にきび治療についてのおはなし

2018年 11月 1日 木曜日

季節の変わり目や生活習慣、ストレス、ホルモンバランスの乱れなど、様々な要因によりニキビはできやすくなります。

まずは生活習慣の改善や普段のスキンケアを見直すことが基本ですが、なかなか改善しない場合にはやはり専門医の受診をお勧めします。

 

今回は皮膚科での薬物治療で、最近よく処方される塗り薬について紹介します。

もちろん、保険適応のお薬です。

これは今までにあった抗菌の塗り薬とは違い、耐性ができず、にきびの予防にもなるといわれています。

 

成分名は過酸化ベンゾイルです。ベピオゲルという商品名で販売されています。

海外では以前から使われていましたが2015年についに日本でも使われるようになりました。

このお薬は、少しの赤みやヒリヒリ感、かゆみ、乾燥などを含めると副作用がでる方は少なくないです。

そのため、中にはすぐに使うのを止めてしまう方がいます。

しかし、あわないかもと思ってすぐに使うのを止めるのではなく、医師とも相談しながらしばらくは使ってみてください。(ただし軽い副作用ではなく、アレルギー反応など重度な副作用が出た場合は中止です)

軽い副作用は使っているうちに慣れてくることもあるといわれています。2週間~1カ月が目安です。

そしてそのまま続けていくとニキビ自体は改善に向かっていきます。耐性ができないので長期間使うことも可能ですし、赤く膿んだニキビにも白く小さなニキビにも効果を発揮します。

 

私も使ってみましたが、ニキビができても悪化しにくいし治りが早いなという印象でした。

 

一番多い副作用は乾燥で、保湿剤(化粧水、乳液)を併用するのが一般的です。

よく、どの順番で塗ったらいいかな?と聞かれますが、乾燥防止のためにも保湿のあとに塗るのをおすすめします。 😀

 

ニキビ治療には保険適応外のケミカルピーリングしかないと思っていた方、思春期だから体質だから・・とあきらめていた方、是非、専門医に相談してみてくださいね!

肝臓のおはなし

2018年 10月 15日 月曜日

今回は肝臓について少しお話しようと思います。

皆様は肝臓についてどの様なイメージをお持ちでしょうか?

よく言われるのはアルコールと肝臓の関係性、これは一般的にもよく言われていますよね。

 

 

 

 

 

肝臓はヒトの体で最も大きい臓器です。

肝臓の主な働きは3つ。

  1. 体に必要な栄養素の合成・貯蔵
  2. 有害物質の解毒・分解(アルコールやお薬など)
  3. 食べ物の消化に必要な胆汁の合成・分泌

 

これらはどれも必要不可欠で、私達の生命維持に大きな役割を果たしてくれています。

そしてなんと、肝臓は唯一再生能力のある臓器です。

肝臓は少し切り取られてもまた再び同じ大きさの肝臓へ再生することができます。

85%が壊れても働き続けることができるといわれています。

不調でもなかなか不調を訴えてくることがない(症状として現れることがない)ので

『沈黙の臓器』や、『無口な働き者』といわれております。

そんな力強い肝臓ですが、不調が続くと元に戻らないこともあります。

肝臓にもいろいろな種類の病気と原因があるのですが、今回は肝臓の機能を維持するため、日頃から私達が気をつけることのできることを紹介します。

1.食べ過ぎない

→脂っこい食事や糖質のとりすぎは脂肪肝を招きます。特に果物の果糖は吸収がよく、肝臓で中性脂肪になりやすいため、注意が必要です。ごはん、パン、麺類は、ほんの一口残すだけで、1ヶ月に500g減量できると言われています。

2.飲み過ぎない

→お酒の飲みすぎは肝臓で中性脂肪が合成されやすくなります。

3.無理なダイエットによる栄養の偏りをなくす

→極端な食事制限など無理なダイエットをした人も「低栄養性脂肪肝」と呼ばれる脂肪肝になることがあります。

4.緑茶を飲むことを心がける

→緑茶に含まれるカテキンが体内、特に肝臓で発生する活性酸素を消去してくれるというデータがあります。メタボリック症候群にもいいという研究もあるので、脂肪肝予防にもなります。

