして核酸など、多彩な成分が豊富に含まれており、「海の玄米」とも呼ばれています。
イワシのような青魚には、悪玉コレステロールや中性脂肪を下げる働きがあり、動脈硬化の予防などにも役立つ多価不飽和脂肪酸が含まれます。
多価不飽和脂肪酸には、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などが挙げられます。
今回は、サプリメントとしても人気の高い成分であるドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)の特徴をお話します。
<ドコサヘキサエン酸(DHA)>
期待されている効能としては、高脂血症や心筋梗塞、脳卒中予防と改善、抗がん作用などです。
科学的に検証しますと、高脂血症、心筋梗塞、脳卒中の効果は認められていますが、抗がん作用は科学的根拠がはっきりしないようです。
また、認知症の改善効果があるとする複数の研究が報告されています。他に、アトピー性皮膚炎の改善効果も報告されています。
意外なところでは、ストレスがかかりやすい環境にある子供や若者がDHAを摂取すると、精神的な不安定さや攻撃的な行動を抑制する効果があると報告している研究もあるそうです。
<エイコサペンタエン酸(EPA)>
期待されている効能としては、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防と改善、大腸がんの予防などです。
科学的に検証しますと、動脈硬化などの予防・改善効果は認められていますが、がんへの効果は科学的根拠がはっきりしていないようです。
また、うつ病の標準的治療の補助剤としてEPAを摂取することで、うつ病の改善が認められたという報告や、がんなどの外科手術前後にアミノ酸の一種のアルギニンなどと共にEPAを摂取すると、手術創の回復が早まり、感染症が予防されるという報告もあるそうです。
ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)は、私たちの体内で合成することができないので、青魚を中心とした食物から摂る必要があります。
ただし、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)は、魚の脂肪に含まれますので、たくさんとりすぎることはエネルギーオーバーになりますので、注意しましょう。
参考図書:頭イキイキ血液サラサラの食事術(講談社)、健康でいるための栄養のとり方(小学館)、抗がんサプリメントの効果と副作用 徹底検証!(三省堂)
Posted by pharmacist008.
カテゴリー: コラム.