金属アレルギーのおはなし
2017年 8月 15日 火曜日
『アレルギー』と言ってもその種類は様々で、代表的なものとしては花粉症、食物アレルギー、薬物アレルギーなどがあります。
また、その他にもたくさんのアレルギーがありますが、今日は『金属アレルギー』についておはなしをしたいと思います。
『金属アレルギー』とは金属に対するアレルギー反応によって起こる「アレルギー性接触皮膚炎」です。
アクセサリーを付けていた部分にブツブツやかゆみが出たという経験はないでしょうか。
これが『金属アレルギー』と言われるものです。
アクセサリーや時計といった金属製品を身につけているうちに、汗で金属が少しずつ溶け出し、溶け出した金属が体内に入り込み、体内に入った金属が免疫反応によって『異物』と判別され、ブツブツやかゆみなどの症状が起こります。
金属アレルギーの症状は金属が直接皮膚に触れることで皮膚症状が起こる『金属接触アレルギー』だけではなく、直接皮膚に触れている部分から離れた場所または全身に症状が表れる『全身型金属アレルギー』もあり、どちらの症状がでるかは人によって異なります。
また、アレルギー発症までの期間も人によって異なり、原因となる金属を身に付けてから数日で発症する人もいれば、数年経ってから発症する人もいます。
症状が軽い場合、原因となったアクセサリーなどに触れないようにすれば数日で治まりますが、ブツブツやかゆみがある症状がひどい場合には早めに皮膚科を受診し適切な治療を受けましょう。
治療は症状に応じて、非ステロイド性抗炎症外用剤やステロイド外用剤などが用いられます。かゆみがひどいときには内服の抗ヒスタミン剤を併用したりもします。
金属アレルギーは金属製品を身に付ける人であれば誰にでも起こりうるアレルギーと言え、また、どの金属も原因になる可能性があるので、「この金属は絶対大丈夫!」ということはできません。
そこで、以下のような予防方法で日常から注意をしましょう。
・着用する金属製品はアレルギーの起きにくい金属(チタン、銀、プラチナ、金、亜鉛など)を選び、アレルギーの起きやすい金属(水銀、ニッケル、コバルト、スズ、パラジウムなど)が含まれているものは避ける。
・汗を多くかく時(春夏などの時期やスポーツをするとき)は、金属製品をはずしできるだけ金属に触れないようにする。
ちなみに、歯の治療で使用した詰め物が原因で金属アレルギーが発症するということもあります。これまでに歯の治療を行い詰め物をしているという方は、歯科金属が溶け出さないようにするために、口内を清潔に保ち予防を心がけましょう。
Posted by pharmacist008.
カテゴリー: コラム.