くすりのかたち 

2023年 6月 1日 木曜日

薬にはいろいろな形があり、それを剤型といいます。

それぞれに特徴があり、得意なことや不得意なこともあります。

   

【錠剤】

錠剤といってもいろいろあります。一部ですが紹介します。

・口腔内崩壊錠

薬の名前が『D錠』や『OD錠』となっていることが多く、口の中でラムネのように溶けるため、大きい粒が飲みにくい人でも飲みやすくなっています。

・徐放錠

1日1回でいいなど服用回数を減らすために、体の中でゆっくり溶けるよう設計されています。細かい設計が崩れるため、嚙んで飲んだりすると、薬の効果が短時間に強く出ることもあるため、錠剤のまま飲み込むことが重要です。

・舌下錠

舌の下に入れて溶かすことで、普通の錠剤に比べてすぐ効果を発揮します。

【顆粒、細粒、散剤】

いわゆる粉薬です。

体重によってお薬の量を調節できるよう、子ども用の薬などが多いです。

抗生物質など苦いものは甘い味でコーティングされていることも多く、抗生物質などでは、同じ薬でもメーカーによってイチゴ味だったりバナナ味だったりすることもあります。

こういうお薬は、お水などに溶かしてしばらく置いておくと甘いコーティングが溶けて苦みが強く出ることがあるため、時間をおかずにすぐ飲むことをおすすめします。

 

【シロップ】

シロップも体重などでお薬の調節がしやすく、また甘い味であることも多いため、子どもによく使われます。ただし、たまに苦いお薬があったり、エリキシルといってアルコールを含むお薬もあります。(もちろん濃度はお酒ほどではありません。)

【貼付薬(ちょうふやく)】

貼って効果の出るお薬です。

シップ薬などを想像する方が多いかもしれませんが、口からお薬を飲むことが難しい場合などにも使いやすいため、心臓の薬や気管支喘息の薬、痛み止めの麻薬などもあります

 

【坐薬】

肛門(おしり)に挿入するお薬で、解熱剤や抗けいれん剤、便秘の薬などが代表的です。

口から飲めなくても使用できることや、飲み薬に比べて効果が早いことが特徴です。子どもに使用するときは、体重に合わせてはさみで1/2や2/3などに切って量を調節することもあります。すべてではありませんが、体温で溶けるように設計されているものは、溶けないよう冷蔵庫に保管することも多いです。

【注射薬】

直接血管に注射をする静脈注射や、コロナワクチンで有名となった筋肉内注射、そのほかのワクチンでよく使われている皮下注射などいろいろあります。

注射といえば病院と思われる方も多いかもしれませんが、インスリンや不妊治療、リウマチや骨粗しょう症など、ほかにも何かの病気のために、自分や家族が注射を打っている(自己注射)方も多くいます。

ほかにも吸入薬、軟膏やローション、点眼・点耳・点鼻薬、飲むのではなく舐めて使用するトローチ錠などもあります。同じ薬でも、錠剤と貼付薬があったり、錠剤と粉薬とシロップがあったり、錠剤と注射剤があったりするため、医師は患者さんやその家族の様子を見て、話を聞いて、その剤型まで考えてくれています。

大きい錠剤は飲み込みにくい、皮膚が弱く貼り薬はかぶれやすい、注射薬は怖いからいやだ、など何か不安なことがあれば、主治医の先生や薬局の薬剤師に相談してみると、
もしかしたら違う剤型があり改善されることもあるかもしれません。

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