「点滴のはじめて」

2018年 9月 15日 土曜日

現在の医療では欠かせない存在となっている点滴ですが、いつごろから発見され実用化されてきたのかについてお話させていただきます。 😀

◯循環説

17世紀にイギリスの医学者ウィリアム・ハーベイが「血液は心臓から、動脈を経て、静脈を経て、全身を回ってまた心臓に還ってくる」という、いわゆる“循環説”というのを初めて唱えました。

それまではどう考えられたかというと・・・?

血液は肝臓から出て、末梢で消費する。一方通行だと思われていました。

 

◯初めての輸血

その後に、イギリスのクリストファー・レンが「静脈の中に外から水を入れてみよう」と考え、静脈注射の実験をしました。

“人類が初めて静脈の中に物を投与した”と記録として残っています。

当然、今のように注射器などありません。レンはガチョウの羽の先端を切り落とし、尖らせ、豚の膀胱の先にガチョウの羽を付け、豚の膀胱の中に水を入れ、羽の先端をイヌの静脈にブスッと刺し、水をいれるという、初めての静脈注射の実験をしました。

注射してイヌがどうなったかまでは確認できませんでしたが、これが静脈の中にものを、いわゆる液体を初めて投与したという記録です。

1世紀進んで19世紀になってくると、これもやはりイギリス人ですが、トーマス・アイシソン・ラッタという人が、ついに人間に注射の実験をしました。

コレラになると、ずっと下痢が続いて、だんだんとその患者さんが痩せこけてきて、衰えてきて亡くなってしまいます。ものすごく死亡率が高く、そういった人を助けるために、“水分が足らないのだから、外から水分を補ってやろう”と考案したもので、塩化ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを混ぜた水溶液をコレラの患者さんに注射しました(この頃には、血液の中には塩分が入っているということがわかっていました)。すると、注射をすると助かる率がかなり上がってくるということがわかったそうです。

その時残っている記録では、現在のように手とか足の四肢の抹消の静脈に投与したのではなく、女性であれば乳房のところの皮下静脈、つまり、浮いてくる皮下静脈に針を刺して注射しています。今で言う静脈注射の始まりです。この後医学の研究が進み現在の点滴という形になりました。

ノンカフェインティー(ルイボスティー)のおはなし

2018年 9月 1日 土曜日

本日はハーブティーとして、またノンカフェインティーとして注目されているルイボスティーについて紹介します。

1.ルイボスティーとは

2.ルイボスが育つ環境

3.ルイボスティーに含まれる主な成分

4.1日の摂取量の目安と注意

5.選び方

 

1.ルイボスティーとは

“ルイボス(ROOIBOS)”は、アフリカーンス語(*1)で ROOI赤い、BOS藪という意味のマメ科の植物で落葉した葉は赤褐色に変化します。ルイボスの落葉した葉を発酵・焙煎したものがルイボスティーです。

*1:オランダ語から派生した言語

2.ルイボスが育つ環境

南アフリカにあるセダルバーグ山脈一帯の高原地帯で育ちます。この高原地帯は雨が少ない乾燥地帯であり、夏の外気温は45℃にもなり、昼と夜の温度差が30℃を超えるような過酷な環境です。このような厳しい環境で育つことから、他の一般的なお茶の木に比べて地下深くまで根を伸ばし、豊富な栄養素を持つに至ったと言われています。

3.ルイボスティーに含まれる主な成分

ミネラル(マグネシウム、カリウム、カルシウム等)、スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide dismutase:SOD)などが含まれます。

マグネシウム:腸の水分を集める作用があり、整腸作用が期待されます。

カリウム:ナトリウムと相互に働いて、過剰に摂取したナトリウムを体外へ排泄する作用があります。

SOD:抗酸化作用をもつ酵素です。SODは体内の活性酸素を分解することにより、細胞を酸化する活性酸素を抑えます。

一方、含まれていない成分としてカフェインがあります。就寝前に飲んでも寝付きが悪くなる可能性は低いと思われます。

4.1日の摂取量の目安と注意 

1日に3杯程度を目安に飲んでみてはいかがでしょうか。

ただ、摂取に注意が必要な方もいらっしゃいます。

・妊娠初期の方

理由はルイボスティーに含まれるタンニンのためです。タンニンは葉酸の吸収を阻害する作用があります。ルイボスティーに含まれるタンニンは少ないものの、妊娠初期に多く必要とされる葉酸が摂取できなくなる可能性があります。

・カリウムの摂取に注意が必要な方

腎臓病、糖尿病など病気療養中の方は、カリウムの過剰摂取に注意が必要です。必要に応じてかかりつけの医師にご相談ください。

5.選び方

ルイボスティーはくせがあって飲みにくいと感じられる方もいらっしゃるようです。その場合には、発酵していないグリーンルイボスティーを選んでみては?はちみつを入れたり、ミルクティーにして飲んでみるのもおすすめです! 🙂

 

だんだんと気温が上昇してきていますので、水分補給にホットでもアイスでも楽しめるルイボスティーを試してみてはいかがでしょうか。

蚊のはなし

2018年 8月 20日 月曜日

夏のイメージがあるですが、11月中旬まで活動します。

 

秋まで残っている蚊に刺されると

とくに痒くて痒くて憎たらしいですね…。

 

あまり良い印象ではない蚊ですが、

今回は蚊を応用した医療技術のご紹介です。 💡

 

 

皆さんは注射は苦手ですか。

わたしは先日健康診断で採血をしましたが、

やっぱり「チクッとしてジンジンして嫌だな~」と感じました。

いくつになっても慣れませんね。

 

定期的に血液検査を行う方や点滴をしている方はもっと辛いのでしょう。

 

もっと痛くない、ストレスのかからない注射針の研究に

なんと蚊の口が応用されているのです

 

蚊に刺されても私たちは痛くありません。

痛かったら気がつかれて叩かれてしまいますからね。

蚊にとって吸血行動は命がけです。

 

種族の存続のため命がけで挑んでいるので、

そこには蚊の物凄い生態が隠されているのです!!!

 

現在、販売されている蚊の口を応用とした針には

血糖測定時の血を出すために使う道具があります。

 

蚊の針の構造については

わかりやすく解説されている本やサイトがあるので

興味を持たれた方は調べてみてください 🙂

 

 

もっともっと研究が進んでワクチンや採血にも

痛みを軽減された注射針が使われることを願って

今年も蚊と戦いたいと思います 😕