舌下免疫療法について

2021年 7月 15日 木曜日

アレルギー疾患に悩む人は増加しています。

アレルギーの原因物質となる「アレルゲン」は非常に種類が多く、主なものとして、

花粉・ペットの毛・ダニ・ハウスダスト

などがあります。

 

有名なものとして、スギ花粉症や、ダニアレルギー性鼻炎などがあります。

スギ花粉症と、ダニアレルギー性鼻炎には、治療法の1つにアレルゲン免疫療法があります。

症状を抑える薬物療法(対症療法)と違い、根本的な体質改善を期待できるのがアレルゲン免疫療法です。

アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、長期にわたって症状を抑えたり、和らげることができます。

近年では、アレルゲンを含む治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で服用できるようになりました。

 

今日はこの「舌下免疫療法」についてお話したいと思います。

 

  • 対象となる患者さん

スギ花粉症、又はダニアレルギー性鼻炎の確定診断を受けた方

  • 使い方

アレルゲンを含む治療薬を、1日1回、舌下に定められた時間保持した後、飲み込む。

その後5分間は、うがいや飲食を控える。

ちなみに、ショック・アナフィラキシー等の発現に備え、初回は医師の監督のもと投与し、30分間は安静にする必要があります。

  • メリット

治療終了後の効果の長期の持続、治療薬の減量、QOLの改善

  • デメリット

・長い治療期間(最低2年以上、3年以上が推奨)

・即効性はない(効果発現まで2~3ヶ月)

・100%効果が現れるわけではない

・副作用の可能性もあり

 

「舌下免疫療法」を受けるには専門の知識を持ったお医者様の診察が必要です。

相談できる医療機関の情報は、インターネットからも調べられます。

また、スギ花粉症の舌下免疫療法はスギ花粉飛散時期には開始することができません。

もし、気になる方は、今のうちにご相談を。

飲み物と薬について

2021年 7月 1日 木曜日

薬は水で飲むのが良いと言われていますが、なぜなのでしょうか。

それは薬と飲み物が相互に作用し合い、薬の吸収や効果に差が出てしまうからです。

今回は薬と飲み物の相互作用について、いくつか紹介していきます。

牛乳

医薬品例)抗生物質(テトラサイクリン系、ニューキノロン系)、ビスホスホネート製剤(骨粗鬆症の薬)

牛乳は金属元素のカルシウムが含まれており、カルシウムが薬と結合しキレート錯体を形成します。

その結果体への吸収が低下し、作用が減弱します。

 

グレープフルーツジュース

医薬品例)Ca拮抗薬(高血圧治療薬)、スタチン系(高脂血症治療薬)の一部など

グレープフルーツジュースに含まれているフラノクマリン類が、小腸での薬の代謝を阻害し体内の薬物血中濃度を上昇させます。すると薬の作用が強く出てしまいます。またこの相互作用は数日間続くといわれています。

 

オレンジジュースや柑橘系ジュース、炭酸飲料、コーラ

酸性の性質を持つ飲み物はさまざまな薬と相互に作用します。

医薬品例)クラリスロマイシンドライシロップ製剤(抗生物質)

クラリスロマイシンは苦みが強いため、ドライシロップ製剤では苦みを和らげるコーティングがしてあります。しかし酸性の物質が作用するとコーティング効果が消失し、苦みが増します。

 

医薬品例)ニコチンガム(禁煙補助薬)

飲料により口腔内が酸性に傾き、塩基性であるニコチンの吸収が低下します。

 

 

今回は飲み物が薬の効果に影響する組合せの一部を紹介しました。

もちろん、全ての場合に影響が出るわけではないので、医師や薬剤師に相談してみましょう。

このように飲み物の影響を受ける薬はたくさんあります。そのため薬を飲む際はコップ1杯の水で飲むことをお勧めしています。

おくすりの剤形のおはなし

2021年 6月 15日 火曜日

こんにちは。だんだんと暖かくなり、気持ちのよい季節となりつつありますね。

私の最近としましては、散歩もかねて、近場のおいしいものを巡って楽しんでいます。

皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

さて、今日は おくすりの剤形 についてお話させていただきたたいと思います。

 

お薬には様々な剤形があり、それによって服用方法も異なります。

今日はたくさんあるうちのいくつかの剤形について、お話させていただきますね。

 

 

 

<☆彡 以下の2つは唾液又は水で飲み込むことで、腸から吸収され効果を発揮するおくすりです。>

 

  • 口腔内崩壊錠(OD錠)

口の中に入れるとシュワっと溶けるので、水がなくても飲み込むことができます。高齢者の方など、錠剤を飲み込むのが困難な方に適しているため、最近多く用いられている剤形です。

 

  • チュアブル錠

口腔内でかみ砕いてから飲み込むおくすりです。一般的な錠剤は、かみ砕いてはいけませんが、チュアブル錠はかみ砕くことで服用しやすくなっています。

 

 

 

<☆彡 以下の3つは口腔内に適用することで、口腔粘膜から吸収され効果を発揮するおくすりです。>

注意:飲み込むおくすりではありません

 

  • 舌下錠

名前のとおり、舌の裏に置き、唾液で速やかに溶け出すおくすりを舌下粘膜から吸収します。服用後数分で効果が期待できるため、狭心症の発作の治療などで用いられます。

  • バッカル錠

上顎の奥歯の歯茎と頬の間に挟み込むことで、唾液で徐々に溶け出すおくすりを粘膜から吸収します。錠剤を飲み込むことが難しい患者さんの、疼痛コントロールなどに使われます。

 

※上奥歯の歯茎を頬の間に挟み込むように置きます。そのまま置いておくと自然に溶けて粘膜から吸収されます

 

  • 付着錠

口内炎などにおくすりを直接付着させて粘膜から吸収し、治癒を促します。口内炎の治療などで使われます。

 

 

いかがだったでしょうか。初めて聞く服用方法もあったかもしれませんね。

皆様や皆様のご家族の方などが服用される際に、ご参考になれば幸いです。

 

ぜひ皆様、今後とも体調にお気をつけくださいね。

おいしいものを食べて、リフレッシュしながら頑張りましょう~♡

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