くすりはいつまでのめる?のはなし

2014年 6月 15日 日曜日

梅雨の時期に入りますね

ジメジメした天気が続きますが、お気に入りの傘やオシャレな長靴などで

梅雨の時期も楽しみたいものですね

 

私が調剤薬局で働いていたとき、よく患者さんに
「この薬はいつまでもつのですか?」
と聞かれることがありました。

今日は くすりはいつまでのめる?のはなし です。

薬にはもちろん使用期限があります。最近では薬の箱だけでなくシートにも期限を書いている製品もあります。
そうなると上記の質問に答えるのは簡単そうですが、本当にそれでいいのでしょうか。

上記の質問をした患者さんは、今回薬が余ったらまた同じ症状のときに使いたい、と思っているのでしょう。ですが、使用期限までなら、もらった薬を使ってもいいとはいえません。
その理由は大きく分けて2つあります。
1つめ は、また使おうと思ったとき、その薬がふさわしいかはわからないからです。前と同じ症状だといっても、ほかに重要な病気が隠れている可能性もあります。
たとえ医師からOKが出ていたとしても、前と同じ薬を飲んでも症状が改善しなければ病院にかかるようにしましょう。

2つめ は、薬は保管状況も重要で、状況によっては期限より早く変質してしまうからです。
薬の品質を保つためには、高温・多湿・直射日光を避けて保管するようにしましょう。特に銀色の袋に入ったまま渡されるような薬は光や湿気に弱いものが多いので、使用する直前まではその袋から出さないようにしましょう。
冷蔵庫保存が必要な薬は、薬剤師から説明があるはずです。わからないことがあれば医師や薬剤師に確認してください。

薬の使用期限の目安についてまとめたので参考にしてください。

薬の種類 使用期限の目安

シロップ     :もらってから1~2週間
粉薬       :もらってから1ヶ月~半年
錠剤・カプセル :もらってから半年~1年
点眼薬      :開封後1ヶ月
坐薬       :もらってから半年~1年

 

期限内であっても、変色していたり湿っていたりとおかしなところがあれば、使わないようにしましょう

「薬剤師として考えていること」のはなし

2014年 6月 1日 日曜日

一段と春らしくなってきましたね。4月から新生活を送っている方も多いのではないでしょうか

今日のブログテーマは「薬剤師として考えていること」のはなし です。

と言っても、薬剤師は長いことしていないので、普段のDI業務から、薬剤師っぽい共通点を考えて

みました。

どちらも「記録を大事にする」ということでしょうか。

薬剤師という仕事は、記録に残しておくことの多い職業だと思います。

疑義紹介のように義務づけられているものはもちろんのこと、次回同様のケースがあったときには

できるだけ早く対応できるように、また、異動があっても困らないように、様々な情報が共有されて

いると思います。

一般企業で働いてみると、意外と、個人の記憶や、私物の資料に頼る機会が多い

です。

製薬会社のくすり相談では、一度問合せ頂いたことは、いつか二度目があるかもしれません。

次から次へと積まれていく文献を記憶にとどめておくのは不可能です。

その、いつかのために、毎日せっせと記録を作っています。

忘れたころに、日の目を見る日がくるかもしれません。

薬のかたちのはなし

2014年 5月 15日 木曜日

暖かい春の陽気で気持ちが良いですね

この時期、花粉症や風邪になると、様々なおくすりをお医者さんから処方されます。

くすりにはどんな種類があるでしょうか?
飲み薬、注射、目薬、塗り薬・・・
いろんなかたちがあります。

くすりはそれぞれ、その有効成分が最も効果的になるように、かたちが設計されています。

今回はそんな、薬のかたちのはなし です。

主に、よく薬局でもらえる飲み薬のかたちは、
錠剤、カプセル剤、チュアブル、トローチ、
口腔内崩壊錠、バッカル錠、舌下錠、粉薬、等があります。

 

錠剤・カプセル剤
錠剤はおくすりの成分と、添加物を混ぜて飲みやすい大きさに成形したものです。
表面にコーティングがされているものもあります。
カプセル剤は、カプセルの中におくすり成分を封入したものです。

錠剤のコーティングや、カプセルには様々な工夫がされています。
・コーティングで苦いおくすりを飲みやすくする。
・長く効くよう、お腹の中で徐々に溶ける。
・胃で溶けず腸まで届き、腸で溶ける。


チュアブル
一般的に大型で、そのまま飲みこむことが難しいおくすりを、
噛んで口の中で溶けるように設計したものです。

トローチ
口の中で溶かすことで、のどに効くおくすりです。
噛み砕きにくくするよう硬くしています。

チュアブルやトローチは、ドーナツのかたちにすることで、のどに詰まっても呼吸困難にならないよう工夫されています。

口腔内崩壊錠
お年寄りで飲む力が衰えている方や、水分が制限されている方でも飲みやすいよう、
口の中の唾液で溶けるよう工夫されたおくすりです。

バッカル錠
ほほの内側に貼り付けて、口の中で徐々に吸収させるおくすりです。
体による分解作用を受けにくい効果があります。

舌下錠
舌の下に挟み、吸収させることで素早く効くおくすりです。

粉薬
粉にすることで、子どもや腎臓・肝臓の弱い方に
適切な量を調剤して飲めるよう設計されています。
また、子ども向けに水やゼリーなどに混ぜて、飲みやすくすることができます。

挙げた以外にも いろんなかたち があります。
メーカーは、様々な工夫をして、飲みやすく、吸収しやすいおくすりを開発しています。
私達も、できるだけ効果的に薬を飲んでいきたいものです
ただ、どうしても飲みにくいものがある場合は、医師や薬剤師の先生にご相談ください