薬学部6年制の謎

2011年 3月 25日 金曜日

この度の東北地方太平洋沖地震では、被災者の皆様のご心痛をお察しいたします。

災害で亡くなられた方々に対しまして、心からのお悔やみを申し上げます。

東京でも、これまでに経験した事のない地震の大きな揺れに恐怖を実感しました。

当日は、交通機関が麻痺し、帰宅できぬまま会社で一晩を明かしました。

今なお余震は続き、また計画停電の為、電車の運行が連日制限され、通勤も不規則です。

本やテレビでしか見た事のなかった異常事態が目の前にも展開されていることに呆然としてしまいます。

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巷では、来春完成の新塔が話題となっておりますが…

薬剤師的には来春誕生する6年制薬学部卒の薬剤師が気になります。

何がどう変わるのか?

そもそも薬学部が6年制になったのは、欧米への追従

米国では、薬剤師は処方を含む慢性疾患の管理、ワクチンの接種等までも担っているそうです。

そして、国民からは最も信頼できる職業とまで評価されたらしい…

日本では現今、そんな高い理想をめざしつつも、

規制緩和により薬科大学が乱立し、偏差値が下がったとか、薬剤師の供給過剰が加速するとか、ネガティブな話題

“2年の差”については、長期実務実習や国家試験の出題数増加等が挙がるも、未だ多くは語られず…

素直に米国に追従したいものです。

概して、新しいものには注目も期待も集まります。

“旧来”の薬剤師として、当面は旧塔と新塔のように、また時には厳しく比較を受けるのでしょう。

今回の地震でも共に直立を維持した(先は少々曲がってしまいましたが)姿を励みにしようと思うような今日この頃です。

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薬剤師への相談は大切です!

2011年 2月 25日 金曜日

1

 

この写真は私が以前ルームシェアしていた際に

同居人が貰ってきた、紅一点のマドンナ猫です。

  

活発で好奇心旺盛。それでいて寂しがり屋さん。

帰ってくるとお出迎え、しばらく構ってちゃんに

なり、疲れて眠くなると胸の上に乗っかってきて

寝てしまいます。

…うん、可愛い!!

 

今ではネコが大好きなのですが、

当時犬派だった私がこんなにもネコという動物に、

惹かれるとは思ってもみませんでした。

  

今回のブログを通じて、ネコの魅力、もとい、身近にある薬に少しでも関心を持っていただけたら幸いです。

 

私が調剤業務をしていたのは、そんな子猫ととある地方にて暮らしていた頃のことです。

 2

 

新米薬剤師の私がそろそろ服薬指導にも慣れてきたかなと思っていた頃の話です。

医師、薬剤師への相談ってやっぱり大切だなぁと感じた出来事があったのでご紹介します。

 

風邪の症状を訴える女性の方。

話を伺っていると症状からも適切な処方であり、現在通院されている病院も他に無く、薬も飲んでいないとのこと。服薬指導が済み、そろそろお会計です!と思っていた時に、思い出したように患者さんが口を開きました。

 「そういえば、あの薬ほんとうにシミに効くのかしら?」

 ビタミン剤かなぁなんて思いながら、薬の名前はわかりますか。と尋ねると

 「○○○?だったと思う。最近CMでみたのだけど」

 テレビは見ない方だったので、念のため言われた製品名をインターネットで確認すると、今回処方されている炎症を抑える薬がその市販薬に入っていることがわかりました。

結局、市販薬を一時的に中止してもらうことで解決しましたが、その女性の不意にでた一言がなければ、見過ごしてしまう所だったとかなりドキッとした記憶があります。

 シミに効く薬を飲んでいたのに、病院で出た炎症を抑える薬が同じ成分だった!なんてことはピンとこない方がほとんどだと思います。

 

医療費削減など様々な要因からセルフメディケーションの推進がなされ、より身近になった医薬品。身近にあるものだからこそ今一度見直そうと肝に銘じた出来事でした。

 

皆様も医療機関への受診の際は、身近にあるお薬の事も是非ご相談してみて下さい。

3

赤いくすりの話

2011年 2月 1日 火曜日

“良薬は口に苦し”とか言っても、誰だって苦い味、まずい味は嫌いです。

・・・でも、薬は美味しくない方が良いかもしれませんよ?

 

昔々、病院に行った幼稚園児(つまり私)に、先生は「赤いシロップ」を処方してくれました。

きれいな「いちご色」、目がクギ付け。夜、スプーンで飲ませてもらった味に「わぁ~ おいしいっ!」

心ウキウキ、至福の時。一瞬でシロップの虜です。

 

「これは薬でジュースじゃない」と親は言ったそうですが、子供の耳をあっさりスルー。

“美味しい味”ならノープロブレム。その子は、そんなザックリした性格でありました。

 

ちょっとちょっと?!

そんなに美味しいシロップ、ありましたっけ? 聞いたことないのですが?

・・・はい、確かに。

 たぶん、味や香りが大好きなアメに「少しだけ似ていた」せいだと思います。

 

さて、心ウキウキ薬の時間。でも飲めるのは毎回スプーンでちょっぴりだけ。

スプーンは親が握ってます、でも、もっと飲みたいです。でもでも、シロップは高い棚の上...。

 

親がいない隙に、当然のようにお宝ゲットに奮闘。飛んだり跳ねたり、オモチャを放り投げたり。

偶然にもシロップのボトルは棚から落ち、子供は固く閉まったフタを歯でくわえて開け(もはや野生児)、幸せにクピクピと飲み干したことは言うまでもありません。

 

しばらくは赤いシロップを味わう日々でしたが、いつの間にか薬の時間はなくなっていました。

 

赤いシロップは【アリ○ジン】という名前でした。

当時の園児は薬剤師となり、薬の危険性を十分に学習。

薬を飲み干した過去を思い出し、「あぁ、薬の味は美味しくちゃいけないんだ! まずい味くらいがいいんだ!」と痛感。

“まずい味”に、安易な服薬や過量服薬を防止する役目があることを理解したのでした。

 

補足:

死んだように眠る子供と、転がる空っぽのボトル...。

親は仰天しDrに連絡。そこで、『カキ氷用のイチゴシロップ』が、「当時の」のアリ○ジンと味・香りともにそっくりであることを知ったそうです。

 

つまり、ある時点から、イチゴシロップと薬を交互に飲まされていたということでした。

親に聞かされ「えぇ?!そうだったの?!」

・・・この衝撃・・・思わず苦笑です。