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葛根湯のおはなし

2019年 12月 1日 日曜日

12月に入り、ぐっと気温が下がるこのごろ「急に寒気が!!」と感じた方も多いのではないでしょうか。

病院を受診するまで症状はひどくないけれど、なんとなく体調が優れない、という方は漢方薬で身体の調子を整えることがおすすめです。

 

風邪の引き始めに効果的な漢方薬と言えば「葛根湯」です。

今回は葛根湯の作用と効果的な服用方法をまとめました。

 

〈発汗効果により免疫アップ!風邪が治るメカニズムと葛根湯の役割〉

漢方薬の中でも一度は耳にした方も多い葛根湯。

そもそもなぜ風邪のひきはじめに効果があるのでしょうか。

 

風邪をひくとウイルスを体内から排除しようと、身体の中で免疫細胞が働きます。

免疫細胞は身体の体温があがることで活性化するため、風邪をひくと熱がでます。

つまり熱が出ているときは、身体の免疫細胞がウイルスと戦っている証拠といえます。

 

葛根湯は7種類の生薬を配合した漢方薬です。

「カッコン」「タイソウ」「マオウ」「カンゾウ」「ケイヒ」「シャクヤク」「ショウキョウ」から成り立っており、「マオウ」と「ショウキョウ」は身体を温める作用を持つ代表的な生薬です。

 

前述の通り、風邪をひくと免疫細胞が働いてウイルスを身体の中から排除しようと身体は熱を上げようとします。

しかし、熱を上げることは体力を消耗し、高熱が続くと大量のエネルギーが消費されます。

風邪を早く治すポイントは上手に体温を上げることです。

 

風邪のひきはじめの段階、特に風邪をひいた1日2日目で、身体を効果的に温めれば免疫力もアップし、身体が体温を上げようとする前に、いち早くウイルスを撃退することができます。

細菌・ばい菌のイラスト「困った顔のキャラクター」

 

〈葛根湯をお湯で服用して効果を最大限に引き出そう〉

葛根湯は身体を温める作用があることはお話いたしました。

しかし、生薬そのものの作用だけでは身体をすぐに温めることは難しいです。

寒気を感じる風邪を引いた方は、ぜひ白湯(さゆ)で服用してください。

一気に身体が温まって免疫力もアップの助けになります。

 

ポイントは、白湯で服用した後、「額に汗がじんわりにじむ程度」まで身体を温めることです。汗をかきすぎでも、エネルギーを大量に使い、体力低下の原因となりますのでご注意ください。

 

〈ドラックストアの漢方薬を上手に活用してセルフメディケーションを〉

日々、忙しく働いていると医療機関を受診する機会も少なくなってきます。

風邪に限らず、病気は早期に対処することでその後の経過に差がでてきます。

身近な漢方薬で体調をいち早く整え、万全の状態で冬を過ごしていきましょう。

コタツでくつろぐぴょこのイラスト

 

 

風邪のおはなし

2019年 11月 15日 金曜日

空気が乾燥する季節になりました。

通勤通学時にマスクを着用されている方を目にするようになってきました。私もマスクを着用し出勤しています。

 

さて、乾燥時注意しなければならないこととは何でしょう?

肌の乾燥?ドライアイ?等色々該当しますが、今回は風邪についてご紹介します。

 

風邪対策として皆さんが取り組んでいらっしゃることは何でしょうか?

マスクをつける、保湿・加湿を行う、手洗いうがい、規則正しい生活・食事を心がける、十分な睡眠をとるなど心がけているのではないでしょうか。

 

しかしながらどうしても体調が優れない際はかかってしまうものです。

 

なんだか喉がイガイガする、鼻水が出る、体がだるい・熱っぽいなどいつの間にかそういった症状に悩まされるのではないでしょうか。

 

風邪というのは正式には風邪症候群といい、ほとんどの場合ウイルス等が呼吸器より感染し症状が発現します。

 

ここでいう症状が咳や鼻水、発熱等になりますが、咳や鼻水、発熱等はこういった侵入したウイルスに対しての一種の防御反応なのです。

 

とはいってもそういった防御反応はつらいものですし、早めの受診をお勧めします。また、お子様、ご高齢の方や症状が長く続く方はやはりなるべく早く受診されることが良いでしょう。

 