5.適度な運動

→基礎代謝がアップすれば、太りにくい体質になりますので脂肪肝も予防できます。

特にスクワットやストレッチなどのインナーマッスルを鍛えることがより効果的です。逆に過度な運動は肝臓に負担をかけることもあるので、無理に激しい運動には注意しましょう。

6.加工食品を避ける

→加工食品に含まれる食品添加物は、体にとっては毒物です。肝臓で解毒されます。

また、加工食品は意外と塩分が多いため、塩分のとりすぎも防げます。

 

どうでしょうか。

少し意識していれば特別なことではないように思います。

 

これからは自分の肝臓、少しいたわってみてはどうでしょうか?

 

乾燥についてのお話

2018年 10月 1日 月曜日

 

乾燥肌の原因と対処方法についてお話しします。

 

 

 

まず、乾燥肌の原因として4つが挙げられます。

 

1.エアコンなどの冷暖房器具

2.気温や湿度の低下

3.肌触りの悪い衣服や寝具

4.ライフスタイル

 

3については目の粗いウールのセーター等はお肌に摩擦が生じやすく、角質層を傷つける可能性があります。また、顔が触れる機会が多い枕カバーやタオルケット等の寝具についても寝ている間、知らず知らずのうちに摩擦が生じているのです。

 

4のライフスタイルについて更に細かく見ていきます。

 

顔や体を洗いすぎる習慣がある、水を扱う機会が多い方

水や洗浄剤に触れる機会が多いと肌から皮脂が奪われやすくなります。

 

煙草を吸っている方

喫煙により健康な皮脂の維持に役立つビタミンCが体内から失われます。

 

食事をファーストフード等で済ませることが多い方

摂取する栄養素が偏りがちになり、皮膚に栄養が行き渡らない可能性があります。

 

生活が不規則で十分に睡眠時間が確保できない方

睡眠時間が短いと、皮膚の新陳代謝がスムーズに行われにくくなります。

 

次に乾燥肌を防ぐ方法について説明します。

1.洗いすぎに注意する

2.エアコンの使用方法に注意する

3.ライフスタイルを見直す

 

1については乾燥肌の原因にてお話した通り、洗いすぎは皮脂を洗い流してしまいます。また洗浄剤が刺激となって皮膚トラブルを招くこともあるので注意しましょう。

 

2についてはエアコンの冷温風が直接身体に当たらないようにすることです。また冬場であれば加湿器の利用、濡れタオルや洗濯物を部屋の中に干すといった工夫も必要です。

 

3に関しては具体的にどのようなライフスタイルを見直すべきかお話します。

 

熱めのお湯、長時間の入浴を避ける

皮膚の潤いを保っているセラミドなどの細胞間脂質や天然保湿因子は42℃以上の高温のお湯に浸かると、簡単に流出してしまう可能性があります。

 

偏った食生活を改善する

健康な皮膚を作るにはタンパク質をはじめ、ビタミン類が役立ちます。

 

ビタミンA:肌荒れ防止、皮膚の免疫機能の維持

ビタミンB:皮膚の新陳代謝促進、発育促進

ビタミンC:コラーゲンの生成

ビタミンE:皮膚の血流循環改善

 

 

水分摂取を心がける

夏場は水分をこまめに摂っているが冬場はそこまで・・・という方も多いのではないでしょうか。私たちの体は皮膚や呼気からも常に水分が失われています。具体的に言うと、冬場で皮膚や呼気、排尿での水分喪失を含めると、じっとしている時で1日に1500ml前後、動いている時は1日に2500ml前後の水分が奪われています。水分補給を怠ると更にお肌の乾燥を招くため、冬場であっても温かい飲み物で水分摂取を心がけるようにしましょう。病気によって水分量が制限されている方に関しては、主治医と相談して指示を仰いでください。