バイオ医薬品のおはなし

2020年 12月 15日 火曜日

最近よく「バイオテクノロジー」という言葉を耳にしませんか?

バイオテクノロジーとは、生物の持っている働きを農業や環境など暮らしに役立てる技術を言います。

そしてバイオ医薬品とは、バイオテクノロジーを応用して医薬品生産に役立てたものです。

 

一般的に普段私達が風邪の時や花粉症の時にドラッグストアなどで購入する薬は、低分子医薬品と言われ比較的単純な構造をした医薬品です。たとえば高校の有機化学で習ったこともあるでしょうアスピリンなどがあります。

一方でバイオ医薬品とは、ウイルスやバクテリアなどの生物から産生される物質(ホルモン、酵素、抗体等)を利用して作られたものであり、低分子医薬品に比べて分子が大きく構造が複雑です。

 

 

 

バイオ医薬品は人が自然に産生する分子の構造に似ているので、多くの病気に高い治療効果があると同時に、病気の診断にも役立ちます。また、低分子医薬品では改善の見られなかった病気の治療にも効果があることが証明されています。バイオ医薬品の恩恵により、世界中で3億5千万人以上の患者がより健康的な生活を送ることができるようになっています。

 

過去30年間、バイオ医薬品における医学的進歩によりガン、糖尿病、C型肝炎、慢性腎不全のような多くの慢性疾患だけでなく、血友病、発育不全、クローン病などのまれな疾患も治療対象となってきました。主要なバイオ医薬品を紹介していきたいと思います。

 

(1)ヒト・インスリン(糖尿病)

1982年に、培養した大腸菌から組み替えDNA技術によってヒト・インスリンを作り出すことに成功しました。これが最初に承認されたバイオ医薬品です。今日でも多くの糖尿病患者が治療に使っています

 

(2)抗CD20、抗HER2、IL-2、インターフェロン、PD-L1(ガン)

ガンに使うバイオ医薬品は近年一気に増加し続けており、ガン治療をする上で欠かせない存在になってきました。ガンがもつ特殊なタンパク質を標的として結合することで、ガンの増殖を抑えたり本来身体に備わっている免疫機能を回復させたりする働きをしています。

 

 

 

 

 

保湿剤のおはなし

2020年 12月 1日 火曜日

 

冬になり、あかぎれが絶えず、ハンドクリーム保湿剤が手放せない方も多いのではないでしょうか…。特に毎日水仕事などをしているとなかなか治りませんよね。

では、その保湿剤って、いったいどんな成分がカサカサを防いでくれているか、知ってますか??

今回は、主な保湿成分の種類と特徴をご紹介したいと思います♪

 

☆白色ワセリン

はい、言わずと知れた代表格。軟膏によく使われている基材としても有名ですね。

石油が原料ですが、精製の過程でほぼ不純物はなくなります。

油分がコーティング剤となり水分が出ていくのを防ぐので、水分でしっかり保湿をした後に塗ると効果的ですね。

同じように、リップクリームや皮膚保護材としても利用できますよ。

しみないので、傷やあかぎれにも最適です。

ただ、かなりベタベタするので、気になる人は気になるかも…。

 

☆尿素

よく、ドラッグストアでも「尿素○%配合!」という見出しで売られている化粧品、ありますよね?

尿素とは、皮膚の角質層の水分保持に優れる成分で、天然保湿因子として肌の角質層にも含まれる成分です。

油分ではないので、べたつきは少ないです。

ただし、尿素は角質層を柔軟にして剥がす作用があるため、ひじやひざ、かかとの固くなった皮膚には有効ですが、などの皮膚の薄い部分には適しません。傷のあるところも避けましょう。強い刺激になることがあります…!

