ノロウイルスのはなし

2022年 12月 1日 木曜日

本日はノロウイルスについてお話したいと思います。

ノロウイルスと聞くと、11月くらいから発生件数が増加し、12月~1月にかけてピークを迎えるため冬のイメージがありますが、実は1年を通して発生しています。

 

ノロウイルスの感染経路としては主に2つのルートが考えられています。

① ノロウイルスに汚染された食品(二枚貝など)の生あるいは十分に加熱せずに食べた場合

② ヒトからヒトへ感染する場合(感染者の便や嘔吐物が、飛び散った箇所に触れた手指が口に触れたり、乾燥して空気中に浮遊したウイルスを吸い込んだりすることによって感染するケースなど)

 

潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。

通常、これらの症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。

また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。

そう聞くと、そんなに怖くないと思うかもしれませんが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。

またノロウイルスについては残念ながらワクチンがなく、治療は輸液などの対症療法に限られます。

そのため予防対策がとても重要です!!

 

ではノロウイルスを予防するにはどうすればいいのでしょうか・・・?

 

食品の十分な加熱

一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる有効な手段です。

感染源として有名な牡蠣などの二枚貝を食べるときには、生食を避け、フライや鍋物にするなど、十分に加熱処理を行うことが重要です。

食品の中心部が85~90℃の状態で、90秒以上の加熱を行ってください。

手洗いの徹底

手洗いは、 手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。

帰宅時や調理時、食事の前、トイレに行った後など、石鹸を使って、こまめな手洗いを心がけましょう。

また昨今、アルコール消毒液がいたるところで見られますよね。

消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水を用いた手洗いの代用にはなりませんが、すぐに石けんによる手洗いが出来ないような場合、あくまで一般的な感染症対策の観点から手洗いの補助として用いてください。

調理器具の消毒・殺菌

ノロウイルスに感染した食材を調理した際、調理に使用したまな板や包丁、ふきん、調理台などにもウイルスが付着している可能性が考えられます。

使用後はすぐに洗浄をし、加熱できるものであれば、85℃以上の熱湯で1分間以上の加熱を行ってください。

加熱が難しい場合は、希釈した次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)を布やスポンジにつけて、浸すように拭くとウイルスは失活化できると考えられています。

以上の事などに気を付け、万が一感染が確認されたら、医師の指示に従ったうえで、下痢や嘔吐などの症状が改善するまでは、自宅で安静に過ごすようにしましょう!

 

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