「投薬」は薬を投げること?

2011年 1月 4日 火曜日

年が明け、2011年となりました。

あけまして、おめでとうございます。

皆様、良い年を迎えられたことと思います。

 

さて、今回は、『投薬』の語源に触れてみたいと思います。

お医者さんが、患者さんにくすりを投与することを、「投薬する」と言いますが、この言葉の語源には、深い意味があるそうです。

 

遡ること紀元前5世紀頃、お釈迦様が自らの生涯を終えようと沙羅双樹の間に横たわって寝ていたら、母親(摩耶)が雲に乗って釈迦の臨終に雲に乗って駆けつけた。

そして、息子釈迦を救おうと起死回生の霊薬を入れた綿袋を投げ落とした。

しかし、薬袋は沙羅双樹の枝に引っかかり釈迦に届かず、釈迦は亡くなりました。

 

ここから、何とか病を治したいと願ってくすりを与えることを「投薬する」と言うようになりました。

『投薬』には、医療従事者の患者さんを「何とか治したい」という「想い」が込められているのですね。

 

ところで、冬は寒々しく、北風に吹かれ、身体も硬くなり行動も狭くなりますよね。そんな時、ふと庭に咲いている花をみると、身も心も温まりませんか。

少し、冬に咲く花を観てみましょう。

冬の花でよく目にするのは、椿、山茶花、シクラメン、水仙、スミレ、パンジーが挙げられます。

雪の日に椿の真紅の花は、美しいですよね。秘かに好きな人を深く想う気持ちが映っているようです。

  ①椿

シクラメンは、いつからかクリマスやお歳暮の花みたいになりました。香りはないか、ほんの僅かですが、1975年に大ヒットした「シクラメンのかほり」があります。作者は、想いの儚さを詠ったのでしょうか?

  ②シクラメン

 

スミレは、小さい花に色や模様が凝縮されていますね。よく観ると美しいです。

あやふやな記憶ですが、子供のころTVで「スミレとバラの戦争」の話を見ました。

スミレとバラがその美しさを主張しあい、世界が2つに分かれる戦争までになりました。それが神の怒りをかい、神はスミレを小さくして目立たなくし、バラにはとげを与え人から避けられるようになりました。

なんとも、争いの醜さやつまらなさを感じさせられますね。謙虚さは大切です。

  ③スミレ

「くすりのはなし」のはじまり

2010年 12月 13日 月曜日

今回から薬剤師による「くすりのはなし」のコーナーをスタートします。

 

「くすり」について皆様の少しでも役に立つものをテーマにしていきたいと思います。

 
最初は、やはり「くすりの始まり」、起源についてのお話です。
くすりは、国語辞書を見ると、「病気や傷の治療のために、あるいは健康の保持・増進に効能があるものとして、飲んだり、塗ったり、注射したりするもの。医薬品。」と書かれています。

このように現代では、くすりは病気治療や健康維持・増進に使われていますが、何故、くすりと言うのでしょうか?

古代、「霊妙なもの」「特別な能力をあたえるもの」として使われ、「霊妙」「神秘的」の意味の「奇し(くすし)」が始まりとされています。
この他、草根木皮が漢方薬として使われていたため、「草(くさ)」に由来すると言われています。

古代中国の皇帝である「神農」は、百草をなめて「毒か」、「くすり」かを調べたとのことです。
「神農」は、世界最古の薬物書「神農本草経」に名を残しています。

 

話は変わりますが、皇帝と言えばナポレオン。11月初旬に、ナポレオンゆかりのフランス パリ郊外のフォンテーヌブローを訪ねました。

フランソワ1世からルイ15世の代まで使われた城(世界遺産)、そして王族の狩猟場であった広大な森の中にある町です。

城は、かのナポレオン(1世)がこよなく愛し、また、皇帝の座を退く時、バルコニーから親衛隊に別れの挨拶をしたそうです。悔しさが感じられます。

①フォンテーヌブロー

②フォンテーヌブロー

 

 

 

 

 

城に続く森は、整備され、住民の格好の散歩コースとなっています。
一歩足を踏み入れば、黄色に色付いたカエデなどの広葉樹が広がり、足元はまるで黄色の絨毯のようにフカフカし、大きな自然を感じ、足音が詩のような気持ちにさえなります。

   ③黄葉

 町では、毎週、火、金、日曜日に広場でマルシェが開かれます。
野菜、花、きのこ、デザート、魚、肉などのお店があり、驚いたのは肉屋にウサギが裸にされ横たわっていたことです。
買い求めた人の求めで、肉屋の美しく若い店員がナタ包丁で真っ二つに切っていたのは、草食人種の私にはショッキングでした。ホタテとデザートのマロングラッセを買い求めました。少し、フランス人気分が味わえました。

④マルシェ

フランスと言えばパリですが、フォンテーヌブローのような少し田舎も別なヨーロッパを感じられますよ。近くには、ミレーなどの印象派の画家がアトリエを開いていたバルビゾン(写真下左)、日本洋画の礎を築いた黒田清輝が愛し、住んでいたグレー・シュル・ロワン(写真下右)、印象派の画家シスレーが暮らし、生涯を終えたモレ・シュル・ロワン(写真最下)など、森(自然)と町並みが調和した町があります。

⑤バルビゾン   ⑥グレー・シュル・ロワン⑦モレ・シュル・ロワン

 
一番好きな人と寄り添い歩けば、もう、ヨーロッパ・ロマンの世界です。
皆さんも是非、フランス旅行の折に足を運んでみてください。