虫さされに対するお薬のおはなし

2020年 8月 1日 土曜日

季節も夏に入り、昼夜問わずじんわりと汗をかく季節になってきました。

そんな時彼らはやってくる!今回は「虫さされに対するお薬のおはなし」をさせて頂きます。

 

虫さされといっても一概には言えず、中には勝手な処置で悪化したり、医療機関の受診が必要となったりすることもあります。今回は主に蚊などのセルフメディケーションで対応できる虫さされについてご紹介します。

 

虫さされ用として販売されている市販薬には主に以下のような成分が含まれています。

・ステロイド剤

かゆみ、はれ、赤みの元である炎症を抑える効果。

・抗ヒスタミン剤

かゆみの元であるヒスタミンを抑える効果。

・局所麻酔剤

かゆみの伝導を止めて、かゆみを抑える効果。

・その他

殺菌作用のある成分、清涼感のある成分、ステロイド以外の炎症を抑える成分など。

 

夏になると各家庭に1つは用意されている虫さされ用のお薬ですが、実は上記の成分の配合がそれぞれ異なります。かゆみ・はれ・赤みなどの症状の違いやアレルギーの有無などでも使い分けが必要なので、お求めの際はぜひ薬剤師に聞いてみて下さい。

 

余談ですが、パッケージに“虫さされ用”と書いていなくても上記の成分が含まれている市販薬の中には虫さされに対する適応を持ったものも多いです。

特に初夏、夜突然の蚊の猛攻にあったのに虫さされ薬を持っていなくて泣きたいとき、もしアトピーやかゆみのための市販薬を持っていたら添付文書を参照してみて下さい。

 

最後に、再度お伝えいたしますが、虫さされにはセルフメディケーションで対応できないものもあります。

毒性が強い、感染症を媒介する、またはアナフィラキシーショックを引き起こすなどの

種類の虫にさされた場合

症状が強い(呼吸困難など患部以外の症状、ただれ・水ぶくれなどの皮膚症状など)場合

・セルフメディケーションを行っても5日以上症状が続く場合

これらの場合は速やかに医療機関を受診して下さい。

正しいセルフメディケーションで虫さされを治療して、楽しい夏を過ごして下さいね!

 

 

薬の名前についているアルファベットのおはなし

2020年 7月 15日 水曜日

薬の名前には、語尾にアルファベットがついているものがあります。今回はこれらの意味を、例を挙げて紹介したいと思います。

 

 

 1. 剤形を表しているもの

 

1) メマリーOD錠など

 

ODOrally Disintegrating(口腔内崩壊)の略で、唾液や少量の水で薬が溶ける工夫がされています。飲み込む力が弱くなったお年寄りでも飲みやすいこと、水が手元に無い時でも服用できることなど、利点が多くあります。

 

OD錠ではない通常のタイプの薬と同じように、水で飲んでも効き目に違いはありません。

 

 

2) アダラートCR錠など

 

CRControlled Release(放出制御)を意味します。徐放性製剤といって、薬が体の中で溶ける時間や場所を調整しているため、服用回数が少なくて済むのが大きなメリットです。本来13回飲まなくてはいけないところ、11回の服用で済めば楽ですよね。

 

CRの他にも、LALong ActingSRSustained Releaseなどといった表現で、徐放性を表しているものもあります。

 

このように工夫がされている薬を勝手に割ったり、かみ砕いたりして服用することは避けてください。本来複数回に分けて飲むはずの薬が一気に溶けだしてしまうので、副作用を起こす可能性が高くなってしまいます。

 

 

 

 2. 成分に由来しているもの

 

1) リンデロンVG軟膏

 

炎症を抑えるステロイド剤と、バイ菌を殺す抗生剤を配合した塗り薬です。有効成分のベタメタゾン吉草酸エステル(Betamethasone Valerate)とゲンタマイシン硫酸塩(Gentamicin Sulfate)が由来です。

 

 

2) アスパラCA

 

 カルシウムの補給に使われる薬です。Calcium……そのままでわかりやすいですね。 

 

 

 

他にも、製造している会社の頭文字をとっているものもあります。例を挙げると切りがありません。

 

ご自身やご家族が飲んでいる薬の由来を調べてみると面白いかもしれませんね。

 

 

 

冷え症と漢方のおはなし

2020年 7月 1日 水曜日

 

日中はかなり暑くなってきましたね。

海に山にプールなどなど、、、個人的に夏は大好きなんですが、 苦手なものがひとつだけ。

それは、 “”冷え”” です。 キンキンに冷えた飲み物やアイス、これからの時期にぴったりですよね。 冷房もついつい設定温度を低くしてしまいがちです。

 

しかし、「冷えは万病のもと」と言われているように、 冷えはさまざまな不調をもたらします。

 

そこで今日は、冷え症と漢方について調べてみました。

 

漢方による治療を決定する際には、

「気・血・水」という概念を用います。

これらの異常は冷え症をもたらします。

 

冷え性の状態と代表的な漢方薬

 

気虚

体内のエネルギー不足により、熱が産まれにくい状態です。

疲れやすく、風邪をひきやすい、  胃腸が弱いなどの症状があらわれます。

[十全大補湯、人参養栄湯など]

 

瘀血

血の巡りが悪いため、熱が運ばれにくい状態です。

便秘気味で月経痛や肩こりなどの症状があらわれます。

[当帰四逆加呉茱萸生姜湯、加味逍遙散、当帰芍薬散など]

 

水毒

体内の水分が溜まっているため、冷えが起こる状態です。

頭痛や頭重感、むくみ、耳鳴り、頻尿などの症状があらわれます。

[苓姜朮甘湯、当帰芍薬散など]

 

 

漢方薬を選ぶ際には、このように体質や状態、

冷えに伴う他の症状などを考慮します。

ドラッグストアでも購入できるので、薬剤師に相談してみてください!

 

また、普段の生活から冷え症対策を考えてみましょう。

 

例えば、、、

・シャワーよりお風呂

・エアコンの風に当たりすぎない

(首元をスカーフなどで覆うと効果的)

・こまめに運動

(ウォーキングやストレッチ、ヨガなど)

・体を温める食材を摂る

(根菜類や発酵食品、香辛料など)

 

などなど、調べてみると色々な冷え症対策が出てきます。

この機会にぜひ、ひとつでも取り入れていってもらえたら幸いです。

夏の暑さにも、そして冷えにも打ち勝ちましょう。