軟膏のお話し

2022年 8月 15日 月曜日

みなさんは、塗り薬が処方された時に「混合」や「Mix」という指示が書いてあるのを目にしたことはありますか?

寒い季節に向けて保湿剤や炎症を抑える塗り薬を使用する機会が増えてくると思います。

今回はステロイドの塗り薬の強さと、軟膏を「混合する」という薬剤師のお仕事にも触れたいと思います。

 

【ステロイドの強さは5段階】

Strongest (最も強い):主に身体。胸や背中、お腹などに塗ります。

Very strong (とても強い):主に身体、皮膚の厚い手足に使用。

Strong (強い):身体や虫さされに使ったり、お子さんに使う場合もあります。

Medium (普通):主に顔や頭、首など。お子さんの湿疹に保湿剤と混ぜて使ったりもします。

・Weak (弱い):目などの弱い部分に使用。眼軟膏といって目の中の下まぶたの粘膜に塗る薬もあります。

症状や状態によっても様々ですので、お医者さんの指示に従って使いましょう。

【薬剤師のお仕事について】

「塗り薬を混合する」のも薬剤師の立派な仕事のひとつです。

時には軟膏だけでなくクリームタイプのトロトロした塗り薬や温感を加えるためにカプサイシンの粉(トウガラシの成分ですね!)や清涼感を与えるためにハッカの精油を入れる場合もあるんですよ!

実際のやり方は調剤薬局のお店にもよりますが、

基本的には「軟膏板」と「ヘラ」を使って薬剤師が手作業で混ぜます。

イメージは…歌を歌いながら混ぜてくれる某アイスクリーム屋さんみたいな感じですかね?

もちろん、歌は歌わずに真剣にお仕事をしています!

イラストのような軟膏板が主流ですが、混ぜる台の内部に電気が通っていて、

軟膏を温めて柔らかくすることで混ぜやすくする…なんていう軟膏板(板というより、軟膏を混ぜるテーブルのようなものですね!)もあります。

その他には「軟膏練り機」と言われるような機械があります。

これは小さいものだと形も大きさも5合炊き炊飯器よりひとまわり大きいくらいですかね?

ひとつの軟膏ツボに混ぜる軟膏をすべて入れてスイッチを押すと遠心力で混合してくれる機械です。

とても便利ですが、薬の種類によっては中心だけ混ざっていなかったり、

ダマが出来てしまうこともあるので、機械で混ぜたものを一回出して、

最終的に薬剤師が手作業で混ぜることもあります…。(大変💦)

 

「軟膏を混ぜるのにお時間かかります」と受付で言われたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

お待たせしてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいですが、薬剤師さんたちは、このようにして調剤室でがんばって軟膏を混ぜています!

 

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