6月から熱中症にご注意を!

2017年 6月 15日 木曜日

皆さんもよく耳にした事のある熱中症、「まだ気をつけるのは早いかな」などと考えてはいませんか?

 

実は・・・

暑さに体がまだ慣れていない時期には、8月などの真夏よりも低い温度で熱中症になってしまうのです!熱中症の発生ピークは、梅雨明け直後、または、梅雨明け前の連続した晴天時で、梅雨明け前後の暑さに最も注意が必要です。

 

熱中症の予防についてご紹介する前に、まずは熱中症についてお話しします。

熱中症とは・・・

高温多湿な環境にて、体温の上昇と体温の調整機能のバランスが崩れて、どんどん身体に熱が溜まってしまい、そのために起こる様々な症状の総称です。

具体的には、

めまいや顔のほてり

筋肉痛や筋肉のけいれん

体のだるさや吐き気

汗のかき方がおかしい(ふいてもふいても汗が出る、まったく汗をかいていないなど)

体温が高い、皮膚の異常(皮膚が赤く乾いているなど)

呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない

水分補給ができない

などです。

最後の2つの症状は特に重症の可能性があります。無理に対応せず、すぐに医療機関を受診しましょう。

 

最悪死に至る危険性もある「熱中症」ですが、いつでもどこでもだれでも、条件次第でかかる可能性があります。しかし、正しい予防方法を知り、普段から気をつけることで防ぐことができます。

 

熱中症対策で特に大切なのは・・・

大量の汗で失われた「水分をこまめに補う」ことと「塩分をほどよく補う」ことです。

なかでも、脱水状態においては、水分と塩分をバランスよくとることができる経口補水液がおすすめです!

ドラッグストアや調剤薬局などで目にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

経口補水液は、ただ水を飲むより、塩分も補えるため脱水時には適しています。また、スポーツドリンクと比べても、電解質(塩分など)の濃度が高く、体にすばやく吸収できるようバランスが調整されています。

 

ただし、注意が必要な方も・・・

経口補水液は他の飲料と比べて、電解質の濃度が高くなっています。主にナトリウムとカリウムを多く含んでいます。そのため、ナトリウム、カリウムの摂取制限のある「高血圧」「糖尿病」「腎臓病」などの疾患をお持ちの方は注意が必要です。

 

またこのような疾患をお持ちでない方も気をつけないといけないことが・・・

脱水状態や、下痢などがない健康な場合に経口補水液をたくさん飲むと、逆に電解質をとりすぎてしまうことになります。体内の電解質のバランスが崩れ、逆に様々な不調を引き起こすこともあるのです。

小さなお子様も飲みすぎには注意です。電解質をとりすぎないよう、大人より少ない量にとどめる必要があります。経口補水液のパッケージなどに量の記載があるので確認するようにしましょう。

 

まとめると・・・

経口補水液は脱水状態になりやすくなっているときや、脱水状態になってしまったときに適していますが、ナトリウムやカリウムを多く含むため、注意が必要です。

スポーツドリンクは電解質を少し含んでいますが、糖分を多く含むので疲労回復にも効果的なため、激しい運動のときや、脱水状態ではない水分補給に適しています。

もちろん糖分のとりすぎもよくないので、ミネラルウォーターも含めうまく使い分けて、熱中症の予防を梅雨入り前から始めましょう!

 

 

参考文献)

熱中症による救急搬送状況 総務省消防庁(~H28)

熱中症診療ガイドライン 2015

熱中症ゼロへ 日本気象協会

経口補水液についてよくある質問 大塚製薬

セルフメディケーション税制について

2017年 6月 1日 木曜日

みなさんは『セルフメディケーション税制』という言葉を聞いたことがありますか。

『セルフメディケーション税制』は、2017年1月1日から始まった、新しい医療費控除制度です。

 

