服用中のお薬のおはなし

2020年 10月 15日 木曜日

調剤薬局でお薬をもらう際、市販薬、健康食品、サプリメント、食品など定期的に服用しているものを聞かれると思いますが、きちんとお伝えしていますか?

 

 

 

 

 

医療用医薬品には市販薬、健康食品、サプリメント、食品と相互作用のあるものが多々あり、それらを同時に服用すると薬の効果を弱めたり、強めたりします。

 

私が過去に経験した事例に

ワルファリンカリウム(抗凝固剤)を服用中の患者様の薬の効き目が悪く、患者様へ聞き取りを行ったところ、自身の健康のためにと毎朝パセリ、抹茶粉末、数種類の野菜をミキサーにかけ自家製のドリンクを作って飲んでいることがわかりました。

 

パセリ、抹茶粉末にはビタミンKが多く含まれており、ビタミンKはワルファリンカリウムの効果を減弱させることがあることから自家製ドリンクが薬の効き目を悪くしている可能性が考えられました。

ワルファリンカリウムは一般的に納豆、青汁、クロレラの摂取は避け、緑黄色野菜や海藻類は大量に摂取しなければそこまで影響することないと言われています。

この件は医師に連絡し、解決しましたが、患者様が自身のためと思って服用されているものが治療や身体に大きく影響する可能性があります。

 

新しい薬が処方された時や新たに健康食品やサプリメントを服用しようとしている方は医師や薬剤師に併用についてご相談下さい。

 

栄養剤のおはなし

2020年 10月 1日 木曜日

季節や環境が変わり、体調を崩しがちな時期です。

疲れや風邪で身体がだるい、そんな時のもう一踏ん張りに栄養剤を選んでいませんか?

ドラッグストアやコンビニで手軽に買えるこの栄養剤、選び方によっては健康を損なう可能性もあることをご存知でしょうか。

その例や理由について、以下でご紹介いたします。

 

 

①病気を助長してしまう

 

・糖尿病

→栄養剤のカロリーのほとんどが糖分

血糖値を上昇させてしまう一因となりえます。

 

・各種検査

ビタミンCにより尿検査やがんの検査に影響が出る可能性もまれにあります。

本来見つかるはずの病気の発見を隠してしまうなど、正しい結果が得られなくなることも。

検査を控えている場合は摂らない方が良いケースがあります。

 

 

②薬の効果を邪魔してしまう

 

・抗生剤、骨粗しょう症のお薬

→カルシウムやマグネシウムが含まれている場合、薬の作用が減弱するケースがあります。

 

・パーキンソン症治療薬

→ビタミンBが薬の作用を減弱させてしまうものもあります。

 

・心臓のお薬

→カンゾウやカルシウム、エゾウコギが含まれている場合、お薬の副作用や中毒が出やすくなる場合があります。

 

 

 

③疲れた身体に無理をさせてしまう

 

風邪で辛い時、栄養ドリンクを飲むと少し身体が楽になります。

それは回復したためではなく一時的に身体に無理させている場合も。

カフェインの入っていないなど、成分について注意しましょう。

 

自分に合ったドリンク剤選び、ぜひ薬剤師等にご相談してみてください。

 

 

 

歯と身体の健康の関係のおはなし

2020年 9月 15日 火曜日

【お口の健康も、実は大事】

毎年、学校や職場、自治体から健康診断のお知らせを受け取り、受診する方は多いと思います。

一方で皆さんは、定期的に歯の健康診断も受けていますか?

歯科検診受診率は、一般に身体の検診受診率に比べ低いと報告されているそうです。

 

今回はそれに関連し、「歯と身体の健康の関係」についてお話しします。

というのも、近年、一見別々に見える「身体の健康」と「歯の健康」が、実は従来考えられていた以上に密接なつながりを持っていた、という報告が相次いでいるからです。

くすりの話ではないのですが、ちょっと目先を変えてお付き合いいただけると幸いです。

 

【お口の健康と病気】

たとえば最近までに、様々な研究から、以下のような病気が、歯の健康と関連があるようだということがわかってきました。

①冠状動脈性心疾患

心臓に血液を供給する、心臓の周りの血管を「冠状動脈」といいます。歯周病の患者さんは、この血管が詰まるなどする病気=「冠状動脈性心疾患」を発症するリスクが、健常者と比べ、1.2倍程度高まると言われています。原因は、血流にのって冠状動脈にやってくる歯周病原性細菌と考えられています。

