植物のおはなし

2016年 7月 15日 金曜日

これからの季節、植物が色鮮やかな姿を見せる季節になってきましたね。私自身植物が好きで、薬用植物や生薬、漢方などを勉強していたこともあり、その中から少し紹介させて頂こうと思います。

 

 

y2_05まずはオオバコをご紹介します。こちらは目にしたり遊んだことがある方がほとんどではないでしょうか。道端に生えている雑草で強くどこでも育つイメージがあると思います。しかし、オオバコを一回抜いて別のところに植え替えるとなかなか育たないという繊細な面を持っています。雑草としての認識が強いオオバコですが、薬という別の側面を持っています。種子は車前子(シャゼンシ)といい生薬として、全草は車前草(シャゼンソウ)といい民間薬をして使われています。車前子は利水作用(体外に水を出す作用)を目的に牛車腎気丸などの漢方薬に含まれています。

 

 

無題次はクチナシを紹介いたします。クチナシは実を乾燥させたものを山梔子(サンシシ)といい、消炎作用などを持っており生薬として使われます。薬以外の使い方としては、’きんとん’ や ’たくわん’ の着色に着色料として使用されています。生薬よりも着色料で知っている人が多いかも知れませんね。また、この黄色の色素は加水分解されると青色に変化します。これをクチナシ青色素といい、岡山県倉敷名物のデニムまんに使われているそうです。岡山県はジーンズの縫製・加工工場、デニム生地の製織工場など、ジーンズ関連の企業が多く集まる「産地」で有名ですが、このデニムまんはデニムの色を見事に再現しています。青は食欲をそそらない色らしいのですが、おいしいので倉敷に行かれる方はぜひ食べてみてください(他にもデニムバーガーやアイスもありました)。

 

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ニチニチソウも実は医薬原料を生成する植物です。ニチニチソウの葉で合成されていることが知られています。園芸用として庭先でよく目にする植物にもこのような力が眠っています。

 

 

 

 

 

 

今回ご紹介したのはほんの一部ですが、植物には驚くべき力が備わっていることが伝われば幸いです。これがきっかけで植物の面白さを少しでも知っていただければと思います。

高カカオチョコレートの話

2016年 7月 1日 金曜日

最近雑誌やTVでもよく目にする高カカオチョコレート

チョコレートはお菓子のイメージが強いですが、昔はカカオ豆をすりつぶして薬として使用されていたこともあったようです。

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チョコレートには抗酸化物質であるカカオポリフェノールの他にカルシウムマグネシウム亜鉛などのミネラル分や食物繊維も含まれていますが、これらの成分はカカオが70%以上含まれている、いわゆる高カカオチョコレートに多く含まれています。

 

このカカオポリフェノールには血圧を下げる効果や、善玉コレステロールを増やす効果があることが認められ、動脈硬化のリスクを低減する効果が期待されています。他にも認知症予防や紫外線から肌を守る効果、肥満の予防など様々な報告があるようで、ついついたくさん食べたくなりますね。

 

しかし、薬もそうですが、摂りすぎは健康によくありません。

カカオ豆にはテオブロミンやカフェインが含まれており、適量であればリラックス効果や脂肪燃焼促進効果などがあり問題ありませんが、過剰摂取することで利尿作用や興奮作用、それに伴い不眠などを引き起こす可能性もあります。特にお子さんや妊婦は気をつける必要があります。

またチョコレートに含まれるチラミンには血管収縮作用があり、食べ過ぎると片頭痛を引き起こす可能性があります。

 

ではどれくらいなら大丈夫なのでしょう?

1日に食べる高カカオチョコレートは25g程度が目安です。また、カカオポリフェノールによる抗酸化作用は長時間持続することができないので、一度に食べるのではなく、少しずつ分けて食べるのが良いようです。

 

せっかく食べるなら健康に良い食べ方をしたいですね。仕事で疲れた時に高カカオチョコレート、いかがでしょうか??

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引用:日本チョコレート・ココア協会のHP http://www.chocolate-cocoa.com/

海外旅行中のおくすりのおはなし

2016年 6月 15日 水曜日

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念願の海外旅行!初めてだけど服用している薬はどうしよう??

もうすぐ夏休み!海外旅行に行きたい!と計画をたてている方も多いのではないでしょうか。

 

 

そこで気になるのが普段、服用している薬。服用している薬の種類が増えたけど、全部持って行っても大丈夫かしら?長く滞在するけどお薬たくさんもらえるかしら?外国でも服用している薬は処方してもらえるかしら?そんな疑問にお答えします。

 

・海外に薬を持っていくときはどうしたら安心?

服用中の薬物が医師の指示で処方され、旅行中に健康を維持するために必要であるという担当医からの診断書と処方箋(コピー可)を用意しておくと安心です。またそれらの書類が日本語で書かれている場合、英語に翻訳し最後に翻訳した本人のサインを記入して下さい。(翻訳は英語の出来る方ならば誰でも可能です)

自分に必要な分の薬をもっていく程度なら基本的には問題ないですが、一部の国では、薬物乱用の可能性が高い麻薬や特定の薬物は持込む事すら出来ない場合もありますので、必ず入国先の大使館に相談しましょう。例えば、日本で一般的に使われる咳止め薬、精神安定剤、鎮静剤、睡眠薬、抗鬱剤、興奮剤も、ものによっては常習性のある薬とみなされ、持ち込むことで重罪になるケースもあります。

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・新しいから14日しかもらえない薬、海外に行ってる間もう少しもらえないかな?

海外旅行、年末年始、ゴールデンウィークは例外で30日まで処方が伸ばしてもらえる可能性があります。医師に相談してみましょう。

 

・機内への常備薬の持ち込みは?

各航空会社でもルールが違うことがあるので念のため確認しておきましょう。

下記は成田空港の薬の持ち込みに関するQ&Aです。

http://www.narita-airport.jp/jp/security/faq/faq-05.html#651

 

・今服用している同じ薬を海外でもらえないかしら?

服用中の薬が海外で販売されているかは製薬企業または薬局、病院に問い合わせることで調べてもらうことができます。HP上で英語名や英語版の薬のしおりを入手できるものもあるので、同じ薬がなくともそれらを見せることで似た薬を処方してもらえる可能性があります。

また、海外では日本の処方薬が市販薬として販売されていることもあるので、英語の得意な方は確認してみてもいいでしょう。ただし、用量も海外規格なので過量服用には注意が必要です。

 

海外に行って薬がなくなってしまったら、きっと旅行も楽しめないはず。入国前にしっかり準備しておきましょう。

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参考:米国大使館日本東京

http://japanese.japan.usembassy.gov/j/info/tinfoj-cbp-meds.html