さて医療機関を受診される際に、皆さんに知っておいて頂きたい事があります。

それは医師もしくは薬剤師にしっかりとご自身の事をお話しして頂きたいということです。

 

現在、何か別の治療にてお薬を服用されている方や、今までに体に合わなかったお薬がある方、緑内障などの疾患を治療されている方などは、場合によっては風邪に使う処方薬が使用できない場合があります。

そういったことを回避するために医師もしくは薬剤師にはきちんとご相談ください。

 

お薬手帳をお持ちの方は受診時・来局時に持参していただければと思います。

 

まだまだ寒く、乾燥する季節が続きますが皆さん体調に気をつけてくださいね。

 

合併症のおはなし

2019年 11月 1日 金曜日

みなさんは「合併症」という言葉をご存知ですか?

医療における合併症という言葉には2つの意味があります。

 

①ある病気が原因となって起こる別の病気のこと

例)高血圧の合併症として、心筋梗塞・狭心症・脳梗塞など

糖尿病の合併症として、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害

 

②手術や検査などの後、それらがもとになって起こることがある病気

例)手術による傷口の感染症

消化管手術後に腸が詰まってしまうこと(腸閉塞)

 

今回は①の糖尿病 三大合併症についてお話したいと思います。

 

はじめに、、、糖尿病とは?

なんらかの原因により、血液中のブドウ糖濃度「血糖値」が高い状態が続くことを言います。

糖尿病は自覚症状がないので、知らずのうちに血糖値が高い状態を放置していると次第に身体に異変が起きてきます。

 

<最も早く出てくると言われる  糖尿病性神経障害>

初期症状としては、足裏の痺れや痛みが起こり、次第に手の指先の痺れが現れます。人によって症状はさまざまですが、ひどくなると痛みを感じなくなります。

糖尿病は感染への抵抗力が弱くなるので、足の傷からばい菌に感染し壊死してしまい、切断を余儀なくされることも・・・

 

<透析治療になる原因NO.1  糖尿病性腎症>

腎臓は老廃物を排出するために尿を作っています。

症状は進行するまでほとんど現れませんが、次第に腎臓の機能が低下して老廃物が溜まってきます。悪化すると腎臓が働かなくなり、いよいよ透析治療に。

透析患者さまの約4割は糖尿病性腎症と言われています。

透析治療は週2~3回の通院が必要で、気軽に旅行できなくなってしまうなど日常生活の制限を伴うので、できれば避けたいですよね。

 

<失明することも・・・  糖尿病性網膜症>

目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する病気です。

初期では自覚症状がなく、目のかすみなど何らかの症状に気がついたときには進行していることが多いです。場合によっては失明することも。

糖尿病では、緑内障や白内障になりやすいという報告もあるので、定期的な眼科検診が大切ですね。

 

今回ご紹介した合併症はいずれも、血糖値が高い状態が続くことにより血管が障害されて起こります。

そうならないためにも、定期的な健康診断、糖尿病と診断されたら適切な血糖コントロールが大切です!

 

タンパク質のおはなし

2019年 10月 15日 火曜日

最近、運動不足やダイエットのためトレーニングジムに通う人が多くなっていますが、それと同時に、手軽にプロテインを摂取できるような商品を目にすることが多くなりました。

 

そこで、今回はタンパク質(プロテイン)についてお話したいと思います。

タンパク質は筋肉を作るだけではなく体を構成するためにとても重要な栄養素です。

タンパク質というと、肉や魚、大豆、乳製品に含まれているイメージですが、実はお米や野菜にも少し含まれています。

 

ちなみに、『タンパク質=太る』というイメージで敬遠してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もちろん、摂りすぎはよくはないですが、タンパク質不足になると肌が荒れたり、髪がパサパサになったり、免疫力も低下してしまうといわれています。

また、筋肉量の低下により基礎代謝も低下し、逆に太りやすい体になってしまうのです。

 

タンパク質不足にならないためにも、日ごろから自分に必要なタンパク質量をしっかり把握しておくことが大切です。

ちなみに、厚生労働省が定めている食事摂取基準では、一日当たり15~17歳の育ち盛りで50~65g18歳以降では50~60gが推奨量となっています(男女差あり)

また、一般的には「体重×1g/日」とも言われます。

その上、過度なトレーニングをしている人は、より多くのタンパク質を摂取しなければなりません。

 

