花粉症とお薬 ②

2012年 2月 28日 火曜日

前回は、花粉症の内服薬についてお話ししました。

今日は外用薬についてお話しいたします。            

アレルギーに対する点鼻薬/点眼薬

花粉症用として市販されている点鼻薬や点眼薬には様々な成分が含まれていますが、メインとなる成分は抗ヒスタミン薬抗アレルギー薬です。

第1世代抗ヒスタミン薬のクロルフェニラミンマレイン酸が代表的で、血管収縮剤などを配合し、不快な鼻の症状や眼のかゆみをすばやく改善することができます。

その反面、効果はあまり持続せず、使い続けると効きにくくなってくることがありますので予防的には使用しません。

 

抗アレルギー薬としてはケミカルメディエーター遊離抑制薬のクロモグリク酸ナトリウムや、第2世代抗ヒスタミン薬のケトチフェンフマル酸塩が使われています。

クロモグリク酸ナトリウムには出てしまった症状を鎮める抗ヒスタミン作用がないため、第1世代抗ヒスタミン薬が配合されています。

ケトチフェンフマル酸塩は予防的効果とある程度の即効性を併せ持つスイッチOTCです。血管収縮剤を含まない純粋な第二世代抗ヒスタミン点鼻薬ですので、花粉症シーズンに渡っての使用が可能です。

また、市販の点鼻薬や点眼薬には、血管収縮剤(塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、硝酸テトリゾリン、塩酸オキシメタゾンなど)というものが配合されている製品もあります。

特に点鼻薬で顕著で、使い始めはたちどころに鼻の通りが良くなり気持ちが良いですが、連用するとリバウンドによってかえって鼻づまりを起こすことが多いです。

花粉症は人によっては数ヶ月続くものなので、血管収縮剤が含まれている製品の使用には十分な注意が必要です。使うのであれば、どうしてもつらいときに数日程度を目安にするのが良いと思います。

さらに、近年では、点鼻薬には処方薬にしか配合できなかったステロイド成分を配合したOTCが発売されました。

ステロイドは鼻詰まりや鼻水などを抑える効果が高い上、鼻腔内の局所に使用するので、眠気も出ず、全身的な副作用の心配がほとんどありません。

                点鼻薬の使い方

使用前によく鼻をかみ、軽く吸い込みながら容器を鼻に入れて噴射します。このとき、容器の向きはまっすぐにし、鼻の中心にある鼻中隔(右と左の穴を隔てている部分)にはなるべく薬剤が直接当たらないようにしてください。

      点眼薬(目薬)の注し方

容器の先端がまつげに触れないよう少し離して一滴だけ点眼します。うまく点眼できなかったときのみもう一滴点眼します。点眼したらすぐにあまりまばたきをせずに目を閉じ、そのまましばらく目をつむったままにします。

そうすることで点眼薬が浸透するだけでなく、点眼薬が鼻に流れるのを抑えることが出来ます。その後、目の回りにあふれた点眼薬をティッシュなどで軽く押さえるようにして拭き取ります。

コンタクトレンズを使用する場合は、一般的にはハード、および一日使い捨てタイプの場合はそのままレンズの上から点眼していいでしょう。

ソフトや二週間タイプのコンタクトレンズの場合はそのままでは点眼せず、一度レンズを外すか、レンズ装着前に点眼し、出来れば15分以上置いてからレンズを装着するといいでしょう。

                   

症状やライフスタイル、好みによって合う薬は人それぞれです。自分にあった薬をみつけ、花粉症をうまく乗り切りましょう!お気軽に薬剤師にご相談ください。