オブラートのおはなし

2024年 6月 15日 土曜日

直接的な表現を避ける言い回しとして、「オブラートに包む」があります。

オブラートは、一般的にデンプンから作られる水に溶けやすい可食フィルムのことを指します。

薬ののみにくさを改善するためにオブラートを使用することがあると思いますが、お菓子などの湿気防止などでも目にする機会があります。

オブラートは、オランダ語もしくはドイツ語が起源とされています。

元来、オブラートは固く、薬を塗って水に浸して軟らかくなったものを水と一緒にのんでいました。

現在のフィルム状のオブラートを開発したのは何と日本人です。

小林政太郎という医師が1902年に寒天とでんぷんを使用して開発し、特許を取得後、世界中に広まりました。

 

現在オブラートをあまり使わなくなった理由の一つに製剤技術の発展があります。

現在は、フィルムコーティングや糖衣錠といった薬剤自体に工夫を凝らして、味や溶解などの改善がされています。

よって、おくすりをのむ際に割ったり噛んだりすると、薬自体の効果が変わってしまうことがありますので、通常と異なる方法で飲む際には、薬剤師や医師に相談をするようにしましょう。

さて、オブラートは英語ではないとご紹介しましたが、冒頭で記載した「オブラートに包む」は英語でSugar Coating、すなわち糖衣と表現します。

異なる言語ですが、不思議とどちらも薬に関係した表現です。

 

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