一包化のおはなし

2023年 4月 15日 土曜日

複数のお薬を飲まれているみなさま、

お薬の管理について悩まれていることはございませんか?

 

本日は、「一包化(いっぽうか)」というものをご紹介したいと思います。

 

一包化とは…

同じタイミングで飲むお薬や、1回に複数個飲むお薬を1袋にまとめることです。

袋には、患者さんのご希望に沿って、飲むタイミング(朝食後など)、日付患者さんのお名前お薬の名前などを印字することができます。

ただし、一部のお薬において、湿気に弱い等の理由から一包化できないお薬もございますので、詳しくは薬剤師へご相談ください。

一包化をしてもらうには?

基本的には医師の指示が必要です。医師に相談する、もしくは薬局で薬剤師から医師へ確認をとってもらうようご相談ください。

複数の医療機関を受診していらっしゃる方は、他の医療機関でもらっているお薬もまとめて一包化することが可能ですので、相談してみてください。

一包化の費用は?

保険適用となった場合のおおよその金額は、以下の通りです。

42日分以下の場合 : 7日分ごとに34点 (340円)
43日分以上の場合 : 一律240点 (2400円)
→保険適用されますので、1〜3割負担となります。

例)1割負担 28日分の一包化:340円×4週間×1割負担 →約140円
  1割負担 56日分の一包化:2400円×1割負担 →約240円

なお、保険適用となる一般的な条件は以下の通りとなりますが、
詳しくは医師または薬剤師へご相談ください。

・お薬が2種類以上処方されており、
 飲むタイミングが2つ以上(朝夕食後など)である
・お薬が3種類以上である

一包化のメリット

お薬の飲み間違い、紛失を防ぐことができる
 →お薬が1回分ずつ袋に入っており、飲むタイミングや日付を袋に印字することができるので、お薬の飲み間違いや紛失を防ぐことができます。

お薬を1つずつシートから取り出さなくてよくなる

介助者の負担が減る
 →1袋分を本人に渡すだけであり、わかりやすく、手間が減ります。また、施設を利用されている方の場合、袋に氏名を印字することで他人のお薬との取り間違えを防ぐことができます。

 

一包化のデメリット

費用がかかる

お薬の追加や調整に時間がかかる 
 →お薬が変更となった場合、家に残っているお薬を薬局へ持って行き、再度調整してもらう必要があります。

長期保管することができない 
 →お薬の使用期限は、お薬をシートに入れたまま保管した場合の期限となります。一包化をする際には、お薬をシートから取り出すため、使用期限が本来より短くなります。古くなってしまったお薬は、薬剤師と相談し服用しないようにしましょう。

一包化するのに時間がかかり、待ち時間が長くなる
 →FAXやアプリなどを用いて事前に薬局へ処方箋を送付しておく、薬局へ処方箋を渡してから買い物などの用事に出かけるなどをおすすめします!                          

お薬の管理方法には、お薬カレンダーなど、今回ご紹介した一包化以外の方法もございます。

お薬の管理に悩まれている方は、まずは医師または薬剤師へお気軽に相談してみてください。

生薬のおはなし

2023年 4月 1日 土曜日

新しい季節の始まりは、なんだかわくわくしませんか?

しかし気持ちとは裏腹に、体調を崩しやすいのもまた、季節の変わり目の特徴。

 

病院にかかるほどではないけれど、なんとなく調子が悪い。そんな時の選択肢に、以前より手に取りやすくなった漢方薬。

今日は、漢方薬の成分である生薬にまつわるおはなしです。

漢方とは、古来中国から伝わり、日本の風土や気候、日本人の体質などにあわせて独自に発展してきた日本の伝統医学です。

  

西洋薬は有効成分を化学的に合成した単一成分製剤が基本です。
一つの症状に対して一剤を投与します。

 

それに対して漢方薬は、独自の有効成分を持つ複数の生薬を組み合わせて作られた多成分製剤です。
そのため、複数の症状に対して一剤で対応できるケースもあります。

生薬とは、植物動物鉱物などの中で薬効があるとされる一部分を加工した天然由来の薬のことです。現在認可されている医療用漢方製剤として使用されているものや、かつて使用されていた生薬の一部をご紹介します。

 

植物由来のもの

防已(ボウイ)「オオツヅラフジ」の茎(つる性の茎、根茎)で、「シノメニン」というアルカロイドを含みます。やや苦味があり、手足のむくみやしびれ、関節の痛み(リウマチ)などに効果があります

 

当帰(トウキ)セリ科の植物である「トウキ」や「ホッカイトウキ」の根を湯通ししたものです。

貧血や冷え、自律神経の乱れ、生理不順など、女性に多くみられる症状に効果を示します。

 

