片頭痛のおはなし

2021年 3月 15日 月曜日

日本人の8.4%、およそ840万人が片頭痛に悩まされていると言われています。

私もその中の1人で、市販の鎮痛薬を常備しています。

片頭痛は頭痛の中でも一次性頭痛(明らかな基礎疾患のない慢性の頭痛)に分類されます。他にも一次性頭痛の代表的なものとして緊張型頭痛群発頭痛があります。

いずれも時々寝込んでしまうほど辛い症状の人もいれば、日常生活に支障がほとんど無い人もいて、痛みの程度は個人差があります。

片頭痛には性差があり、男性より女性のほうがなりやすいと言われています。理由ははっきりとは分かっていませんが、女性ホルモンが影響していると言われています。

〈症状〉

・こめかみの辺りが脈とともにズキンズキンと痛みます。

・頭の片側が痛むことがほとんどですが、両側痛むこともあります。

吐き気や嘔吐を伴うことがあります。

強い光や大きな音で頭痛がひどくなることがあります。

・前ぶれ(前兆とも言います):目の前がチカチカする などがあります。

 

〈原因〉

食事や睡眠不足、ストレス、天候の変化、光、タバコの煙

仕事や人間関係、家庭問題などの心理的ストレス など

 

〈治療〉

・軽度~中等度:消炎鎮痛薬

・中等度以上または過去に消炎鎮痛薬が無効:片頭痛治療薬

 

心理的ストレスが原因になっている場合は、抗うつ薬、精神安定剤などの服用で軽減することもあります。

 

片頭痛治療薬について

・トリプタン系薬剤:スマトリプタンなど

・エルゴタミン製剤

いずれも服用に際しては飲み合わせ、服用量、服用タイミングなどに注意が必要です。医師または薬剤師の指示に従って正しく服用するようにしましょう。

 

 

 

抗ヒスタミン薬によるインペアード・パフォーマンス

2021年 3月 1日 月曜日

花粉症の薬を飲むと眠気のようなものを感じた経験が皆さんあるのではないでしょうか。

 

 

実は普通の眠気とは異なり、薬が脳の動きを鈍くし、集中力や判断力などを低下させてしまう為に起こるもので、インペアード・パフォーマンスと言います。脳の働きを鈍くするので、鈍脳(どんのう)とも言われています。なぜこういう現象が起きてしまうのかというと、薬が体の中で作用する場所の問題です。鼻や皮膚で薬が作用するとアレルギーを抑えてくれますが、脳の中で作用するとインペアード・パフォーマンスが起きてしまうのです

 

では、花粉症の薬を飲んだらこのような副作用を我慢しなければいけないのか?というと、そうではありません。眠気が出にくい種類の薬も存在します、第二世代の抗ヒスタミン薬です。第一世代の抗ヒスタミン薬は脳の中へ薬剤が移行しやすく眠気が出やすかったのですが、第二世代ではその点が改善されたものとなっています。

 

第一世代は即効性がありますが、眠気のほかにも、口が渇きやすくなる、便秘、胸焼けなどの副作用が強い傾向があります。比較して、第二世代は効果が穏やかで、抗ヒスタミン作用だけでなく、アレルギー症状を抑える抗アレルギー作用を併せ持つものも多くあります。

 

また、花粉症でも主症状によって薬の選択が変わってきます。くしゃみ・鼻水であれば抗ヒスタミン薬や化学伝達物質遊離抑制薬、鼻づまりであれば抗ロイコトリエン薬や鼻噴霧用ステロイド薬などが適しています。複数の症状に対応できる合剤も存在しますので、ご自身の体調に合わせてチョイスしてみましょう。

 

 

くすりはりすく。病は気から。

2021年 2月 15日 月曜日

みなさんは薬の語源って知ってますか?
今でこそ薬はとても身近なものになりましたが、
昔は薬は高価で手に入りにくいもので、
簡単に服用できるものではありませんでした。

今回は特に作用がマイルド(緩徐)というイメージのある
漢方についてお話します。

漢方は古代中国で生まれ、とても長い歴史を持ちます。
主に植物由来のものが多く、動物由来のものや鉱物も含まれます。

作用がマイルドだから常用しても大丈夫という
イメージを持ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

しかし、近年、乱用が問題になっている漢方があります。
皆さんご存知ですか?

それは漢方の 便秘薬によく使われている
センナやダイオウ、アロエ、ビサコジルです。

これらに含まれている成分はどれも
刺激性下剤と呼ばれるお薬で
大腸を刺激することにより便意を促します。

しかし、常用すると刺激に体が慣れてしまい
増量しないと効かなくなるという現象が起きてきます。

そこで症状を改善するために
お薬を増量してのむことを繰り返していると
大腸に色素沈着が起こったり、
大腸がんの発生リスクを増加させてしまう危険性もあります。

便秘薬は比較的に気軽に体調に合わせて飲んでいる方も多いと
思いますが、医師の判断をしっかり守って服用してください。

また、お薬ではないハーブや市販されている便秘薬にも漢方が含まれていることが多いので注意が必要です。

薬は治療上の有益性が、副作用を上回る場合に使われるもの
それを頭に置いてお薬を正しく使ってくださいね。