タンパク質には肉や魚などの『動物性タンパク質』と、大豆や乳製品などの『植物性タンパク質』の2種類があります。

動物性タンパク質は、構成成分であるアミノ酸のうち必須アミノ酸が豊富に含まれており、体への吸収も良好です。要するに栄養価が高いということです

そのため、筋トレをしている人は動物性タンパク質を積極的に摂取されます。

しかし、動物性タンパク質には脂質が多く含まれているものもあり、ダイエットとなると注意が必要です。

それに比べて、植物性タンパク質はアミノ酸の含量としては動物性タンパク質に劣り、吸収もあまりよく無いといわれています。ただし、食品として低脂肪のものが多くヘルシーであることが良い点です。

 

みなさんも過度なダイエットや偏食のせいでタンパク質不足にはなってはいないでしょうか。また、運動しているのに適切なタンパク質をとらず、せっかくの運動が無駄になってはいないでしょうか。

自身の生活環境や運動量、体質など考慮したうえで正しいタンパク質の摂取を心がけましょう。

アロマケアのおはなし

2019年 10月 1日 火曜日

アロマの効果について

ストレス社会で戦う現代人。そんな日々の心身ケアに、今注目されているアロマケアについて紹介させていただきたいと思います。

 

「精油」を用いたフランス発祥の医療方法 「メディカルアロマセラピー」

日本ではアロマの香りがお部屋のディフューザーなどとして親しまれる機会が多くなってきましたね。一方で海外のフランスやベルギーではそのアロマが代替・補完療法として医療目的で活発に活用されています。

メディカルアロマセラピーではその香りが脳に伝わり心に作用することを活用しています。香りによる癒し効果と精油による薬理作用で、西洋医学だけでは補完しきれないメンタル面への効果が期待できるとされています。

それでは、たくさんあるアロマ精油の効能からいくつかピックアップしてご紹介いたします!

 

  • 殺菌作用のある製油

ティートリー:シャープで清潔感のある香り。抗菌・抗ウイルス効果があり、呼吸器系の不調や風邪、インフルエンザなどの感染症、花粉症に効果があり、免疫活性化作用もあります。(白血球活性化作用)

ユーカリ:シャープでクリアな香り。痰きり、鼻やのどの呼吸器系トラブルに優れています。

 

  • 健胃作用

オレンジスイート:果実そのままのみずみずしい香り。食欲増進させ、下痢や便秘などの胃腸トラブルを整える効果があります。

ベルガモット:アールグレイの香り付けに使用される甘くさわやかな香り。消化促進作用、食欲増進・調節作用、緩下作用等。特にストレスや神経系トラブルに夜胃腸トラブルに優れた効果を発揮します。

 

  • 安眠、リフレッシュ、リラックス効果

オレンジスイート:不安や緊張、ストレスによるうつ状態から開放され、気分を前向きにする効果があります。

ジュニパーベリー:軽いウッディー調の香り。落ち込んだときにリフレッシュさせ、新たなことに取り組めるようにチャレンジ精神を高める効果が期待できます。集中力アップにも。

ネロリ:自律神経を整え、心身をリラックスさせます。不安や緊張、ストレスによるうつ状態から開放され、気分を前向きにする効果があります。

 

これ以外にも精油成分がまだまだ沢山あります。皆様もぜひ、季節を問わず、良い香りと共に心と体を元気にしてくれるアロマを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

ちなみに売られている製油には純度に違いがあります。「製油」と呼ばれるものは純度100%のものだけで、他に加工されたものが「アロマオイル」と呼ばれるそうです。

 

口内炎のおはなし

2019年 9月 15日 日曜日

がん治療は進歩し、がんは治せる病気へと変わってきていますが、その治療過程では様々な副作用も引き起こし、口の中にも高い頻度で起こります。

本日は、がん薬物療法や放射線療法により認められる、口内炎症状についてご紹介します。

 

口内炎とは

 口の中の粘膜(唇や頬の内側、舌、歯ぐきなど)におきる炎症のことです。

口内炎が悪化すると、痛みで食事が取れなくなったり、粘膜が腫れて痛くなったり、唾液量が減少して口が渇いたり(口腔乾燥)、味覚が変化したり、治療の影響で免疫力が低下して口の中の細菌が全身へ感染を引き起こしたりすることもあります。

 