動物由来のもの

熊胆(ユウタン)ヒグマまたはその近縁の動物の胆汁を乾燥させたもので、胃腸の調子を整える働きを持ちます。

 

麝香(ジャコウ)アジア大陸の山岳地帯に生息する「ジャコウジカ」の雄が持つ、「麝香嚢(じゃこうのう)」という器官から分泌される物質を乾燥させたものです。古くから香料としても使用されてきました。心臓の働きや精神(神経)を整える作用を持ちます。
かつては日本薬局方に掲載されていましたが、乱獲により絶滅の恐れがあることから削除されました。

 

鉱物由来のもの

牡蛎(ボレイ)マガキの貝殻の表面をよく削り、天日にさらした(または高温で焼いた)のちに、砕いて粉にします。

主成分は「炭酸カルシウム」で、精神を安定させる鎮静効果や、胃の調子を整える制酸効果などがあります。

 

石膏(セッコウ)薬として用いられるのは、細かい繊維状の結晶を持つ「繊維状石膏(軟石膏)」です。主成分は「硫酸カルシウム」で、熱を下げる、口のかわきを改善するなどの薬効を持ちます。

 

漢方薬の名前は主に、配合される生薬に由来します。
例えば「葛根湯」は、メインとなる生薬である“葛根”が名前になった例で、「当帰芍薬散」は、構成する生薬の“当帰”“芍薬”の名前を連ねたものです。

 

名前の最後にある“散”“湯”剤形を表しています。現在の医療の場では主に、生薬を煎じた液を乾燥させて得られるエキスを顆粒状にしたエキス製剤が使用されています。手間がかからない、携帯しやすい、保存が容易など、患者さんにとって多くのメリットがあります。

 

新しい季節、体調を整えて気持ちよく過ごしたいですね。

肌の調子を整えるポイント

2023年 3月 15日 水曜日

春らしい日が続いていますね。

・冬の乾燥
・3月のスギ花粉
・PM2.5

など数々の外的刺激を受けたお肌の調子はいかがでしょうか。
乾燥で水分が失われやすい上に花粉PM2.5などの刺激も加わると、春先のお肌のバリア機能は低下しがちです。

 

そんな肌荒れを治すために、お肌の細胞はターンオーバーを繰り返しています。
その周期は4〜6週間といわれていて、少しずつ新しい細胞に生まれ変わっています。

この記事を読んだ方が、気軽に日々の生活に取り入れられるような豆知識や食事をお伝えしていこうと思います。

 

①スキンケア

花粉やマスクの刺激などの影響でバリア機能が低下しているときこそ、日々のスキンケアが大切です。

日本皮膚科学会ガイドラインが推奨している洗顔回数は、1日2回です。
また、こすり洗いは肌のバリア機能を壊してしまいます。

洗顔の時、無意識に力が入っていたりしませんか?
少し面倒かもしれませんが、洗顔ネットで泡立てて、優しく洗顔することが大切です。
肌の潤いを保つためにも毛穴から分泌される皮脂は大切です。

しかしゴシゴシ洗いによって必要な分の皮脂まで落ちてしまいます。
皮膚の水分が失われると、最終的にはシワを呼び起こしてしまうので注意しましょう。

 

 

②ビタミン

ビタミンはお肌を整えるのに大切な役割をしています。
“どんな風に作用をしてくれるのか”
“どんな食べ物をとるといいか”

肌へのアプローチ方法などをまとめました

 

ビタミンA

≪皮膚の細胞形成に必要≫

緑黄色野菜、レバー、大葉、ひじき

 

ビタミンC

≪肌にハリをもたらすコラーゲンやその生成を助ける≫

柑橘系・酸味のある果物、芋類

 

ビタミンE

≪細胞の老化を予防≫

 かぼちゃ・アボカド・アーモンド

 

ただ、肌のターンオーバーを整えるために一番大切なことは、タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養素をバランスよく摂ることです。
 一つの栄養素を過剰に摂りすぎない、という点には注意しましょう。

 

③腸内環境を整え

最後に、意外と忘れがちですが腸内環境を整えることも大切です。
いくら良い栄養素を摂っても、しっかり体に取り入れるためには腸が綺麗でないといけません。

積極的に摂ると良いのは発酵食品食物繊維です。
ヨーグルトやキムチなどの発酵食品ゴボウやわかめなどの食物繊維十分な水分をとることで、腸内環境の改善に繋がります。

 

いかがでしたでしょうか。
知っていると、日々の生活に気軽に取り入れられそうなポイントを挙げてみました。
ぜひ気になったところから取り入れてみてくださいね。

メディカルコミュニケーター
メディカルコミュニケーター

公式Facebook

検索

カレンダー

2025年4月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

最近の投稿

カテゴリー