「くすりのはなし」のはじまり

2010年 12月 13日 月曜日

今回から薬剤師による「くすりのはなし」のコーナーをスタートします。

 

「くすり」について皆様の少しでも役に立つものをテーマにしていきたいと思います。

 
最初は、やはり「くすりの始まり」、起源についてのお話です。
くすりは、国語辞書を見ると、「病気や傷の治療のために、あるいは健康の保持・増進に効能があるものとして、飲んだり、塗ったり、注射したりするもの。医薬品。」と書かれています。

このように現代では、くすりは病気治療や健康維持・増進に使われていますが、何故、くすりと言うのでしょうか?

古代、「霊妙なもの」「特別な能力をあたえるもの」として使われ、「霊妙」「神秘的」の意味の「奇し(くすし)」が始まりとされています。
この他、草根木皮が漢方薬として使われていたため、「草(くさ)」に由来すると言われています。

古代中国の皇帝である「神農」は、百草をなめて「毒か」、「くすり」かを調べたとのことです。
「神農」は、世界最古の薬物書「神農本草経」に名を残しています。

 

話は変わりますが、皇帝と言えばナポレオン。11月初旬に、ナポレオンゆかりのフランス パリ郊外のフォンテーヌブローを訪ねました。

フランソワ1世からルイ15世の代まで使われた城(世界遺産)、そして王族の狩猟場であった広大な森の中にある町です。

城は、かのナポレオン(1世)がこよなく愛し、また、皇帝の座を退く時、バルコニーから親衛隊に別れの挨拶をしたそうです。悔しさが感じられます。

①フォンテーヌブロー

②フォンテーヌブロー

 

 

 

 

 

城に続く森は、整備され、住民の格好の散歩コースとなっています。
一歩足を踏み入れば、黄色に色付いたカエデなどの広葉樹が広がり、足元はまるで黄色の絨毯のようにフカフカし、大きな自然を感じ、足音が詩のような気持ちにさえなります。

   ③黄葉

 町では、毎週、火、金、日曜日に広場でマルシェが開かれます。
野菜、花、きのこ、デザート、魚、肉などのお店があり、驚いたのは肉屋にウサギが裸にされ横たわっていたことです。
買い求めた人の求めで、肉屋の美しく若い店員がナタ包丁で真っ二つに切っていたのは、草食人種の私にはショッキングでした。ホタテとデザートのマロングラッセを買い求めました。少し、フランス人気分が味わえました。

④マルシェ

フランスと言えばパリですが、フォンテーヌブローのような少し田舎も別なヨーロッパを感じられますよ。近くには、ミレーなどの印象派の画家がアトリエを開いていたバルビゾン(写真下左)、日本洋画の礎を築いた黒田清輝が愛し、住んでいたグレー・シュル・ロワン(写真下右)、印象派の画家シスレーが暮らし、生涯を終えたモレ・シュル・ロワン(写真最下)など、森(自然)と町並みが調和した町があります。

⑤バルビゾン   ⑥グレー・シュル・ロワン⑦モレ・シュル・ロワン

 
一番好きな人と寄り添い歩けば、もう、ヨーロッパ・ロマンの世界です。
皆さんも是非、フランス旅行の折に足を運んでみてください。