口内炎を引き起こしやすい治療

  • 頭頸部がん(顔、のど、口、鼻などのがん)や食道がん治療のために放射線照射した場合や抗がん剤治療と併用した場合
  • 造血幹細胞移植で全身放射線照射を併用した場合
  • 口内炎を引き起こしやすい抗がん剤の治療をした場合

 

口内炎の予防法

口内炎の治療には時間がかかり、食事がとりにくくなることで栄養状態が悪化し、生活の質(QOL)が低下することで治療継続が困難になることもあり、治療前からのお口のケアーが大切になってきます。

 

①うがいによる口腔ケアー

うがい液はお口の中を清潔に保ち、湿り気を保つことに役立ち、また炎症を抑えたり組織の修復に役立ったりします。朝起きたとき、食前・食後、寝る前、乾燥や痛みがあるときなどこまめにうがいしましょう。

 

②歯磨き

毎食後、寝る前の歯磨きを習慣に。専門家に磨き方を教えてもらうことも必要です。

 

③保湿

口腔内の乾燥は口内炎の発症や悪化にも影響があるため、保湿剤や市販の口腔内保湿ジェルなどを使うことも有効です。

 

④禁煙

喫煙によって口内炎が悪化する可能性があるため、禁煙を心がけましょう。

 

口内炎の治療方法

口内炎は治療法が確立していないため、症状にあわせた対症療法が主流になっています。

①うがいや口腔ケアー

アズレンスルホン酸ナトリウムなどのうがい液などを使います。痛みが激しい場合は局所麻酔薬を混ぜたり、とろみをつける成分を混ぜたりする場合もあります。

②消炎鎮痛剤

局所麻酔薬を加えたうがいに加えて、鎮痛剤を併用することもあります。鎮痛剤にはいろいろな種類があり、痛みで食事が困難な場合は、食前に痛み止めを飲んだり、痛みを抑える成分の入ったうがい液でうがいをしてから食事をしたりすると痛みは和らぎます。

③粘膜保護

保湿剤を使って粘膜保護したり、唾液の分泌を促す薬を使ったりします。

④食事の工夫

食事の工夫で痛みを和らげることも出来ます。

刺激の少ないもの(薄味のもの、酸味を控える、冷ましたもの、香辛料を控える)、ミキサー食、とろみのついた食事、流動食、経管栄養剤など。

栄養摂取が困難な場合は、中心静脈栄養や胃ろうを検討する場合もあります。

 

ここではがん治療と口内炎についてご紹介しました。

口内炎症状が悪化すると、治療に時間がかかるため、日ごろのケアーが大切になります。

また、歯周病が糖尿病などの生活習慣病とかかわりがあることも知られていて、お口の中を清潔に保つことは生活習慣病の予防にも繋がります。

おいしく食べ物を食べるためにも 定期的に歯科受診し、日ごろの口腔ケアーを心がけましょう。

夏風邪のおはなし

2019年 9月 1日 日曜日

外は暑くて、室内は冷房で寒い…夏風邪をひいてしまった方はいませんか?

 

今回は、ドラッグストアで購入できる、のど風邪にオススメの漢方薬を2種類紹介します!

 

■その1

今や冷房なしには過ごせない日本の夏。

でも、冷房を使うと乾燥で声がカスカスになっちゃう…

そんな時におすすめなのが【麦門冬湯(バクモンドウトウ)です!

 

💊こんなとき使う

乾燥して声が枯れている

ケホケホと乾いた咳が出る

乾燥して痰が絡む感じがある

 

💊おすすめする人

咳は止めたいが、口が乾いたり 眠くなる薬は使いたくない人

 

💊おすすめしない人

痰がたくさんでる人

 

💊入手するには

ドラッグストアで購入

病院で処方してもらう

 

【麦門冬(バクモンドウ)】という生薬が肺と喉に潤いを与えてくれます。

肺が潤うことで、乾いた咳や声のかすれ、乾燥による痰を和らげます。

 

潤いを与える薬なので、痰がたくさん出ている時に飲むと 痰がもっと出てしまうかもしれません😞その場合はおすすめしません。

 

 

以前文献で、体の中で 声帯に水分が届くのは1番最後 と読んだことがあります。

ということは 声帯からは水分が抜けやすいし、潤いにくいということ。

 

