2016年 6月 1日 水曜日

ビールの美味しい季節がやってきました!

各地のビアガーデンも続々とオープンしていますね。

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ただ、美味しいビールを片手に、出てくる心配が痛風

現在、日本の患者数は約100万人(※)、潜在患者を含めると1600万人とも言われており、一部の人だけでない身近な生活習慣病の一つとなってきました。

(※2010年の厚生労働省の国民生活基礎調査より、「痛風で通院中」の患者数)

 

その痛風の原因は「尿酸」です。

何らかの問題で体内に尿酸が増えすぎると、関節などに尿酸が溜まってしまい、その状態が何年も続くと尿酸は固まり、これが原因で激しい痛みを発生させます。

この尿酸はプリン体が分解してできた老廃物で、上昇の原因としてはプリン体を多く含む食品の食べ過ぎ・飲み過ぎはもちろんのこと、過労やストレスも大きな原因になると言われています。

ストレスがなぜ尿酸値を上げるのか。そのメカニズムはまだ明らかではありませんが、痛風がストレスの多くかかる中間管理職のサラリーマンに多く起こることからも頷けますね。

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また、この「痛風」は、そのもので死ぬ人がいないということから深く考えない方も多いですが、痛風で本当に怖いのは合併症です。痛風の合併症の中には、尿路結石などの腎障害の他に、脳・心臓血管障害など命に直接関係するものも少なくなく、痛みが治まったからといって放置しておくのはとても危険です。

まだ症状のない「高尿酸血症」の段階から、積極的に生活習慣を改善し、治療に取り組むことが何よりも大切です。

そこでこの痛風の治療薬として、近年、世界で実に約40年振りに発売された新製品がありますので、少しご紹介します。尿酸生成抑制薬、フェブキソスタットです。

1日1回の服用で血中尿酸値を治療目標値まで低下させること、また、肝臓で代謝された後、糞中と尿中に排泄されることから、腎機能が軽度から中等度に低下した患者さんにも用量調節せずに服用いただくことも可能と言われています。

また、1日1回の服用は、仕事や付き合いの多いサラリーマンにも飲み忘れが少なく、使いやすい薬剤と言われています。

 

でも、まずは薬に頼ることなく生活習慣から!

飲み過ぎ・食べ過ぎは控え目に。

以下はプリン体の多い食品です。くれぐれも摂り過ぎには気を付けましょう!

 

プリン体の多い食品

・鶏肉・豚肉・牛肉のレバー ・煮干し・かつお節・干し椎茸 ・いわし、アジなど魚の干物類、スルメ ・白子、アンコウの肝 ・真いわし、カツオ、車えび、サンマ、マグロなど ・魚介類や肉類を食材とした鍋物の煮汁

(うーん、美味しそうなものが多い!やっぱり痛風は贅沢病と言えるかもしれませんね(笑))

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シンボルマークのはなし

2016年 5月 16日 月曜日

突然ですが、皆さんはWHO(世界保健機関)の旗(マーク)をご覧になられたことがありますか。

旗には、中心にとある動物が描かれています。何の動物かご存知でしょうか。

 

正解は・・・ヘビです!

杖に巻き付いているヘビの姿が描かれています。

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しかし、なぜヘビと杖なのでしょうか。

これは、ギリシャ神話に登場する、名医アスクレピオスが持っていたとされる杖(アスクレピオスの杖)に由来しています。

アスクレピオスは非常に優れた医師で、最終的には死者すらも蘇らせることができるようになったとされ、医学の神とも言われています。

その彼がヘビの巻きついた杖を所持していたとされることから、アスクレピオスの杖は医療の象徴として広く用いられるようになりました。

 

また、ヘビは脱皮を繰り返す様が“再生”を思わせるといった理由などから、生命力の象徴ともされているようです。

 

そんなヘビ、実は薬学にも縁があります。

それが“ヒュギエイアの杯”。

ヒュギエイアは、先ほど登場したアスクレピオスの娘で、衛生や健康を司る女神とされています。

このヒュギエイアの杯がシンボルとして描かれる場合には、その名の通り、水や薬が入っていると思われる杯に、アスクレピオスの杖同様、『ヘビ』が巻きついている状態で描かれることが多いです。

 

救急車の車体などにも描かれることの多いアスクレピオスの杖とは異なり、日本国内ではあまりピンとこないこのヒュギエイアの杯ですが、諸外国では薬学のシンボルとして用いられているようです。

特にドイツでは、ドイツ語で薬局を意味する“Apotheke”の頭文字であるAの文字の中に、このヒュギエイアの杯を描いた看板を掲げた薬局を、町のあちこちで見かけることができます。

ドイツにお立ち寄りの際には、ぜひ一度ヒュギエイアの杯を目印に薬局を探してみてくださいね。

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薬の服用時間のおはなし

2016年 5月 1日 日曜日

pr07-01私が病院に勤務していた頃、患者さんが自己調節にて薬を服用しているとお話しされることがありました。例えば痛み止めなど症状によって調節可能な薬剤はあります。しかしながら決められた服用方法のある薬剤もあり薬を効果的に使うためには大切なことです。そこでお薬の服用時間について紹介したいと思います。

 

食後

食事が終ってから30分くらい後に飲みます。ほとんどの薬はこの時間に飲むようになっています。胃の中に食べ物があるうちに飲めば、食べ物と混ざり合って胃に対する刺激が弱められ、胃腸障害を防ぐことが期待できるからです。30分と言っても大体の目安ですから、きっちりと時間をはかる必要はありません。

 

食前

食事をとる30分くらい前に飲むことをいいます。この場合も30分というのは大体の目安です。例えば、食後に飲むと食べ物や胃液によって効果が下がってしまう薬。食事の前に胃の運動を活発にして食欲を起こさせる食欲増進薬などが挙げられます。

 

就寝前

寝る30分くらい前に飲みます。例えば睡眠薬、下剤(目覚めたときにお通じが期待できます)など。

 

食後2時間

食事が終わってからおよそ2時間後、つまり胃の中が空っぽになっているときに飲むことをいいます。「食間」ということもありますが、この場合「食事中」と誤解しないよう気を付けて下さい。食べ物と結びついて吸収されにくくなる薬もあります。

 

頓服薬

頓服薬とは「11回」あるいは「13回」のように定期的に服用する薬ではなく、例えば「痛い時」など、必要な時だけ服用する薬のことです。服用指示には次のようなものがあります。1日何回まで飲んでよいかは医師に確認する必要があります。

 疼痛時・発熱時…消炎・鎮痛及び解熱作用のある内服薬、座薬など

不眠時…睡眠剤など

発作時…狭心症の発作用薬(舌下錠)、喘息の発作止めなど

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下記指示は、この服用方法でなければその薬の目的とする作用が十分に発揮されないものに限られます。

食事中

食事の最中に飲みます。

 

食直前・食直後

食事の前あるいは後に、すぐに服用します。大体の目安は10分くらい前後に飲みます。

 

時間指示

例えば「6時間ごと」「8時間ごと」のように時間で指示のあるものは食事に関係なく一定の時間ごとに飲みます。

 

服用方法はこのように効果への期待や飲み忘れがないように配慮して決められています。

薬の服用に対してわからないことがあれば気兼ねなく医師、薬剤師へ相談しましょう。

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