生薬のおはなし
2020年 8月 15日 土曜日
皆さんは漢方薬を飲んだことがありますか?
「風邪の時はいつも葛根湯」という方から、「漢方は苦いから飲まない!」という方まで、漢方薬は好みが分かれるお薬かもしれません。私は何かと漢方薬に頼ることも多く、たくさんの人に漢方薬について知って欲しいと思います。
そこで、本日は、漢方薬と生薬についてのお話をしようと思います。
「漢方薬と生薬はどう違うの?」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
「漢方」とは、中国から渡った中医学をもとに、独自に発展を遂げた日本式東洋医学のことです。漢方薬は「生薬」と呼ばれる、自然界に存在する植物、動物、鉱物などの薬効となる部分が、複数組み合わされ構成されています。例えば、代表的な漢方薬である葛根湯は、「葛根(カッコン)」「大棗(タイソウ)」「麻黄(マオウ)」「甘草(カンゾウ)」など、複数の生薬をブレンドしたお薬です。
漢方薬は苦手、という方でも、生薬を身近に感じられるものとして、薬膳があります。
薬膳とは、季節や食べる人の体調に合わせ、食材や生薬を組み合わせた料理のことで、中国の清朝時代には皇帝のための宮廷料理だったという説もあります。
例えば、普段の料理によく使われる「生姜」は、体を温める作用や健胃作用のある生薬として様々な漢方薬に用いられています。また、香辛料としてよく知られる「シナモン」も、「桂皮」という生薬として様々な漢方薬に配合されています。
薬膳には「すべての食べ物に薬効がある」「誤った食事は病を生み、正しい食事で病は自ずと癒える」という“薬食同源”という考え方が根底にあります。生薬や薬膳について知ることは、日々の健康を保つことに繋がるかもしれません。
Posted by pharmacist008.
カテゴリー: 日記.