 

☆ヘパリン類似物質

これは、あまり聞きなれない方も多いのでは?病院で処方されるケースが多いですね~。

ヘパリンとは、人間の体内でも作られている、ムコ多糖類と呼ばれる物質の一つ

糖が長く繋がった鎖のような構造をしていて、水分を吸着しやすい=手放さない、という特徴があります。

ただ、ムコ多糖類は鎖が長いため、分子量が大きくなかなか肌に浸透しません。そこで鎖を少し短くなるように工夫したものが、ヘパリン「類似」物質、というわけです。

このような保水力とは別に、血行を良くするという働きもあります。

ヘパリンはそもそも、血液を固まらせないようにする働きがあります。同じように、ヘパリン類似物質にも似たような働きがあり、血行を良くすることでしもやけにも効果があるといわれています。

冬場には欠かせない保湿剤かもしれませんね。

 

☆ビタミン含有(A,E)

ビタミンAには、皮膚の新陳代謝を高め角化を抑える効果があります。

また、ビタミンEは皮膚の血行を良くし、皮膚を保護します。しもやけや、カサカサな手荒れの治療に有効ですね。

こちらは刺激性は少ないので、皮膚の薄いところでも大丈夫です。

 

☆グリセリン

化粧水や美容液にはほぼ間違いなく入っているグリセリン。

グリセリンって、何者なのでしょう?

グリセリンは、人や動物、植物に幅広く存在する成分で、人では筋肉や皮下に「脂質」という形で蓄えられています。

化粧品に入っているグリセリンは、主にパーム油やヤシ油の油脂から作られます。

最大の特徴は、高い吸湿性と水によくなじむ性質で、お肌にもよく浸透していきます

肌の中で水によくなじむことで、保水能力を発揮するわけです。

ただし、ワセリンなどのように油膜を張って、肌の水分蒸発を防ぐことはできないので、保湿剤としてグリセリンだけで使うことは少ないですね。

 

 

 

いかがでしたか?

お使いのハンドクリームや保湿剤の中に、入っている成分はありましたか?

乾燥の種類や部位によって、使い分けると良いですね♪

皮膚科の薬にもよく使われていますので、より詳しく知りたい方はお近くの薬局の薬剤師さんに聞いてみてください!

 

 

 

空気の乾燥のおはなし

2020年 11月 25日 水曜日

空気が乾燥する季節になりました。

 

 

 

 

 

さて、乾燥時注意しなければならないこととは何でしょう?

 

肌の乾燥?ドライアイ?等色々該当しますが、今回は風邪についてご紹介します。

 

風邪対策として皆さんが取り組んでいらっしゃることは何でしょうか?

 

マスクをつける、保湿・加湿を行う、手洗いうがい、規則正しい生活・食事を心がける、十分な睡眠をとるなど心がけているのではないでしょうか。

 

 

しかしながらどうしても体調が優れない際はかかってしまうものです。

 

なんだか喉がイガイガする、鼻水が出る、体がだるい・熱っぽいなどいつの間にかそういった症状に悩まされるのではないでしょうか。

 

風邪というのは正式には風邪症候群といい、ほとんどの場合ウイルス等が呼吸器より感染し症状が発現します。

 

ここでいう症状が咳や鼻水、発熱等になりますが、

 

咳や鼻水、発熱等はこういった侵入したウイルスに対しての一種の防御反応なのです。

 

とはいってもそういった防御反応はつらいものです。お子様、ご高齢の方や症状が長く続く方は早めの受診をお勧めします。

 

さて医療機関に受診される際に、皆さんに知っておいて頂きたい事があります。

それは医師もしくは薬剤師にしっかりとご自身の事を相談して頂きたいということです。

 

現在治療にてお薬を服用されている方や今までに体に合わなかったお薬がある方、緑内障などの疾患を治療されている方など場合によっては、今回処方薬が使用できない場合があります。

 

そういったことを回避するために医師もしくは薬剤師にご相談ください。

 

お薬手帳をお持ちの方は受診時・来局時に持参していただければと思います。

 

 

まだまだ寒く、乾燥する季節が続きますが皆さん体調に気をつけてくださいね。