花粉症シーズンによく見かける漢方薬のおはなし

2021年 4月 15日 木曜日

薬局に勤めていた頃に患者さんから「眠くなるのは困るから、先生に相談してみたんです」という声を何度か聞いたことがありました。

その時によく見かける漢方薬が『小青竜湯』でした。

漢方薬の多くは生薬を幾つも配合されたもので、私がどの生薬にどういう風に効くのか分からず、その時調べた事を皆様にも共有できたらと思います。

まず、小青竜湯を構成している生薬は麻黄、桂皮、芍薬、半夏、五味子、細辛、乾姜、甘草の8つです。

各生薬の特徴や働きを簡単に紹介します。

麻黄はエフェドリンを含有し、咳を鎮め発汗作用があります

桂皮は体を温め弱い発汗作用があるとされる生薬です

芍薬はぺオニフロリンを含有し痛みを和らげる効果があります

半夏は体内の水分バランスを改善する利水作用があるとされています

五味子は酸味のある生薬で咳や痰改善する効果があるとされています

細辛は利水作用があり、去痰や鎮咳作用があるとされています

乾姜は散寒作用があり、体を温める作用があるとされています

甘草はグリチルリチンを含有し抗炎症作用があります

このような生薬が配合されており、水っぽい鼻水がでる人に用いられています

漢方薬は効き目が遅いというイメージを持たれる方もいらっしゃると思いますが、小青竜湯は効果発現が早い漢方薬です。私が実際に服用した時は服用後1時間後には鼻水の症状を忘れていました。(これはあくまで個人的な感想であり、実際は個人差があります)

また鼻詰まりや蓄膿症のようなタイプの花粉症に使われるのが『葛根湯加川芎辛夷』というお薬です。

この漢方薬は葛根湯に川芎と辛夷の2つ生薬を加えた漢方薬です。この2つの生薬が加わることで、鼻の通りをよくするため、粘性のある鼻水や鼻づまりがある人に用いられます。

花粉症で鼻水にお悩みの方は体質や症状に合わせてセルフメディケーションとして漢方薬を使用してみてもいいかもしれません。漢方薬は症状だけではなく、個人の体質によってお薬を選ぶため、自身にあったお薬を選ぶためにも、専門の薬剤師などへ相談してみましょう。

桜のおはなし

2021年 4月 1日 木曜日

年度も切り替わり、空気もめいてきました。

今年は桜の開花が例年に比べて早く、3月に開花を迎えた地域も多いようです。

皆さんも一度はお花見をしたり、通勤や通学中見かけたりと、

桜はこの時期とても馴染み深いものかと思います。

 

今回はそんなについてのお話です。

 

日本では桜を様々なものに使用してきた歴史があります。

桜の種類もたくさんあるのですが、それぞれ用途によって使い分けられています。

 

例えば

八重桜の花は塩漬けして桜茶に、

オオシマザクラの葉は桜餅に巻いて使用されています。

ヤマザクラは燻製を作るときに使用する桜チップなどにも使用されています。

 

そんな桜も古くから薬として使われている歴史があるのをご存じですか?

一説によると、江戸時代から使われていたという話もあるそうです。

 

薬として使用されるのは主にヤマザクラまたはカスミザクラ桜の木の皮で、

効能は

鎮咳(咳止め)

去痰(痰切り)

といったものが広く知られています。

 

その他にも

解毒

排膿(膿を出す)

などの効果があるとされており、漢方薬に配合され利用されたりもしています。

 

今年は新型コロナウイルス流行に伴いお花見などを開催する機会は

残念ながら減ってしまっている事も多いかと思いますが、

感染対策をして桜を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

片頭痛のおはなし

2021年 3月 15日 月曜日

日本人の8.4%、およそ840万人が片頭痛に悩まされていると言われています。

私もその中の1人で、市販の鎮痛薬を常備しています。

片頭痛は頭痛の中でも一次性頭痛(明らかな基礎疾患のない慢性の頭痛)に分類されます。他にも一次性頭痛の代表的なものとして緊張型頭痛群発頭痛があります。

いずれも時々寝込んでしまうほど辛い症状の人もいれば、日常生活に支障がほとんど無い人もいて、痛みの程度は個人差があります。

片頭痛には性差があり、男性より女性のほうがなりやすいと言われています。理由ははっきりとは分かっていませんが、女性ホルモンが影響していると言われています。

〈症状〉

・こめかみの辺りが脈とともにズキンズキンと痛みます。

・頭の片側が痛むことがほとんどですが、両側痛むこともあります。

吐き気や嘔吐を伴うことがあります。

強い光や大きな音で頭痛がひどくなることがあります。

・前ぶれ(前兆とも言います):目の前がチカチカする などがあります。

 

〈原因〉

食事や睡眠不足、ストレス、天候の変化、光、タバコの煙

仕事や人間関係、家庭問題などの心理的ストレス など

 

〈治療〉

・軽度~中等度:消炎鎮痛薬

・中等度以上または過去に消炎鎮痛薬が無効:片頭痛治療薬

 

心理的ストレスが原因になっている場合は、抗うつ薬、精神安定剤などの服用で軽減することもあります。

 

片頭痛治療薬について

・トリプタン系薬剤:スマトリプタンなど

・エルゴタミン製剤

いずれも服用に際しては飲み合わせ、服用量、服用タイミングなどに注意が必要です。医師または薬剤師の指示に従って正しく服用するようにしましょう。

 

 

 

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