ドーピングのおはなし

2024年 7月 15日 月曜日

今年はパリ オリンピックイヤーですね。

おしゃれなパリの風景、観客が入ったスタジアムの熱狂的な光景、想像するだけで今から楽しみが止まりません。

さて、今回はオリンピックにまつわるお話、ドーピングについてです。

 

ドーピングとは、スポーツ選手が運動能力を高めるために薬物を使うことです。

ドーピングと聞くと、意図的に選手が禁止薬物を摂取するイメージがあるかもしれません。

しかし、中には知らずのうちに禁止薬物を摂取し、ドーピング違反となることがあります。

たとえ、禁止薬物だと知らずに使用してしまった場合でも、検出されれば違反となり、成績が無効にされたり、今後の大会への出場資格が停止される可能性があります。

非常に残念な話ではありますが、他人によって意図的に禁止薬物を摂取させられた場合も、ドーピングとみなされてしまうことがあります。

実際に、日本でも2017年にカヌーの選手がドリンクに禁止薬物を混入される事件が発生しました。

幸い、この事件では加害選手が自白し、厳しい処罰を受けましたが、もし自白していなかったら、被害選手は長期間の出場停止処分を受ける可能性がありました。

アスリートは自分の飲食物に注意を払う必要があります。

自身の安全を守るために、一度目を離したドリンクボトルには口をつけないことが大切です。

 

また、禁止薬物は飲み薬だけでなく、塗り薬貼り薬などの外用薬も含まれます。

例えば、喘息の治療に使われるツロブテロールテープなども、禁止薬物に該当します。

外用薬だから大丈夫だろう」とうっかり使用しないよう注意が必要です。

 

日本スポーツ協会が作成しているアンチ・ドーピング「使用可能薬」リストは、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の禁止表国際基準に伴い、毎年改定されています。

昨年までは、使用可能だったものも、今年は使用不可になっている可能性があります。

必ず最新の禁止リストを確認するようにしましょう。

 

とはいえ、独自で判断することが難しい場合もあるかと思います。そのような場合はスポーツファーマシストに相談しても良いかもしれません。

スポーツファーマシストは医薬品とドーピングに関する知識を持つ薬剤師で、アスリートをサポートする役割を担います。

ネットでスポーツファーマシストがどこの薬局に在籍しているか調べることができますので、自分が服用する薬がドーピング禁止薬に該当しないか不安な場合は、お気軽に相談してみましょう。

その際は、お薬手帳も忘れずに持参しましょう。

スウィートフェンネルのおはなし

2024年 7月 1日 月曜日

今年の夏もとても暑くなりそうですね。

そんな夏、皆さんは何が食べたくなりますか?

冷たいそうめんなども美味しいですが、暑い中に熱々のカレーを食べるのも人気がありますよね。

今回はカレー屋さんで見かけるアレについてお話をさせて頂きます。

 

インド人シェフのいるような本格的なお店も最近は増えてきましたね。

お支払いを済ませた後、キャッシャーの横にカラフルな粒々をみかけたことはありませんか?

食べると甘くて、ちょっとムギムギした食感の後に爽やかな風味が広がるコレ、

単なるお口直しと侮るなかれ、

実は漢方薬でもあるスパイスなんです。

 

この粒々の正式名称はスイートフェンネルで、フェンネルの種子(Fennel seed)の表面をお砂糖でコーティングしたものです。

フェンネル(Fennel)の漢方薬名は茴香(ウイキョウ)といいます。

カレーの本場インドではJIRA(ジーラ)とも呼ばれています。

茴香には健胃や鎮痛作用があるので、食欲減退や腹痛などに使われることがあります。

また、漢方薬“安中散”の構成成分の1つであり、市販の胃腸薬にも配合されていることもあります。

 

もちろん、カレーを作る際にも(主にスタータースパイスとして)使うスパイスなので、

カレーとしても、食後のスイートフェンネルとしても両方摂取できますね!

上手にスパイスを活用して、食欲を増進して夏を乗り切りましょう!

 

オブラートのおはなし

2024年 6月 15日 土曜日

直接的な表現を避ける言い回しとして、「オブラートに包む」があります。

オブラートは、一般的にデンプンから作られる水に溶けやすい可食フィルムのことを指します。

薬ののみにくさを改善するためにオブラートを使用することがあると思いますが、お菓子などの湿気防止などでも目にする機会があります。

オブラートは、オランダ語もしくはドイツ語が起源とされています。

元来、オブラートは固く、薬を塗って水に浸して軟らかくなったものを水と一緒にのんでいました。

現在のフィルム状のオブラートを開発したのは何と日本人です。

小林政太郎という医師が1902年に寒天とでんぷんを使用して開発し、特許を取得後、世界中に広まりました。

 

現在オブラートをあまり使わなくなった理由の一つに製剤技術の発展があります。

現在は、フィルムコーティングや糖衣錠といった薬剤自体に工夫を凝らして、味や溶解などの改善がされています。

よって、おくすりをのむ際に割ったり噛んだりすると、薬自体の効果が変わってしまうことがありますので、通常と異なる方法で飲む際には、薬剤師や医師に相談をするようにしましょう。

さて、オブラートは英語ではないとご紹介しましたが、冒頭で記載した「オブラートに包む」は英語でSugar Coating、すなわち糖衣と表現します。

異なる言語ですが、不思議とどちらも薬に関係した表現です。

 

メディカルコミュニケーター
メディカルコミュニケーター

公式Facebook

検索

カレンダー

2024年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

最近の投稿

カテゴリー