従来の医療費控除制度は、1年間に自己負担した医療費が、自分と扶養家族の分を合わせて「合計10万円」を超えた場合に、所得税が一部還付されたり、翌年の住民税が減額されたりする制度です。セルフメディケーション税制では、治療のためにドラッグストアなどで購入したOTC医薬品(一般用医薬品)の代金もこの医療費控除制度の対象となります。従来の医療費控除制度は、1年間に合計10万円の医療費がかからなければ医療費控除に該当しなかったところ、今回の『セルフメディケーション税制』では、特定の成分を含んだOTC医薬品の年間購入額が「合計1万2,000」を超えた場合に適用されます。

ただし、セルフメディケーション税制を利用するには、対象となる医薬品、対象となる人に条件があります。

《対象となる医薬品》

対象医薬品は約1,500品目あります。対象製品は厚生労働省のHPでご覧いただける他、製造メーカーの自主的な取り組みにより、パッケージに識別マークの印刷やシールが貼られています。医師の処方せんが必要な医療用医薬品から、OTC医薬品に転用された、いわゆるスイッチOTC医薬品と呼ばれるものが対象となっています。

《対象となる人》

所得税や住民税を納めている人で、適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、①特定健康診査(いわゆるメタボ健診)、②予防接種、③定期健康診断(事業主健診)、④健康診査、⑤がん検診のいずれかを受けている人です。

 

この制度を利用するためには、通常の確定申告に必要な書類の他、対象となるOTC医薬品を購入した際のレシート、定期健康診断を受けたことを証明する書類(領収書、結果通知書など)の提出が必要となります。レシートには、この制度の対象製品に★などの印と「セルフメディケーション税制対象」と記載があるので、レシートや領収書はこまめに保管するくせをつけると良いでしょう。

参)セルフメディケーション税制普及・啓発用チラシ(OTC医薬品協会HPより)、セルフメディケーション税制Q&A(厚生労働省)

味覚のおはなし

2017年 5月 15日 月曜日

近年、味蕾地図が否定されているのはご存知でしょうか。

味蕾地図というのは、舌先では甘味、舌の根では苦味、横では酸味や塩味を感じる、と言われているものです。

ヒトが味覚を感じることには、味を楽しむこと以外に意味があります。

だからこそ、舌の場所によって味の感じ方が大きく違ってはいけないのです。

味覚には、基本五味と呼ばれる5つの味があります。甘味、うま味、塩味、苦味、酸味の5つです。

この基本五味は、ヒトが好みやすい味と不快に思いやすい味に分けられ、前者は、甘味、うま味、塩味の3つ、後者は苦味、酸味の2つです。

なぜ、好みやすいかというと、ヒトが生理的に必要とする成分を示す味だからです。

甘味はエネルギー源となる糖質、うま味はグルタミン酸のようにタンパク源となるアミノ酸、塩味はナトリウムなどのミネラルをそれぞれ示します。

逆に、ヒトが不快に思いやすい味は体内に取り込むのを避けたい成分を示す味になります。

一般的に苦味は毒物の味、酸味は腐敗したものの味であると言われています。

 

このように、ヒトが体内に取り込むべきものか、取り込んではいけないものかを判断するためにも、味覚は重要な手段の一つなのです。

 

基本五味以外にも味はあります。例えば、唐辛子の辛味、もう一つのエネルギー源である脂質味、メントールの涼味なども存在すると言われています。これらの味がなぜ基本味に含まれないのかというと、基本五味の情報を脳に伝える際に使われる味神経が使われないからです。例えば、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは、温感を脳に伝える神経を介して脳に情報伝達されます。辛い料理を食べると体が温まるのは、温感と同じように脳に伝わるためだと言われています。

 

ここまで述べたように、味覚というのは楽しむためのものだけてはなく、身体に必要なものかどうか認識するための手段でもあります。近年は糖尿病や高血圧などの生活習慣病も問題になっているので、味覚を通して、好きな味のものだけに偏らないようにすることや、食べ過ぎないことを意識してみてはいかがでしょうか。