漢方的「血(けつ)」を増やすおはなし
2018年 4月 1日 日曜日
貧血じゃないのに、めまいがする、ふらふらする、たちくらみ、動悸、息切れがするなどありませんか?
実は、漢方では「血(けつ)」が足りない=血虚という考え方があります。
この血とは、漢方の考え方で気血水論からきているものです。
まず、気血水論とは、漢方では体を構成する成分をこの3つに分けて考えます。
「気」は、元気の気、エネルギー、精神力、精力のことをひっくるめていいます。気が不足すると、元気が出なかったり、疲れやすくなります。
「血」は、血液だけでなく、体に必要な栄養分や潤いを臓器や皮膚などに与え、血流をよくするもののことです。
血が不足すると、肌が乾燥したり、冷え、抜け毛、白髪、めまい、動悸、不眠、息切れ、落ち込みやすい、婦人科の不調などを起こします。
「水」は、「血」以外の体を潤す体液全般のことを言います。
水毒といって、水の汚れがたまると、むくみ、たんや鼻水が出やすい、低気圧の頭痛などを起こします。
西洋医学の貧血と、漢方の血虚は、いずれも血液を関しますが、前者は血液の成分のこと、特に血液中の鉄分の割合の低下のことを言い、後者は成分ではなく、体の血液量全体のことを言います。
そのため、貧血じゃない(=鉄不足じゃない)状態でも、血液の全体量が足りないと、上記のようなたちくらみ、めまいなどが起こります。
「血」は、目を酷使すると消耗すると漢方では考えています。特にパソコンやスマホが普及した昨今、現代人は「血(けつ)」が不足しがちな状況です。
そのため、いかに消耗を抑え、いかに補給していくかが大事になります。
漢方は、薬に頼るだけでなく、日々の生活、食事などで対応することもできます。
血を増やしていく食材としては、クコの実、ナツメといった漢方素材から、黒豆、黒ゴマ、海藻類、ドライフルーツ、赤身の肉や魚がいいです。
これらを日々取り入れることで、血を増やしていくことができると漢方では考えます。
Posted by pharmacist008.
カテゴリー: コラム.