おくすりの剤形のおはなし

2021年 6月 15日 火曜日

こんにちは。だんだんと暖かくなり、気持ちのよい季節となりつつありますね。

私の最近としましては、散歩もかねて、近場のおいしいものを巡って楽しんでいます。

皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

さて、今日は おくすりの剤形 についてお話させていただきたたいと思います。

 

お薬には様々な剤形があり、それによって服用方法も異なります。

今日はたくさんあるうちのいくつかの剤形について、お話させていただきますね。

 

 

 

<☆彡 以下の2つは唾液又は水で飲み込むことで、腸から吸収され効果を発揮するおくすりです。>

 

  • 口腔内崩壊錠(OD錠)

口の中に入れるとシュワっと溶けるので、水がなくても飲み込むことができます。高齢者の方など、錠剤を飲み込むのが困難な方に適しているため、最近多く用いられている剤形です。

 

  • チュアブル錠

口腔内でかみ砕いてから飲み込むおくすりです。一般的な錠剤は、かみ砕いてはいけませんが、チュアブル錠はかみ砕くことで服用しやすくなっています。

 

 

 

<☆彡 以下の3つは口腔内に適用することで、口腔粘膜から吸収され効果を発揮するおくすりです。>

注意:飲み込むおくすりではありません

 

  • 舌下錠

名前のとおり、舌の裏に置き、唾液で速やかに溶け出すおくすりを舌下粘膜から吸収します。服用後数分で効果が期待できるため、狭心症の発作の治療などで用いられます。

  • バッカル錠

上顎の奥歯の歯茎と頬の間に挟み込むことで、唾液で徐々に溶け出すおくすりを粘膜から吸収します。錠剤を飲み込むことが難しい患者さんの、疼痛コントロールなどに使われます。

 

※上奥歯の歯茎を頬の間に挟み込むように置きます。そのまま置いておくと自然に溶けて粘膜から吸収されます

 

  • 付着錠

口内炎などにおくすりを直接付着させて粘膜から吸収し、治癒を促します。口内炎の治療などで使われます。

 

 

いかがだったでしょうか。初めて聞く服用方法もあったかもしれませんね。

皆様や皆様のご家族の方などが服用される際に、ご参考になれば幸いです。

 

ぜひ皆様、今後とも体調にお気をつけくださいね。

おいしいものを食べて、リフレッシュしながら頑張りましょう~♡

漢方薬のおはなし

2021年 6月 1日 火曜日

今日は漢方薬についてのお話です。

現在病院にかかっていらっしゃる方も、そうでない方も漢方薬が市販で手に入りやすい環境となりました。

漢方薬の特徴や、西洋医学で使われる薬漢方薬の違い、漢方薬の特徴について説明させていただきます。

 

漢方薬の最大の特徴は、同じ病気でも患者さんの体質によって使う薬が変わってくるということです。

言い換えると、患者さんの体質にあわせてオーダーメイドの医療、つまり、一人ひとりにあった医療を選択することが出来るということです。

今回は患者さんの体質を分類する方法の1つである「虚実」について、簡単に説明していきます。

 

虚実とは、基本的な体力や体格、病気に対する反応のことをいいます。

虚証の場合、体力が無く疲れやすい、抵抗力が弱い、胃腸が弱く下痢をしやすい、冷え症であるといった方が当てはまります。

実証の場合、体力・抵抗力があり、胃腸が丈夫でどちらかというと便秘気味、赤ら顔でのぼせるといった方が当てはまります。

雰囲気としては、虚証は細くてかよわい方実証は力強くがっちりした体格の方となります。

 

虚実に着目して見てみると、風邪を引いた場合でも使う漢方は違ってきます。

元々体力のある実証タイプの方が風邪をひいた時は、葛根湯や麻黄湯がよく効きますが、体力のない虚証タイプの方が風邪をひいた時は、桂枝湯や香蘇散がよく効きます。

しかし、元々体力がある実証タイプの方が働きすぎなどで一時的に弱っている場合等は、実証タイプの方にでも、葛根湯ではなく、虚証タイプに使う桂枝湯が良く効く場合も有ります。

 

このように、同じ病気でもその人の体質によって使う漢方は違ってくるし、同じ人であってもその時の体調や状況でも違う漢方を選ぶことが出来ます。

ですので、漢方では虚証・実証の見分けを含めた、体質の見分けが重要となっています。

虚実以外にも様々な要因が考慮されます。迷われる場合には薬剤師さんに相談してみてはいかがでしょうか。

 

最後に、西洋医学と東洋医学の違いについてです。

現在の医療では、検査で異常がなければ病気ではなく治療の必要はないとみなされますが、ちょっと調子が良くない時、元気だけど体質を変えたいといった時にも漢方での治療の対象となります。

漢方を使った東洋医学の守備範囲は健康な方から重病な方までと、とても幅広いものであるため、色んな症状にうまく漢方を使っていただければと思います。

 

梅雨と頭痛のおはなし

2021年 5月 15日 土曜日

GWが終わり、もうすぐ梅雨の時期ですね。

今回は梅雨と頭痛の関係性についてお話したいと思います。

 

ご経験がある方も多いかもしれませんが、雨の日に何故か頭が痛くなる・重くなるといった症状が出る事があります。

 

「天候」「頭痛」一見関係ないように思えますが、実は頭痛が起こるメカニズムを理解すれば、天候が影響していることも分かります。

 

では頭痛の起こるメカニズムを見てみましょう!

 

 

 

何らかの要因(ストレス、自律神経、ホルモンバランスの乱れ、飲酒など)

頭の中の血管が収縮

元の環境に戻そうと、頑張って血管が拡張しようとする

血管拡張により周りの神経が圧迫・刺激され頭痛が起こる

 

 

さて、天候がどこに影響しているのかというと、、、

1番最初の何らかの要因に天候も含まれます。

 

梅雨の時期になれば低気圧といった天候の変化が起こります。

この低気圧が頭蓋内圧を変化させ、血管収縮を引き起こします

後は血管が拡張しようとし、上記のメカニズムと同じく頭痛を引き起こします。

(※諸説あり。)

 

また雨が降り続く湿った環境冷えの状態が続くなどもストレス要因となり、頭痛を引き起こす引き金となります。

 

 

低気圧が原因で起こる頭痛の対処法

・痛い場所を冷やす。

・光や音の刺激が少ない場所で、しばらく静かに過ごす。

・コーヒーを飲む(含有しているカフェインが血管収縮を引き起こし、一時的に頭痛の原因である血管拡張を抑える。)

・睡眠をたっぷりとり、ストレスを溜めない。

 

冷え、肩こりなど血行不順が原因で起こる頭痛の対処法

・首周りを温める。

・ウォーキング・ストレッチなど軽度な運動を行い、体を動かす。

 

 

今回は梅雨と頭痛のおはなしという事で、気圧の変動によって起こる頭痛(1次性頭痛)についての対処法をお話しました。

これ以外にも、何らかの外傷・疾患が原因で起こる2次性頭痛の場合もありますので、突然の痛み・熱を伴う・吐き気を催す頭痛などが現れた場合は自己判断で対処せず、直ぐに医療機関へ受診して下さいね。