漢方薬の中では 甘味があって飲みやすい味です。

眠くなる成分は入っていませんのでご安心を😊

 

 

 

■その2

朝起きたら喉が痛くて 寒気はない、なんて症状の方にオススメの漢方薬は【銀翹散(ぎんぎょうさん)】です。

 

特に 喉からくる風邪のひき始めにぴったりです。

 

💊おすすめする人

風邪のひき始めで喉の痛みが強い

寒気はしない

 

💊おすすめしない人

寒気がする風邪

 

💊入手するには

ドラッグストアで購入

 

 

銀翹散に入っている【金銀花(キンギンカ)】という生薬は頭部の炎症を抑える効果があります。喉の痛みや頭痛に良く効きます。 【連翹(レンギョウ)】には化膿止めの効果もあり 喉が腫れないようにしてくれます。

 

喉の痛みに効く【桔梗(キキョウ)】【甘草(カンゾウ)】も入っています。

 

銀翹散は体を冷やす効果が強いので、寒気がする風邪の場合は悪化させてしまうかもしれません。寒気がする風邪の場合は、葛根湯(カッコントウ)や麻黄湯(マオウトウ)がオススメです。

 

ドラッグストアで粉タイプと液体タイプが売っています。

液体タイプを冷蔵庫で冷やして喉に絡ませて飲む(=ガラガラうがいして飲み込む)のがオススメです。喉の熱をよく冷やしてくれます。

 

粉のままでももちろん効きます。

 

処方せんでもらえる薬ではないので、病院・調剤薬局ではもらえません。

 

味は少し苦味が強いです。連翹が苦いです。【薄荷(ハッカ)】も入っているので飲むとスーッと清涼感も感じられます。

 

 

「風邪かも?」と思ったその日にすぐドラッグストアで購入して薬を飲めば、病院にかかるよりも、お金も時間もかけずに治療できることもあります。

病院に行ったほうがいいか自分で判断がつかない時や、通院中・妊娠中の方は、ドラッグストアで薬剤師か登録販売者に相談してください。相談自体は無料ですのでお気軽に!

 

 

 

お酒の強さのおはなし

2019年 8月 15日 木曜日

皆さんは、お酒は強い方ですか、弱い方ですか?

「お酒が弱い人」と「お酒が強い人」にはどのような違いがあるのでしょうか。

 

お酒の主成分であるエタノールは主にアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)という酵素によりアセトアルデヒドに代謝された後、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)という酵素によって酢酸とアセチルCoAに分解されます。

 

アルコールを分解する過程で生じるアセトアルデヒドは毒性が強く、顔面紅潮、動悸、頭痛、吐き気などを引き起こします。このアセトアルデヒドを速く分解してしまえるかどうかが重要となるのです。

 

アセトアルデヒドを分解する酵素であるALDHには次のような型があります。

・ALDH1 アセトアルデヒドが高濃度にならないと働かないタイプ

ALDH2 アセトアルデヒドが低濃度でも働くタイプ

 

このうち、ALDH2の活性がどれだけ強いかがその人のお酒の強さに関係しています。

活性の強いALDH2の遺伝子型を *1、全く活性のないALDH2の遺伝子型を *2と表します。

これらの遺伝子を両親から一つずつ貰うため、その組み合わせによりALDH2の強さのタイプは以下の3つに分けられます

・*1/*1 高活性型。お酒に強い。

・*1/*2 低活性型。活性の強さは高活性型の1/16。お酒に弱いか、ある程度は飲める。

・*2/*2 無活性型。お酒は全く飲めない。

 

日本人の約40%は低活性型 (*1/*2)、そして約5%は無活性型 (*2/*2) のALDH2を持つと言われています。

つまり、実は日本人の約半分が生まれつきお酒に弱いということなのです。

 

加えて日本人は、活性の強いアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)を持つ人が多いと言われています。

ADHの活性が強いということはエタノールが速く分解されてアセトアルデヒドになるということですから、日本人は「酔いが覚めやすく悪酔いしやすい」民族であるともいえるかもしれません。

 

ちなみに、「訓練すればお酒に強くなる」というのは半分正解で半分不正解です。というのも、お酒を多量に飲み続けることでADHやALDH2以外のアルコール分解酵素の量が増えることがありますが、肝心のADHやALDH2の活性は遺伝で決まっており、変わることはないからです。

