目薬のおはなし

2017年 11月 1日 水曜日

皆さんは目薬が処方された時

①差すのが苦手だな

②1本で何日分なの?

③保管は冷蔵庫じゃなきゃだめかな?

と様々な疑問を持ったことはありませんか。

うまく使えないと、治りが悪くなったり、症状を悪化させてしまうことにも繋がりかねません。

本日は『目薬』について紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

①上手なさし方について

下瞼を引いてそこに目薬を差す方法や頬にげんこつを作って手を固定して差す方法があります。小さなお子さんであれば、頭を親御さんの膝や腿で固定して差したり、寝ている間に下瞼を引いて点眼したりする方法もあります。

また、その他の方法として、点眼容器を器具に挟んで点眼しやすくした補助器具も発売されています。

 

②1本が何日分なのか

1滴=約0.03mL〜0.05mL(30μL〜50μL)と言われています。

大体の点眼は5mL/本のものが多いので、これで計算してみると・・・

5mL/本÷0.05mL/滴=100滴/本

使用滴数にもよりますが、両目に1日2回、1滴ずつ入れたとすると・・・

100滴/本÷4滴/日=25日/本

1本で約1カ月使えます。

尚、一度封を開けたものに関しては、汚染や劣化の観点から使用期限は1カ月以内を目途にすると良いです。容器に書いてある使用期限は開封せず適切に保管した場合のものなので気を付けましょう。なかには、そもそも1週間や10日しか期限のない点眼もあるので注意が必要です。

 

③保管方法について

保管は冷蔵庫のドアポケットで!と言われたことがある方も居るのではないでしょうか。

雑菌の繁殖を防ぎ清潔に保つためにそう言われることもあります。

一般的には室温保存(1〜30℃)のものは冷所保存(1〜15℃)ができます。

また、冷蔵庫での保管が必要なもの、逆に冷蔵庫で保管すると結晶ができてしまうものもあります。

特別注意が必要なものに関しては投薬の際に指導があるので守りましょう。

夏場の車の中、寒い地域で屋内でも氷点下になってしまうことがあるなど、極端な温度変化はお薬の性質が変わってしまう恐れがあるので、注意しましょう。

 

飲み薬と違って外用剤は自由に使えると思っている方も少なくないはずです。

しかしながら、どんなお薬にも、決まった用法・用量があります。

医師や薬剤師の指示を守って使用することが重要です。

また、使用に際し不安や疑問があるときは気軽に相談してみましょう。

心筋梗塞のおはなし

2017年 10月 15日 日曜日

10月に入り寒さがこたえる季節になってきました。これから冬本番に入っていくにあたり気をつけていただきたい病気として、心筋梗塞についてお話しさせていただきます。

心筋梗塞とは、心臓に栄養と酸素を補給している冠動脈が急に詰まり、血流がその先に流れずに心臓の一部の筋肉が死んでしまう病気で、急死することもあります。症状としては30分以上続く胸痛です。狭心症の場合、胸痛は5~15分くらいで、この持続時間が心筋梗塞か狭心症かを見分ける重要な目安になります。

心臓の筋肉には再生能力がないため、心筋梗塞の第一の治療は、詰まった冠動脈を再び開通させて心筋の壊死を最小限にとどめます。再開通は早ければ早いほどよく、治療のゴールデンタイムは6時間といわれています。それを過ぎても12時間以内であれば、再開通することで効果があります。最新の治療方法としては、血栓溶解薬+風船療法+ステントがあります。

 

詰まった血栓をアルテプラーゼなどの血栓溶解薬で溶かし、血管内にカテーテルを入れてバルーンでふくらませる方法です。また血管の再閉塞を防ぐためにアスピリンなどの抗血小板薬を約1ヶ月間服用します。こうした治療により、再閉塞率は下がり、治療成績は上がっています。

しかし、なによりも予防が大切です。気温の低い冬では、体温を維持しようと血管が収縮するため血圧が上がり、心筋梗塞の発生率が上がると言われています。

気温差をなるべくなくすこと、血圧が上がるのを防ぐこと、血行を良くすることにしっかり気をつけて、心筋梗塞のリスクを減らしましょう。また、高齢、喫煙、糖尿病、肥満などはリスクとなりますので、普段の生活習慣に気を付けることも大切です。

ビタミンEのおはなし

2017年 10月 1日 日曜日

本日はビタミンEについてのおはなしをしたいと思います。

ビタミンEは、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンKと合わせて、脂溶性ビタミンに分類されます。脂溶性ビタミンとは、あぶらに溶けるビタミン、という意味です。ちなみに、ビタミンBやビタミンCは水に溶ける水溶性ビタミンに分類されています。

ビタミンEには強い抗酸化作用があり、細胞膜や血中脂質が活性酸素により酸化されるのを防ぐ働きがあります。細胞の酸化とは、ざっくり言い換えると、細胞の老化です。

 

ビタミンEの薬理作用は様々ありますが、代表的なものには以下のものがあります。

 

・コレステロール値の改善:ビタミンEにはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を減少させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)値を増加させる働きがあります。

・血流の改善:ビタミンEには毛細血管の血行をよくする働きがあります。肩こりや冷えなどにも効果が期待できます。

・肌への効果:活性酸素の除去と毛細血管の血行を促進することにより、肌荒れを予防してくれたり傷ついた肌を回復させるにも有効です。

 

ビタミンEを多く含む食品には以下のようなものがあります。

フライアーモンド(29.4mg)、アボカド(3.3mg)、マーガリン(15.1mg

(いずれも100gあたりの含有量です)

 

ビタミンE1日目標摂取量は7mg9mgですが、健康効果を目的とするなら、1100mg300mg程度が必要と言われています。食品からの摂取にあわせて、サプリメントなどでの補助摂取がいいかもしれません。ちなみに1日上限量は、女性で700mg、男性では800mg程度であり、極端な過剰摂取はよくありません。

また、ビタミンEはビタミンCとあわせて摂取するのもいいと言われています。ビタミンEの抗酸化作用を、ビタミンCの還元作用がサポートしてくれるのです。

 

女性にうれしい美肌効果から、体の内側の健康まで助けてくれるビタミンE

ビタミンEの摂取とともに、この機会に、いつもよりほんの少し、食生活のバランスや運動など、健康にも気を遣ってみるのはいかがでしょうか。