スキンケアはお風呂上りに

2021年 11月 1日 月曜日

スキンケアをお風呂上りにするのは、当たり前のことと認識されているかもしれません。

他にもタイミングとして、日中の紫外線があたるとき、寝る前などがあるかもしれませんが、「スキンケアはお風呂上り」にされる方が多い。

なんで?(・・?

今回は皮膚についてです。

まずは、皮膚の状態をみていきましょう。

下図は、皮膚の模式図です(図の上が身体の外側、下が内側)。

人の身体の表面は、角質層に覆われています。

角質層は、ウイルスや雑菌などの外敵から生体を守るバリアの役割を担っています。そのため、通常、物質は角質層を通りにくくなっています。

皮膚内に化粧水成分などをより浸透させるには、バリアである角質層を壊してしまえばよいのです。

では、どうやって皮膚を壊しますか?

ナイフで切る??痛いですね…血が出ますね…壊しすぎですね。

もっと痛みがなく、角質層を壊す方法があります。

それが「入浴」です。

お風呂上りは、手のひらが「しわしわ」になっていますね。あれは、角質層が水を含んで膨れ上がっている状態なのです。すなわち、角質層が壊されているのです。

ナンダッテェ━━━━━( ゚A゚;)━━━━━!!?

『角質層壊れている状態=物質浸透チャンス』です。

自信をもって塗りましょう

ちなみに、お風呂上りは角質層が破壊されているため、体内の水分も皮膚から蒸発しやすい状態になっています。お風呂上りに肌が乾燥しやすいのはそのためです。

お風呂上がりの肌の状態は、乾燥しがちで、成分を浸透させやすいため、スキンケアを行うタイミングとして最適といえます。

医薬品の投与経路として、皮膚投与があります。

主に貼り薬や塗り薬が該当しますが、いまの原理を利用した投与方法があります。

それは、「密封療法」です。ODT(occlusive dressing technique)療法ともいいますね。

密封療法とは、皮膚におくすりを塗って、その上をプラスティックフィルム等で覆ってしまう方法です。すると、お風呂上りと同じ状態を作ることができます。

絆創膏をはがしたら、皮膚が白くなって「しわしわ」になっていたことはありませんか?あの状態です。

密封療法を行うと、薬物の吸収が高まり、より強い効果が期待できます。しかし、同時に副作用の危険性が高まるとも言えます。

そのため、密封療法を禁止しているおくすりもありますので、勝手にやってはいけません。

専門の先生のご指示に従うのが一番ですね。

お魚のはなし

2021年 10月 15日 金曜日

秋も深まり、食欲の季節ですね。

秋の旬の魚といえば秋刀魚ですが、今年は召し上がられたでしょうか?

今回はお魚についてお話します。

お魚にはたくさん栄養素が含まれており、

今回は代表的なものを紹介していきたいと思います。

○タンパク質

3代栄養素の1つで、筋肉・内臓・皮膚・爪・毛髪などをつくる栄養分です。

タンパク質を構成しているアミノ酸は20種類あり、その中でも必須アミノ酸は食事でとる必要があるので食事でタンパク質をとることは大事です。

○カルシウム

特に小魚に多く、骨や歯にとって大切な栄養素です。

将来骨がもろくなる骨粗しょう症の予防のためにも摂取することが大切です。

○DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)

DHA、EPA共に高度不飽和脂肪酸です。

血液をサラサラにしてくれるので、高脂血症や動脈硬化を防ぎ、様々な生活習慣病の予防に役立ちます。

現代の日本では魚の消費量が年々減少しています。

しかし島国という利点を生かし色んなお魚を食べることができるので、積極的に食べましょう。

それでは最後に、旬のお魚で代表的なものをお伝えします。

:サワラ、ニシン、ワカサギ、メバル

:ウナギ、ハモ、メバチマグロ

:サンマ、アジ、アマダイ

:タラ、カレイ、ブリ、カキ、ヒラメ

旬のお魚は漁獲量も多くお安く食べることができ、栄養価も高いので

季節を感じて色んなお魚を食べましょう。

糖尿病のはなし

2021年 10月 1日 金曜日

糖尿病とは血糖の高い状態が続くことにより、血管に障害が生じる病気です。

細い血管に起こる障害と太い血管に起こる障害があります。

細小血管障害(細い血管に起こる障害)

・糖尿病性神経障害

・糖尿病性網膜症

・糖尿病性腎症

大血管障害(太い血管に起こる障害)

・脳血管障害

・虚血性心疾患

・閉塞性動脈硬化症

細小血管障害は「しめじ」の順番に発症することが多いと言われており、「し」は神経障害、「め(目)」は網膜症、「じ」は腎症です。すべての患者さんで順番にこれら合併症が出るわけではありませんが、だいたい神経障害は5年以内、網膜症は10年以内、腎症は15年以内に発症すると言われています。

大血管障害は糖尿病特有のものではありませんが、高血糖が続くと動脈硬化が加速して発症しやすくなります。

糖尿病治療の目的は、糖尿病があっても血糖をコントロールして、糖尿病がない人と同じ健康寿命を保つこと(健康日本21より)とされており、血糖コントロールをするために以下のことが重要です。

  • 食事療法

朝・昼・夕食を規則正しく食べ、栄養のバランスを考えることが大切です。各個人に適正な1日に必要なエネルギー量を摂取しましょう。

最近では糖尿病患者さん用の宅配弁当もあるので、うまく活用しましょう。

  • 運動療法

運動することにより血糖を下げるインスリンの効果が発揮しやすい状態になります。有酸素運動と筋力トレーニングをバランスよくしましょう。薬物療法を受けている患者さんで急激に激しい運動をすると、低血糖を招く恐れがあるので主治医と相談して行いましょう。

  • 薬物療法

糖尿病治療薬の開発が進み、最近では色々なタイプの薬があります。

・経口血糖薬:スルホニル尿素(SU)薬、速効型インスリン分泌促進薬、DPP-4阻害薬、

α-グルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬、ビグアナイド薬、

       チアゾリジン薬

・注射薬:インスリン、GLP-1受容体作動薬

高血糖状態が続くとQOLの低下や予後不良を招くことになります。糖尿病とうまく付き合うために食事・運動療法をしっかり行い、薬物でうまくコントロールしましょう。