コレステロールのおはなし

2019年 3月 15日 金曜日

私達の血液中の脂質には、コレステロール中性脂肪があります。

更にコレステロールも悪玉と善玉と呼ばれる種類に分けられます。

悪玉(LDLコレステロール)は、体の各所に必要なコレステロールを血流に乗って運ぶ役割、善玉(HDLコレステロール)は、逆に余ったコレステロールを運び出す役割です。

どちらも生きていくのに必要ですが、LDLコレステロール値が高いと動脈硬化の原因となり、心筋梗塞、狭心症や脳梗塞のリスクを高めてしまいます。

この悪玉コレステロールを増やさないことが大切です。

 

食事内容、主に脂質摂取でコレステロールの作られやすさが変わります。

同じ脂肪でも、「飽和脂肪」を多く摂取するとコレステロールを合成する機能が高まり、「不飽和脂肪」を摂ると合成が減ります

 

★飽和脂肪酸が多い食品

脂質の多い肉、ベーコン、ソーセージ、チーズ、バター、チョコレート、スナック菓子など

 

★不飽和脂肪酸が多い食品

植物油、豆腐、味噌、油揚げ、青魚、魚の卵など

 

 

これをふまえて食事を考えましょう

★コレステロールを下げる食事

魚(青魚)、植物油、食物繊維の多い食品(緑黄色野菜、海草、きのこ、こんにゃく、玄米)、果物

 

 

★コレステロールを上げる食事

牛・豚肉の脂身、動物性レバー、バター、洋菓子、スナック菓子、乳脂肪分(チーズなど)、卵黄

 

 

食生活の改善ポイント

★朝食を和食にする。

★肉、卵を控え、魚、大豆製品を毎日1品はとる。

肉類を食べるときは、脂肪の少ない肉(牛豚のもも肉、鶏肉など)を選びましょう。

★乳製品(チーズ、アイスクリーム)は低脂肪食品をとる。

乳製品はカルシウムやタンパク質のよい摂取源ですから、定期的にとりましょう。

★野菜、海草を毎食取り入れる(食物繊維を摂る)

野菜は1日350gが目安で、そのうち1/3以上は緑黄色野菜が望ましいです。

★できるだけ品目数多く、バランスよく規則正しく、よく噛んで食べましょう

 

肥満の解消も大切です。

意外なカロリー源であるアルコールの摂り過ぎにもご注意。

ウォーキングなど長続きしやすい軽い運動習慣を取り入れる事も効果的でしょう。

少しずつでも生活習慣を見直すことでコレステロールを減らし、健康を維持できるといいですね☆

 

こどもと「誤飲」のおはなし

2019年 3月 4日 月曜日

 

皆さんは子どもの誤飲でもっとも多いものは何だと思いますか?

 

誤飲ランキング

1位がタバコ(20.2%)

2位が医薬品・医薬部外品(14.8%)

3位がプラスチック製品(9.9%)

となっています。(厚生労働省 平成28年)

 

大半は1歳前後の乳幼児でおきていました。

床やテーブルの上など、子どもの手が届く場所に「タバコ」「医薬品」「医薬部外品」を放置しないように、こどもが立って手を伸ばしても届かない場所(1m以上高い場所)に置きましょう。

一番いいのはこどもの周囲にタバコを置かないことで,お母さんは妊娠がわかったら禁煙しましょう。

お父さんも妊娠がわかったら禁煙を考えてください。ご存知の通り、タバコの危険は誤飲だけではありません。

成分が体に吸収されることにより、それぞれの中毒症状が出てくる可能性があります。

 

 

 

タバコは食べにくく,タバコそのものを大量に飲み込むことはほとんどありませんが、タバコを誤って口に入れた場合、水などを飲ませるとニコチンが吸収されやすくなる恐れがあります。

飲み物を与えず、直ちに病院を受診するようにしましょう。

 

 

 

参考:厚生労働省報告書 2016年

 

結核菌感染と血糖コントロールのおはなし

2019年 2月 15日 金曜日

糖尿病は生活習慣病を代表し、長期に渡り、治療しておられる患者様が多い疾患です。

また、最近では再興感染症として高齢者に結核菌感染が流行しており、糖尿病患者の結核菌感染による血糖コントロールの困難化が問題としてあるようです。

結核菌に感染した場合、リファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、ストレプトマイシン、エタンブトール等の抗生剤の多剤併用を行い、徹底的に菌をたたきます。

しかし、多剤併用は高齢者にとって自己管理が難しく、途中で服用を止めてしまうことで、耐性菌の出現が問題になっています。

 

 

糖尿病患者様が結核菌に感染したら

 

細菌感染すると、炎症の指標であるCRPや、血糖値の上昇が顕著に見られ、血糖コントロール不良となることが多いようです。

経口糖尿病薬のみの治療だった方が、強化インスリン療法を取り入れたり、インスリン療法で安定していても、スライディングスケールを追加したりなど、とにかく血糖値を下げることが普段よりも難しくなることも少なくありません。

また、感染によって体力が落ちていたり、肺炎を起こしたりすると、今度は低血糖症状を引き起こすこともあります。また腎機能悪化、肝機能悪化なども視野に入れ治療を進めなければならないので、治療は長引き、精神的にも負担になります。

 

そうならないために

 

結核は空気感染しますので、人のくしゃみなどを浴びてなくても感染者の近くにいるとうつることがあります。また、糖尿病で治療している方は、結核に限らず、少しの風邪や体調不良、また脱水などでも血糖値に影響してしまうことがあります。最近では季節性のインフルエンザは注意が必要です。血糖値が下がらないのも問題ですが、下がりすぎることも危険です。冷や汗、動悸、眠気など、ちょっとでも体調がいつもと違う場合はすぐに先生に相談する必要があります。