胃痛のおはなし 

2021年 5月 1日 土曜日

春はいろんな初めてと出会う季節ですね。

新生活のわくわくと同じくらい不安を感じることもあると思います。

 

慣れない生活で疲労やストレスが溜まり、ついつい食べ過ぎ、飲み過ぎちゃう…。

そんな日々が続くと、おや?胃が痛くなってきた―――

 

なんていうことがあるかもしれません。

そこで今回は、胃痛についてお話しようと思います。

 

 

 

一般的に胃痛の原因としては、ストレスや生活習慣の乱れ、暴飲暴食などの食生活の乱れ、ピロリ菌などが挙げられます。

 

1.ストレスや生活習慣の乱れ

精神的なストレスを受けることで、胃の働きをコントロールしている自律神経が乱れ、胃粘膜保護機能が低下します。また、胃酸の過剰分泌も引き起こし、胃酸が胃粘膜を刺激して痛みが発生します。

疲労や寝不足などの生活習慣の乱れも、自律神経の乱れを引き起こす要因となります。

 

2.食生活の乱れ

暴飲暴食、脂っこい食べ物の摂り過ぎや、アルコールやコーヒー、辛い食べ物など刺激物の摂り過ぎは胃酸の分泌を亢進させます。それにより胃粘膜が傷つけられ、痛みを生じます。

 

3.ピロリ菌

ピロリ菌が産生する毒素やアンモニアにより胃粘膜が傷つけられます。

胃がんとの因果関係も指摘されているため、感染が確認された人は除菌治療が推奨されています。

 

この他、喫煙も胃痛を引き起こす要因と言われています。

 

 

様々な要因によって引き起こされる胃痛。

では自分でできる対策や予防法(セルフケア)にはどんなものがあるでしょうか。

 

 

 

  • ストレスを解消する

ストレスは溜め込まず、こまめに解消することが大事です。

適度な運動や十分な休息。自分が楽しいと思う時間を過ごしましょう。

 

  • 食生活の改善

先述したように、胃酸の分泌を促進する食品の摂り過ぎは×!!

規則正しい食生活を心がけましょう。

また、胃痛が起きている時はやわらかく、消化の良いものを摂るようにしましょう。

食事はよく噛んで、ゆっくり食べましょう。冷たい料理よりも温かい料理のほうが胃に優しいです。

食後の休息も忘れずに。

 

【胃が痛いときに避けたほうが良い食品】

・脂肪分の多い食品

・塩分、糖分の多い食品

・香辛料、お酢など刺激の強い食品

・嗜好飲料(アルコール飲料、炭酸飲料、コーヒー、紅茶、濃い緑茶など)

・熱すぎる、冷たすぎる食品

 

※私の経験上、こってりした食べ物やケーキ、チョコレートなどの脂肪分・糖分の高い食品は特に胃が痛くなりやすいです。(最近ではカルボナーラを食べて胃が痛くなりました)

 

 

【胃が痛いときに適した食品(消化の良い食品)】

・穀類(お粥、うどん、食パンなど)

・卵

・乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)

・魚類(白身魚など)

・肉類(ささみや赤身など、脂の少ない肉類)

・豆類(豆腐、納豆など)

・野菜類(白菜やほうれん草など、食物繊維の少ない野菜)

・イモ類(かぼちゃ、じゃがいもなど)

・飲料(緑茶、麦茶、紅茶、乳酸飲料など)

・菓子類(ビスケット、クッキー、カステラ、ゼリーなど)

 

※人によって適さない食品もあります。自分の体調に合った食品を摂りましょう。

胃痛がいつまでも改善しない、下痢や便秘、嘔気・嘔吐など他の症状を併発する、激しい痛みがあるなどの場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

 

 

胃が痛くて食べたいものも食べられない状態は本当につらいです。

規則正しい生活を心がけて、楽しいお食事ライフを送りましょう。

 

花粉症シーズンによく見かける漢方薬のおはなし

2021年 4月 15日 木曜日

薬局に勤めていた頃に患者さんから「眠くなるのは困るから、先生に相談してみたんです」という声を何度か聞いたことがありました。

その時によく見かける漢方薬が『小青竜湯』でした。

漢方薬の多くは生薬を幾つも配合されたもので、私がどの生薬にどういう風に効くのか分からず、その時調べた事を皆様にも共有できたらと思います。

まず、小青竜湯を構成している生薬は麻黄、桂皮、芍薬、半夏、五味子、細辛、乾姜、甘草の8つです。

各生薬の特徴や働きを簡単に紹介します。

麻黄はエフェドリンを含有し、咳を鎮め発汗作用があります

桂皮は体を温め弱い発汗作用があるとされる生薬です

芍薬はぺオニフロリンを含有し痛みを和らげる効果があります

半夏は体内の水分バランスを改善する利水作用があるとされています

五味子は酸味のある生薬で咳や痰改善する効果があるとされています

細辛は利水作用があり、去痰や鎮咳作用があるとされています

乾姜は散寒作用があり、体を温める作用があるとされています

甘草はグリチルリチンを含有し抗炎症作用があります

このような生薬が配合されており、水っぽい鼻水がでる人に用いられています

漢方薬は効き目が遅いというイメージを持たれる方もいらっしゃると思いますが、小青竜湯は効果発現が早い漢方薬です。私が実際に服用した時は服用後1時間後には鼻水の症状を忘れていました。(これはあくまで個人的な感想であり、実際は個人差があります)

また鼻詰まりや蓄膿症のようなタイプの花粉症に使われるのが『葛根湯加川芎辛夷』というお薬です。

この漢方薬は葛根湯に川芎と辛夷の2つ生薬を加えた漢方薬です。この2つの生薬が加わることで、鼻の通りをよくするため、粘性のある鼻水や鼻づまりがある人に用いられます。

花粉症で鼻水にお悩みの方は体質や症状に合わせてセルフメディケーションとして漢方薬を使用してみてもいいかもしれません。漢方薬は症状だけではなく、個人の体質によってお薬を選ぶため、自身にあったお薬を選ぶためにも、専門の薬剤師などへ相談してみましょう。

桜のおはなし

2021年 4月 1日 木曜日

年度も切り替わり、空気もめいてきました。

今年は桜の開花が例年に比べて早く、3月に開花を迎えた地域も多いようです。

皆さんも一度はお花見をしたり、通勤や通学中見かけたりと、

桜はこの時期とても馴染み深いものかと思います。

 

今回はそんなについてのお話です。

 

日本では桜を様々なものに使用してきた歴史があります。

桜の種類もたくさんあるのですが、それぞれ用途によって使い分けられています。

 

例えば

八重桜の花は塩漬けして桜茶に、

オオシマザクラの葉は桜餅に巻いて使用されています。

ヤマザクラは燻製を作るときに使用する桜チップなどにも使用されています。

 

そんな桜も古くから薬として使われている歴史があるのをご存じですか?

一説によると、江戸時代から使われていたという話もあるそうです。

 

薬として使用されるのは主にヤマザクラまたはカスミザクラ桜の木の皮で、

効能は

鎮咳(咳止め)

去痰(痰切り)

といったものが広く知られています。

 

その他にも

解毒

排膿(膿を出す)

などの効果があるとされており、漢方薬に配合され利用されたりもしています。

 

今年は新型コロナウイルス流行に伴いお花見などを開催する機会は

残念ながら減ってしまっている事も多いかと思いますが、

感染対策をして桜を楽しんでみてはいかがでしょうか。