心筋梗塞のおはなし

2017年 10月 15日 日曜日

10月に入り寒さがこたえる季節になってきました。これから冬本番に入っていくにあたり気をつけていただきたい病気として、心筋梗塞についてお話しさせていただきます。

心筋梗塞とは、心臓に栄養と酸素を補給している冠動脈が急に詰まり、血流がその先に流れずに心臓の一部の筋肉が死んでしまう病気で、急死することもあります。症状としては30分以上続く胸痛です。狭心症の場合、胸痛は5~15分くらいで、この持続時間が心筋梗塞か狭心症かを見分ける重要な目安になります。

心臓の筋肉には再生能力がないため、心筋梗塞の第一の治療は、詰まった冠動脈を再び開通させて心筋の壊死を最小限にとどめます。再開通は早ければ早いほどよく、治療のゴールデンタイムは6時間といわれています。それを過ぎても12時間以内であれば、再開通することで効果があります。最新の治療方法としては、血栓溶解薬+風船療法+ステントがあります。

 

詰まった血栓をアルテプラーゼなどの血栓溶解薬で溶かし、血管内にカテーテルを入れてバルーンでふくらませる方法です。また血管の再閉塞を防ぐためにアスピリンなどの抗血小板薬を約1ヶ月間服用します。こうした治療により、再閉塞率は下がり、治療成績は上がっています。

しかし、なによりも予防が大切です。気温の低い冬では、体温を維持しようと血管が収縮するため血圧が上がり、心筋梗塞の発生率が上がると言われています。

気温差をなるべくなくすこと、血圧が上がるのを防ぐこと、血行を良くすることにしっかり気をつけて、心筋梗塞のリスクを減らしましょう。また、高齢、喫煙、糖尿病、肥満などはリスクとなりますので、普段の生活習慣に気を付けることも大切です。

ビタミンEのおはなし

2017年 10月 1日 日曜日

本日はビタミンEについてのおはなしをしたいと思います。

ビタミンEは、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンKと合わせて、脂溶性ビタミンに分類されます。脂溶性ビタミンとは、あぶらに溶けるビタミン、という意味です。ちなみに、ビタミンBやビタミンCは水に溶ける水溶性ビタミンに分類されています。

ビタミンEには強い抗酸化作用があり、細胞膜や血中脂質が活性酸素により酸化されるのを防ぐ働きがあります。細胞の酸化とは、ざっくり言い換えると、細胞の老化です。

 

ビタミンEの薬理作用は様々ありますが、代表的なものには以下のものがあります。

 

・コレステロール値の改善:ビタミンEにはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を減少させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)値を増加させる働きがあります。

・血流の改善:ビタミンEには毛細血管の血行をよくする働きがあります。肩こりや冷えなどにも効果が期待できます。

・肌への効果:活性酸素の除去と毛細血管の血行を促進することにより、肌荒れを予防してくれたり傷ついた肌を回復させるにも有効です。

 

ビタミンEを多く含む食品には以下のようなものがあります。

フライアーモンド(29.4mg)、アボカド(3.3mg)、マーガリン(15.1mg

(いずれも100gあたりの含有量です)

 

ビタミンE1日目標摂取量は7mg9mgですが、健康効果を目的とするなら、1100mg300mg程度が必要と言われています。食品からの摂取にあわせて、サプリメントなどでの補助摂取がいいかもしれません。ちなみに1日上限量は、女性で700mg、男性では800mg程度であり、極端な過剰摂取はよくありません。

また、ビタミンEはビタミンCとあわせて摂取するのもいいと言われています。ビタミンEの抗酸化作用を、ビタミンCの還元作用がサポートしてくれるのです。

 

女性にうれしい美肌効果から、体の内側の健康まで助けてくれるビタミンE

ビタミンEの摂取とともに、この機会に、いつもよりほんの少し、食生活のバランスや運動など、健康にも気を遣ってみるのはいかがでしょうか。

 

医療費のおはなし

2017年 9月 15日 金曜日

今年の8月、高額療養費制度の改正がありました。

このブログをご覧の皆さまも、ニュースなどで耳にされたことがあるのではないでしょうか。今回はこの話に因んで、日本の医療費の話をしようと思います。

日本の国民医療費は年々増え続け、2013年にはついに年間の医療費の総額が40兆円を突破しました。最新のデータでは、2014年の人口一人当たりの医療費は約32万円です。その中でも65歳以上の医療費は全体の58.6%を占め、1人あたりの医療費は年間約72万円にものぼります。またこの数字は70歳、75歳と年齢が上がるにつれ上昇しており、年齢が上がれば上がるほど医療費が高いことが分かります。65歳未満の医療費は一人当たり約18万円ですので、現在、高齢者の医療費を抑えることが一つの課題になっています。

 

そこで出てきたのが、今回の改正です。

高額療養費制度についてはご存知でしょうか。「ひと月にかかった医療費がある一定の額を超えた場合、その超えた金額を支給する制度」です。

普段病院に行くことがない方からすると縁遠い話かもしれませんが、急な手術や入院などでひと月の医療費が高額になってしまった際には、有難い制度です。

 

例えば、年収400万円、30歳のAさんがいるとします。Aさんが医療費全体(入院時の食費、差額ベッド代別)として100万円/月の治療を受けると、窓口で支払う金額は通常は3割の30万円ですが、高額療養費制度を利用すると87,430円に抑えられます。

 

以下に、制度のポイントをまとめました。

  1. 支給額の計算は70歳以上かどうかや、所得水準により異なる。
  2. 直近の12カ月間に、すでに3回以上高額療養費の支給を受けている場合は、その月の負担上限額がさらに引き下がることがある。
  3. 加入している公的医療保険(健康保険組合など)に、高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受けられる。
  4. 基本的に差額は後払い。高額療養費を申請すると、窓口負担と限度額の差額が加入している公的医療保険から支給されるが、受診した月から少なくとも3カ月程度かかる。
  5. しかし事前に「限度額適用認定証」の交付を受けていると、窓口での支払いが限度額までに抑えられる。(認定証は医療機関ごとに必要)
  6. 2年前までなら遡って申請できる。

 

今年の8月の改正では、70歳以上の方の支給額の計算方法が改正され、ある程度の収入がある方の自己負担額が引き上げられました。また来年8月には、70歳以上の年収区分を細分化し、さらに自己負担額を引き上げる予定となっています。

 

高齢化社会により、今後ますます国民医療費が上がると予想されます。それに伴い、今後も少しずつ国民の自己負担額を増やす流れとなりそうです。

財源には限りがあるので、自己負担額が増えるのはある程度仕方のないこととも言えますが、まずはなるべく医療費を使わない様、国民一人一人が健康への意識を高め、健康寿命を延ばしていくことが医療費抑制の一番の薬かもしれません。

 

参考

財務省HP https://www.mof.go.jp/budget/

厚生労働省国民医療費HP http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/37-21.html

厚生労働省高額療養費制度HP http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html