②糖尿病

血糖値が高い状態が続き、全身に悪影響がある「糖尿病」。一般に糖尿病患者さんは感染症にかかりやすく、実際、多くの患者さんに重度の歯周炎も見られるとのことです。歯周病の炎症の場で産生される炎症性の物質(サイトカイン)が、血糖値を低下させるために重要な「インスリン」の効きを悪くしてしまいます。その結果、患者さんは血糖のコントロールが一層難しくなってしまう、という悪循環に陥るのです。このことから、歯周病のある糖尿病患者さんは、歯周病治療を行ってお口の炎症を抑えることにより、血糖コントロールを改善できる可能性があるそうです。

 

③誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

唾液中の細菌などが気管から誤って肺に入りこみ、感染症をおこすのが「誤嚥性肺炎」。特に、飲み込む力や咳反射が低下した、ご高齢の方に多く見られます。この病気の患者さんを調べると、多くの方から歯周病原性細菌が見つかっています。高齢者に口腔ケアを行い、お口の衛生を保って歯周病原性細菌を減らすと肺炎の発症率が下がることが報告されています。

 

④骨粗しょう症

骨量が減少して、もろく折れやすい骨になってしまう「骨粗しょう症」。ご高齢の女性に多く見られる病気として多くの方が治療されています。歯周病になった歯肉で生じる炎症性物質(サイトカイン)の中に、歯の喪失や骨密度の減少に関係するものがあるのではないか、という研究報告があり、詳しい解明が待たれています。また、骨粗しょう症の人が歯周病にかかると、骨の病状が進行しやすくなる可能性が知られています。

 

⑤早産・低体重児出産

骨粗しょう症がご高齢の女性に多いのですが、若い女性も油断できません。若い女性が注意すべきなのが「早産・低体重児出産」。最近では、歯周病にかかった妊婦さんに低体重児出産が起きるリスクは、健常者のおよそ4.3倍と言われているそうです。妊娠中はホルモンの変化などによって歯茎の炎症が起こりやすくなり、歯周病になる人も少なくないといわれています。歯茎の炎症部位で生じた歯周病原性細菌や炎症物質(サイトカイン)が、血流に乗って子宮に到着すると、子宮筋の収縮を引き起こして早産や低体重児出産になる可能性があるとのことです。

 

このように、一見それほど関係なさそうな、お口の健康と体の健康が、実は回りまわって結びついていることが明らかになってきています。

 

では、具体的にはどのようにお口の健康を守っていくのが良いでしょうか。

口腔内の健康を守る活動は、近年、歯科医師さん・歯科衛生士さんたちの努力で、充実してきています。特にインターネット環境がある場合は、容易に専門家の情報にアクセスできます。

様々な活動があるのですが、今回は、日本人のながーい生涯を見据えた口腔ケア運動を一つご紹介します。

 

【8020(ハチ・マル・二イ・マル)運動とは?】

この運動は、1989年に厚生省(当時)と日本歯科医師会が提唱して開始された、歯の健康を生涯守っていくことを啓蒙する運動が発端となったそうです。

厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット 歯・口腔の健康」によると、8020運動とは、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。このサイトでは、以下このように続きます。

「8020」のうち、「80」は男女を合わせた平均寿命のことで「生涯」を意味します。

一方「20」は「自分の歯で食べられる」ために必要な歯の数を意味します。今までに行われた歯の本数と食品を噛む(咀嚼)能力に関する調査によれば、だいたい20本以上の歯が残っていれば、硬い食品でもほぼ満足に噛めることが科学的に明らかになっています。

8020運動とは. e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-01-003.html . 厚生労働省.2020

なお、すでに20本を下回っている人も、がっかりするにはまだ早いのです。自分の歯を20本残したほうが良い場合もあれば、そうでない場合もあるとのこと。義歯でもきちんと噛めている人は健康状態が高いという調査結果もあるので、気になる方は歯科の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに、大人の歯の総数は、親知らずを含めて32本、含まなければ28本です。

 

最後に、参考までに、あなたの年齢・性別・歯みがき状況などを選べば歯みがきの注意点を教えてくれるサイトをご紹介します。

日本歯科医師会ホームページ

「正しい歯みがきができていますか?あなたにぴったりな歯の磨き方を探してみよう!」   http://www.jda.or.jp/hamigaki/index.html

 

お口の衛生は健康への第一歩!ということで、皆さんも、ご自分にあった歯みがき習慣を探してみてはいかがでしょうか。