自分のパターンに気が付く

2011年 4月 26日 火曜日

小さい頃、すぐに熱を出して、月に何回も小児科に連れて行かれる子でした。その小児科医院では、子供の目の高さからだと、受付の小さい窓から薬剤師さんが調剤している様子を見ることができたのです。

当時、粉薬は天秤を使って量り取られていて、何度も慎重にバランスを取っては、薬包紙がどんどん包まれていくのです。さらに大小のメスシリンダーを使って、数種類の液剤が投薬瓶に手際よく流し込まれ、最後に蓋をして振とう、薬袋に納められていく様子を熱でぼんやりする中、待合室から眺めていたのを覚えています。

薬剤師になったのが、この経験のためかどうかはわかりませんが、「健康でいること」の大切さ、時に難しさを感じ、この頃から「健康でいられること」に貢献できる仕事につきたいと漠然と思っていたのは確かです。

 

 私は薬剤師でありながら、病院で診察を受けることや薬を服用するのが苦手です。できることなら診察や投薬が必要な状態になる前に、健康を維持できないだろうかという思いが高じ、病は気からとばかりに、心理学やヨガ哲学を学びはじめました。

「あなたは、あなたらしく生きていますか。」

こんな問いを自分にしたことはあるでしょうか。

やりたい仕事につくとか、やりたい趣味を見つけるということではありません。日々の生活の中で、「周りの人から○○と思われたくないから」、「彼氏(彼女)によく思われたいから」等の理由で、表に出すことを断念している、ネガティブな「感情」や「思い」はありませんか。あるいは、断念しているという自覚を持つことすらやめてしまっているかもしれません。

よくよく考えてみると、これは「自分を生きている」のではなく、「他人が望む自分を生きている」のではないか、という思いに至ります。だからと言って、その感情や思いを感じたそばから、ただ正直に周りに伝えればいいというものでもありません。かと言って、そのまま断念し続けると、

 「私はここにいるよ。」

認めてもらえなかった「感情」や「思い」が痛みや不調となって声をあげているのではないか。-エビデンスベースのDI業務をやっていながら、そう感じることがあります。

 

 ネガティブな感情や思いを認める作業 -それは、ときとして自分の内側に入っていく作業が有効な場合があるように思います。どうしてそう感じたのか、自分の中のどういう考え方に反応して感情が現れたのかを探って行くと、思いもよらなかった、他の人には無い思考や行動のパターンがあることに気が付くときがあります。

目まぐるしく変化する現代社会においては、周りの環境の変化に素早く反応する必要がありますが、その変化に、実はいつも同じパターンで反応していたりします。そのうちの、とある行動パターンや思考パターンによって、結果、自分自身が嫌な思いをしているのなら、すなわち、それは自分らしくないのではないか、ということに気が付くと、急に気持ちが楽になる。-そして、いつの間にか、体の症状も楽になっていることがあるように感じます。 

 今度ネガティブな感情に出会ったら、みなさんもこんなやり方を一度試してみませんか。自分の中で解決できたら、自分自身をたくさん褒めてあげてください。ただ、急を要する身体症状の場合は、もちろん、まずは病院を受診してくださいね。

薬学部6年制の謎

2011年 3月 25日 金曜日

この度の東北地方太平洋沖地震では、被災者の皆様のご心痛をお察しいたします。

災害で亡くなられた方々に対しまして、心からのお悔やみを申し上げます。

東京でも、これまでに経験した事のない地震の大きな揺れに恐怖を実感しました。

当日は、交通機関が麻痺し、帰宅できぬまま会社で一晩を明かしました。

今なお余震は続き、また計画停電の為、電車の運行が連日制限され、通勤も不規則です。

本やテレビでしか見た事のなかった異常事態が目の前にも展開されていることに呆然としてしまいます。

———————————————————————————————————————-

巷では、来春完成の新塔が話題となっておりますが…

薬剤師的には来春誕生する6年制薬学部卒の薬剤師が気になります。

何がどう変わるのか?

そもそも薬学部が6年制になったのは、欧米への追従

米国では、薬剤師は処方を含む慢性疾患の管理、ワクチンの接種等までも担っているそうです。

そして、国民からは最も信頼できる職業とまで評価されたらしい…

日本では現今、そんな高い理想をめざしつつも、

規制緩和により薬科大学が乱立し、偏差値が下がったとか、薬剤師の供給過剰が加速するとか、ネガティブな話題

“2年の差”については、長期実務実習や国家試験の出題数増加等が挙がるも、未だ多くは語られず…

素直に米国に追従したいものです。

概して、新しいものには注目も期待も集まります。

“旧来”の薬剤師として、当面は旧塔と新塔のように、また時には厳しく比較を受けるのでしょう。

今回の地震でも共に直立を維持した(先は少々曲がってしまいましたが)姿を励みにしようと思うような今日この頃です。

image   5519867782_869cfb2d38

薬剤師への相談は大切です!

2011年 2月 25日 金曜日

1

 

この写真は私が以前ルームシェアしていた際に

同居人が貰ってきた、紅一点のマドンナ猫です。

  

活発で好奇心旺盛。それでいて寂しがり屋さん。

帰ってくるとお出迎え、しばらく構ってちゃんに

なり、疲れて眠くなると胸の上に乗っかってきて

寝てしまいます。

…うん、可愛い!!

 

今ではネコが大好きなのですが、

当時犬派だった私がこんなにもネコという動物に、

惹かれるとは思ってもみませんでした。

  

今回のブログを通じて、ネコの魅力、もとい、身近にある薬に少しでも関心を持っていただけたら幸いです。

 

私が調剤業務をしていたのは、そんな子猫ととある地方にて暮らしていた頃のことです。

 2

 

新米薬剤師の私がそろそろ服薬指導にも慣れてきたかなと思っていた頃の話です。

医師、薬剤師への相談ってやっぱり大切だなぁと感じた出来事があったのでご紹介します。

 

風邪の症状を訴える女性の方。

話を伺っていると症状からも適切な処方であり、現在通院されている病院も他に無く、薬も飲んでいないとのこと。服薬指導が済み、そろそろお会計です!と思っていた時に、思い出したように患者さんが口を開きました。

 「そういえば、あの薬ほんとうにシミに効くのかしら?」

 ビタミン剤かなぁなんて思いながら、薬の名前はわかりますか。と尋ねると

 「○○○?だったと思う。最近CMでみたのだけど」

 テレビは見ない方だったので、念のため言われた製品名をインターネットで確認すると、今回処方されている炎症を抑える薬がその市販薬に入っていることがわかりました。

結局、市販薬を一時的に中止してもらうことで解決しましたが、その女性の不意にでた一言がなければ、見過ごしてしまう所だったとかなりドキッとした記憶があります。

 シミに効く薬を飲んでいたのに、病院で出た炎症を抑える薬が同じ成分だった!なんてことはピンとこない方がほとんどだと思います。

 

医療費削減など様々な要因からセルフメディケーションの推進がなされ、より身近になった医薬品。身近にあるものだからこそ今一度見直そうと肝に銘じた出来事でした。

 

皆様も医療機関への受診の際は、身近にあるお薬の事も是非ご相談してみて下さい。

3