飲み物と薬について
2021年 7月 1日 木曜日
薬は水で飲むのが良いと言われていますが、なぜ水なのでしょうか。
それは薬と飲み物が相互に作用し合い、薬の吸収や効果に差が出てしまうからです。
今回は薬と飲み物の相互作用について、いくつか紹介していきます。
◆牛乳
医薬品例)抗生物質(テトラサイクリン系、ニューキノロン系)、ビスホスホネート製剤(骨粗鬆症の薬)
牛乳は金属元素のカルシウムが含まれており、カルシウムが薬と結合しキレート錯体を形成します。
その結果体への吸収が低下し、作用が減弱します。
◆グレープフルーツジュース
医薬品例)Ca拮抗薬(高血圧治療薬)、スタチン系(高脂血症治療薬)の一部など
グレープフルーツジュースに含まれているフラノクマリン類が、小腸での薬の代謝を阻害し体内の薬物血中濃度を上昇させます。すると薬の作用が強く出てしまいます。またこの相互作用は数日間続くといわれています。
◆オレンジジュースや柑橘系ジュース、炭酸飲料、コーラ
酸性の性質を持つ飲み物はさまざまな薬と相互に作用します。
医薬品例)クラリスロマイシンドライシロップ製剤(抗生物質)
クラリスロマイシンは苦みが強いため、ドライシロップ製剤では苦みを和らげるコーティングがしてあります。しかし酸性の物質が作用するとコーティング効果が消失し、苦みが増します。
医薬品例)ニコチンガム(禁煙補助薬)
飲料により口腔内が酸性に傾き、塩基性であるニコチンの吸収が低下します。
今回は飲み物が薬の効果に影響する組合せの一部を紹介しました。
もちろん、全ての場合に影響が出るわけではないので、医師や薬剤師に相談してみましょう。
このように飲み物の影響を受ける薬はたくさんあります。そのため薬を飲む際はコップ1杯の水で飲むことをお勧めしています。
Posted by pharmacist008.
カテゴリー: 日記.