お薬手帳のおはなし

2021年 9月 1日 水曜日

皆さんは、お薬手帳はお持ちでしょうか?

病院や薬局を利用すると必ずと言って良いほど聞かれると思います。

持っていない方、各施設で作ってしまい何冊も持っている方、持っているが必要性がいまいちわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はお薬手帳の役割についてお話しします。

医薬品には膨大な数の種類があります。さらに現在はジェネリック医薬品といって同じ成分、同じ効能なのに違う名称で販売されている薬も数多くあります。

複数の病院からそれぞれ薬を処方してもらうと、時々同じ成分の薬や、同じ効能の薬、さらには違う症状に対する薬同士で相性が悪く、一緒に飲んではいけない組み合わせなどが出てくることがあります。このような組み合わせをそのままにしていると、想定以上の効き目が現れたり逆に効き目が現れなかったりといったことが起きてしまいます。

そうならないために、複数の病院で処方された薬をまとめて管理できるのがお薬手帳です。さらに薬の内容だけではなく、アレルギー歴や副作用歴を自分で書けるので、薬物治療をより安全に行うことができます。

また、お薬手帳は災害時にも役立ちます。災害時にはかかりつけの病院にいけるとも限りませんし、電気が止まるとカルテを見ることも困難です。各医療施設へ医薬品を安定供給することもできなくなるため、数少ない薬の中で代わりとなる薬を処方することになります。そんなときにも、お薬手帳があれば既往歴やいつも服用している薬を知ることができます。

災害が多い現代、いつ自分が被災者になるかわかりません。日常の薬剤管理のためだけでなく、災害の備えにもお薬手帳はとても重要なツールです。ぜひ1冊持って頂けたらと思います。

緑内障と治療薬のおはなし

2021年 8月 15日 日曜日

本日は緑内障のおはなしをしたいと思います。

 

緑内障は日本の中途失明の原因として常に上位を占める疾患の一つです。

 

緑内障には開放隅角緑内障閉塞隅角緑内障の2種類があります。日本人に多いのは開放隅角緑内障であり、そのうち正常眼圧緑内障がほとんどを占めると言われています。

 

緑内障治療薬は眼圧を低下させる作用があり、作用機序は房水産生抑制と房水流出促進に分けることができます。ここでは使用されることの多いお薬を取り上げてご紹介していきたいと思います。

 

 

房水産生抑制薬

β受容体遮断薬:チモロール、カルテオロール、ベタキソロールなど。

毛様体に存在するβ2受容体を遮断することで、房水産生を抑制します

薬剤によっては全身性の副作用が発現することがあるため、気管支喘息やコントロール不十分な心不全の患者さんなどには禁忌となっています。

 

炭酸脱水酵素阻害薬:アセタゾラミド、ドルゾラミド、ブリンゾラミドなど。

毛様体上皮の炭酸脱水酵素を阻害して房水産生を抑制します。

利尿作用があるため、内服薬は就寝前の使用は避けるようにしましょう。

 

 

房水流出促進薬

プロスタグランジン製剤:ラタノプロスト、トラボプロスト、タフルプロストなど。

主にぶどう膜強膜流出路からの房水流出を促進する働きがあります。

長く使用を続けていると眼瞼色素沈着やまつげが濃くなる、虹彩色素沈着などの副作用がでることがあります。点眼後に目の周りに付着した点眼液をしっかりふき取るようにしましょう。

 

 

また緑内障の患者さんには眼圧上昇を起こす薬の使用に注意が必要です。

眼圧を上昇させる薬には、抗コリン薬や抗不安薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬などがあります。特にOTC医薬品のかぜ薬には交感神経刺激作用や抗コリン作用を有する成分が配合されていることも多いため、緑内障の患者さんには市販の風邪薬を購入するときには医師や薬剤師に必ず相談するようにお話しておくと安心です。

桃についてのおはなし

2021年 8月 1日 日曜日

日中の気温もどんどん上がり始め、暑い季節が近づいてきました。

 

 

昨年から、家にいる時間が長く、おいしいものを食べることが楽しみの1つとなっているのですが、今回は、その暑い時期6月~9月頃に旬を迎えるについてのおはなしです。

 

甘くてみずみずしい桃ですが、おいしいだけではなく、様々な良い効果があるようです。

 

桃は、食物繊維やカリウムなどを多く含みますが、食物繊維にはペクチンという成分を含み腸の働きを高め、腸内環境を整える効果があると言われています。

また、ペクチンには、血糖値の上昇やコレステロール値の上昇も抑える働きがあるようです。

 

カリウムは体内にある余分なNaの排泄も行うため、むくみなど改善にもつながります。

 

また、桃は生薬としても使われています。

桃を食べた後に硬い種のような核が残りますが、その中の種子を乾燥させたものが、生薬の「桃仁」です。

その種子には、駆於血の作用があり婦人科系の諸症状に用いられます。

桃仁を含む漢方処方としては、桂枝茯苓丸や桃核承気湯などがあります。

 

まだまだ遠出はできず、家の中で過ごす時間が多いですが、旬のおいしいものでも食べて元気に過ごしたいですね。

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