合併症のおはなし

2019年 11月 1日 金曜日

みなさんは「合併症」という言葉をご存知ですか?

医療における合併症という言葉には2つの意味があります。

 

①ある病気が原因となって起こる別の病気のこと

例)高血圧の合併症として、心筋梗塞・狭心症・脳梗塞など

糖尿病の合併症として、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害

 

②手術や検査などの後、それらがもとになって起こることがある病気

例)手術による傷口の感染症

消化管手術後に腸が詰まってしまうこと(腸閉塞)

 

今回は①の糖尿病 三大合併症についてお話したいと思います。

 

はじめに、、、糖尿病とは?

なんらかの原因により、血液中のブドウ糖濃度「血糖値」が高い状態が続くことを言います。

糖尿病は自覚症状がないので、知らずのうちに血糖値が高い状態を放置していると次第に身体に異変が起きてきます。

 

<最も早く出てくると言われる  糖尿病性神経障害>

初期症状としては、足裏の痺れや痛みが起こり、次第に手の指先の痺れが現れます。人によって症状はさまざまですが、ひどくなると痛みを感じなくなります。

糖尿病は感染への抵抗力が弱くなるので、足の傷からばい菌に感染し壊死してしまい、切断を余儀なくされることも・・・

 

<透析治療になる原因NO.1  糖尿病性腎症>

腎臓は老廃物を排出するために尿を作っています。

症状は進行するまでほとんど現れませんが、次第に腎臓の機能が低下して老廃物が溜まってきます。悪化すると腎臓が働かなくなり、いよいよ透析治療に。

透析患者さまの約4割は糖尿病性腎症と言われています。

透析治療は週2~3回の通院が必要で、気軽に旅行できなくなってしまうなど日常生活の制限を伴うので、できれば避けたいですよね。

 

<失明することも・・・  糖尿病性網膜症>

目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する病気です。

初期では自覚症状がなく、目のかすみなど何らかの症状に気がついたときには進行していることが多いです。場合によっては失明することも。

糖尿病では、緑内障や白内障になりやすいという報告もあるので、定期的な眼科検診が大切ですね。

 

今回ご紹介した合併症はいずれも、血糖値が高い状態が続くことにより血管が障害されて起こります。

そうならないためにも、定期的な健康診断、糖尿病と診断されたら適切な血糖コントロールが大切です!

 

タンパク質のおはなし

2019年 10月 15日 火曜日

最近、運動不足やダイエットのためトレーニングジムに通う人が多くなっていますが、それと同時に、手軽にプロテインを摂取できるような商品を目にすることが多くなりました。

 

そこで、今回はタンパク質(プロテイン)についてお話したいと思います。

タンパク質は筋肉を作るだけではなく体を構成するためにとても重要な栄養素です。

タンパク質というと、肉や魚、大豆、乳製品に含まれているイメージですが、実はお米や野菜にも少し含まれています。

 

ちなみに、『タンパク質=太る』というイメージで敬遠してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もちろん、摂りすぎはよくはないですが、タンパク質不足になると肌が荒れたり、髪がパサパサになったり、免疫力も低下してしまうといわれています。

また、筋肉量の低下により基礎代謝も低下し、逆に太りやすい体になってしまうのです。

 

タンパク質不足にならないためにも、日ごろから自分に必要なタンパク質量をしっかり把握しておくことが大切です。

ちなみに、厚生労働省が定めている食事摂取基準では、一日当たり15~17歳の育ち盛りで50~65g18歳以降では50~60gが推奨量となっています(男女差あり)

また、一般的には「体重×1g/日」とも言われます。

その上、過度なトレーニングをしている人は、より多くのタンパク質を摂取しなければなりません。

 

タンパク質には肉や魚などの『動物性タンパク質』と、大豆や乳製品などの『植物性タンパク質』の2種類があります。

動物性タンパク質は、構成成分であるアミノ酸のうち必須アミノ酸が豊富に含まれており、体への吸収も良好です。要するに栄養価が高いということです

そのため、筋トレをしている人は動物性タンパク質を積極的に摂取されます。

しかし、動物性タンパク質には脂質が多く含まれているものもあり、ダイエットとなると注意が必要です。

それに比べて、植物性タンパク質はアミノ酸の含量としては動物性タンパク質に劣り、吸収もあまりよく無いといわれています。ただし、食品として低脂肪のものが多くヘルシーであることが良い点です。

 

みなさんも過度なダイエットや偏食のせいでタンパク質不足にはなってはいないでしょうか。また、運動しているのに適切なタンパク質をとらず、せっかくの運動が無駄になってはいないでしょうか。

自身の生活環境や運動量、体質など考慮したうえで正しいタンパク質の摂取を心がけましょう。

アロマケアのおはなし

2019年 10月 1日 火曜日

アロマの効果について

ストレス社会で戦う現代人。そんな日々の心身ケアに、今注目されているアロマケアについて紹介させていただきたいと思います。

 

「精油」を用いたフランス発祥の医療方法 「メディカルアロマセラピー」

日本ではアロマの香りがお部屋のディフューザーなどとして親しまれる機会が多くなってきましたね。一方で海外のフランスやベルギーではそのアロマが代替・補完療法として医療目的で活発に活用されています。

メディカルアロマセラピーではその香りが脳に伝わり心に作用することを活用しています。香りによる癒し効果と精油による薬理作用で、西洋医学だけでは補完しきれないメンタル面への効果が期待できるとされています。

それでは、たくさんあるアロマ精油の効能からいくつかピックアップしてご紹介いたします!

 

  • 殺菌作用のある製油

ティートリー:シャープで清潔感のある香り。抗菌・抗ウイルス効果があり、呼吸器系の不調や風邪、インフルエンザなどの感染症、花粉症に効果があり、免疫活性化作用もあります。(白血球活性化作用)

ユーカリ:シャープでクリアな香り。痰きり、鼻やのどの呼吸器系トラブルに優れています。

 

  • 健胃作用

オレンジスイート:果実そのままのみずみずしい香り。食欲増進させ、下痢や便秘などの胃腸トラブルを整える効果があります。

ベルガモット:アールグレイの香り付けに使用される甘くさわやかな香り。消化促進作用、食欲増進・調節作用、緩下作用等。特にストレスや神経系トラブルに夜胃腸トラブルに優れた効果を発揮します。

 

  • 安眠、リフレッシュ、リラックス効果

オレンジスイート:不安や緊張、ストレスによるうつ状態から開放され、気分を前向きにする効果があります。

ジュニパーベリー:軽いウッディー調の香り。落ち込んだときにリフレッシュさせ、新たなことに取り組めるようにチャレンジ精神を高める効果が期待できます。集中力アップにも。

ネロリ:自律神経を整え、心身をリラックスさせます。不安や緊張、ストレスによるうつ状態から開放され、気分を前向きにする効果があります。

 

これ以外にも精油成分がまだまだ沢山あります。皆様もぜひ、季節を問わず、良い香りと共に心と体を元気にしてくれるアロマを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

ちなみに売られている製油には純度に違いがあります。「製油」と呼ばれるものは純度100%のものだけで、他に加工されたものが「アロマオイル」と呼ばれるそうです。