 

お酒の強さは生まれつき個人差があることを理解して、自分の体質に応じた飲み方を心掛けることが大切です。

 

医療機関での『ご本人様確認』のおはなし

2019年 8月 1日 木曜日

 

病院で検査をする前や、薬局でお薬をもらう時などに、毎回『ご本人様確認』をされると思います。

医療過誤防止のための本人確認は、現在ではかなり認知されてきました。

とはいえ、体調が悪くて医療機関に出向かれているのです。何度も名乗ることに煩わしさや、医療者がすべき仕事ではないかと感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

 

私は高校生の時、怪我で数ヶ月間通院したことがあります。

とある外来での診察日、主治医の先生が開口一番、仰ったのです。

「あなたと同姓同名、同い年で、血液型も同じ患者様が来られています。その方は○○(私の怪我とは異なる患部)を治療されているので、今後、私たちの話を聞いていて、もし何かおかしいと思ったら、言ってください。」と。

“えーっ、そんなことを患者任せにするの?自分たちが間違う(=患者を取り違える)って言ってるようなものじゃない!?しっかりしてよ!!”と感じたものです。

 

ところが、実際に薬剤師として病院で働いてみると、取り違えが起こりそうな事例が想像よりはるかに多いことに驚きました。

眼科病棟の担当薬剤師をしていた当時、同姓同名,同世代,似た背格好の患者様が、同じ手術目的で,同じ日に入院してこられたこともありました。一人は右眼、もう一人は左眼の手術をする患者様でした。

万が一取り違えてしまったら…考えるだけで恐ろしいです。

 

危険なのは同姓同名だけではありません。発音すると聞き間違いをしやすい名前や、漢字表記が見間違いをしやすい名前など、要注意な名前の組み合わせも数多く経験しました。

 

 

医療従事者は、氏名だけではなく、性別,年齢,治療疾患なども意識しながら患者様と接しています。患者情報が記録されたバーコード付きのリストバンドも取り入れています。それに加えて、取り違えのリスクが高い患者様の情報はスタッフ間で共有し、注意喚起のための対策をとります

 

残念ながら、それでも人は、思い違いや見逃しを100%無くすことは出来ないのです。

そのため、医療過誤防止の有効な手立てのひとつとして、治療上の処置や投薬の度に『患者様と共にご本人様確認』をしています。

 

その際は、「□□様でいらっしゃいますね?」と患者様に確認を委ねるのではなく、「お名前をお教えいただけますか。」と患者様に名乗っていただくことをお願いし、それを私たちが確認します。

 

 

病気や怪我をされた時、治療の主役はあなたです。

自分のことは自分で守るぐらいの心構えで、ぜひ積極的にフルネームで名乗ってください。

 

 

最後に…

私たち薬剤師が患者様にお薬をお渡しするときは、お薬の効果と副作用、正しい使い方をご説明します。お薬に変更があった場合の説明も重要です。

もし、いつもとお薬が変わっているのに、何も説明がなければ、必ず薬剤師に質問してくださいね。

 

爪白癬のおはなし

2019年 7月 15日 月曜日

 

爪白癬とは爪の水虫のことです。

原因は白癬菌と呼ばれるカビ(真菌)の仲間です。

白癬菌が足にいれば足白癬(いわゆる水虫)、足の爪に侵入すれば爪白癬となります。

 

 

症状としては、爪が白や黄色に濁ったり、ボロボロに欠ける、変形する、厚くなったりする、などが挙げられます。

痛みや痒みなどの自覚症状が比較的少ないのが特徴の一つです。

 

【治療法】

かつては、外用薬(塗り薬)を塗っても、爪が硬く、白癬菌も奥深くにいるため、なかなかお薬が到達できませんでした。そのため、主に内服薬(飲み薬)で治療していました。

しかし、最近は塗り薬でも完治に導けるような、新しい外用薬が発売され、患者様の選択肢が増えています。

 

白癬菌は、自覚症状がなくなったり、見かけ上治ったと思ったりしても、そこで治療を止めてはいけません。中途半端な治療だと白癬菌は復活してしまいます。

きちんと医師に決められた通りに服用する事、使用する事が大切です。

 

これからの季節、サンダルを履いたり、プールや海で裸足になったりする季節ですね。

しっかり治療をして、楽しい夏をお過ごしください。