「薬剤師として考えていること」のはなし

2014年 6月 1日 日曜日

一段と春らしくなってきましたね。4月から新生活を送っている方も多いのではないでしょうか

今日のブログテーマは「薬剤師として考えていること」のはなし です。

と言っても、薬剤師は長いことしていないので、普段のDI業務から、薬剤師っぽい共通点を考えて

みました。

どちらも「記録を大事にする」ということでしょうか。

薬剤師という仕事は、記録に残しておくことの多い職業だと思います。

疑義紹介のように義務づけられているものはもちろんのこと、次回同様のケースがあったときには

できるだけ早く対応できるように、また、異動があっても困らないように、様々な情報が共有されて

いると思います。

一般企業で働いてみると、意外と、個人の記憶や、私物の資料に頼る機会が多い

です。

製薬会社のくすり相談では、一度問合せ頂いたことは、いつか二度目があるかもしれません。

次から次へと積まれていく文献を記憶にとどめておくのは不可能です。

その、いつかのために、毎日せっせと記録を作っています。

忘れたころに、日の目を見る日がくるかもしれません。

薬のかたちのはなし

2014年 5月 15日 木曜日

暖かい春の陽気で気持ちが良いですね

この時期、花粉症や風邪になると、様々なおくすりをお医者さんから処方されます。

くすりにはどんな種類があるでしょうか?
飲み薬、注射、目薬、塗り薬・・・
いろんなかたちがあります。

くすりはそれぞれ、その有効成分が最も効果的になるように、かたちが設計されています。

今回はそんな、薬のかたちのはなし です。

主に、よく薬局でもらえる飲み薬のかたちは、
錠剤、カプセル剤、チュアブル、トローチ、
口腔内崩壊錠、バッカル錠、舌下錠、粉薬、等があります。

 

錠剤・カプセル剤
錠剤はおくすりの成分と、添加物を混ぜて飲みやすい大きさに成形したものです。
表面にコーティングがされているものもあります。
カプセル剤は、カプセルの中におくすり成分を封入したものです。

錠剤のコーティングや、カプセルには様々な工夫がされています。
・コーティングで苦いおくすりを飲みやすくする。
・長く効くよう、お腹の中で徐々に溶ける。
・胃で溶けず腸まで届き、腸で溶ける。


チュアブル
一般的に大型で、そのまま飲みこむことが難しいおくすりを、
噛んで口の中で溶けるように設計したものです。

トローチ
口の中で溶かすことで、のどに効くおくすりです。
噛み砕きにくくするよう硬くしています。

チュアブルやトローチは、ドーナツのかたちにすることで、のどに詰まっても呼吸困難にならないよう工夫されています。

口腔内崩壊錠
お年寄りで飲む力が衰えている方や、水分が制限されている方でも飲みやすいよう、
口の中の唾液で溶けるよう工夫されたおくすりです。

バッカル錠
ほほの内側に貼り付けて、口の中で徐々に吸収させるおくすりです。
体による分解作用を受けにくい効果があります。

舌下錠
舌の下に挟み、吸収させることで素早く効くおくすりです。

粉薬
粉にすることで、子どもや腎臓・肝臓の弱い方に
適切な量を調剤して飲めるよう設計されています。
また、子ども向けに水やゼリーなどに混ぜて、飲みやすくすることができます。

挙げた以外にも いろんなかたち があります。
メーカーは、様々な工夫をして、飲みやすく、吸収しやすいおくすりを開発しています。
私達も、できるだけ効果的に薬を飲んでいきたいものです
ただ、どうしても飲みにくいものがある場合は、医師や薬剤師の先生にご相談ください

点眼補助器具のはなし

2014年 5月 1日 木曜日

GWはどのようにお過ごしでしょうか良いRefreshができると良いですね!!

おひとりで暮されている方、ご家族と暮らされている方、介護施設で暮されている方、点眼で

困っている様々な方に便利な器具だと思います。

今日は点眼補助器具のはなし です。

     

眼科病棟担当 主に白内障手術後の点眼薬の服薬指導を行っていたころの話です。

白内障手術の後は3種類の点眼薬を医師の指示があるまで継続します。

内服薬も数日分ありますが、眼の手術なので点眼薬を指示通り継続できるかがより良い予後・

完治のカギとなります。

白内障手術をされる方は個人差がありますが、筋力が弱くなっていて、点眼薬のボトルを指で

つまみ滴下する指の力や、滴下するまでの間、目の上で腕を固定することが難しくなっておら

れます。

充分な滴下量が滴下されない、なかなか命中できない、点眼薬のボトルの先が眼に触れて

つけてしまう、というようなことがコンプライアンスの上でも問題となっています。

一般に、点眼薬は一滴で効果十分ですが、一滴も指の力などにより個人差が生じてしまって

います。

初めは液量もあり重力もあるので大きな一滴が出ますが、次第に小さくなってしまいます。

点眼液(1ボトル約5mL)は1日4回両眼滴下したとして、約3~4週間足りるようになっていると

のことです。(何かの論文で読みました。あいまいですみません)

しかし、製薬メーカーによってボトルの材質などが異なり、固く滴下しにくいものもあります。

負担や失敗を減らせないのか?個人差やメーカー差をなくせないのか??

介護されている方もご自身で点眼されている方も使える、点眼補助器具があります。

参天製薬さんより、無料の補助器具をいただくことができます。が、少し複雑な構造になってい

て、点眼薬の固定さえできれば滴下方法は難しくないのですが、器具が大きく、例えば3種類

の点眼薬全てに器具を付けるとなると、場所もとり、おでかけの際など荷物になります。

他メーカーさんにも補助器具がないか問い合わせましたが、製造し無料で配布しているのは参

天製薬さんのみでした(2011年)

しかし、少しならお金を出せる!!

という方には市販の補助器具があります。(川本産業株式会社製)

☆ニューらくらく点眼

 点眼薬を固定し眼への滴下の命中のみの補助器具です。その分安価です。市販の点眼薬にも

使うことができます。命中のみの補助器具ですが、眼のまわりにぴったりと固定できるためぐら

つかず、指の力も入りやすくなります。点眼薬の着脱も簡単です。

☆らくらく点眼Ⅲ

点眼薬を固定し眼への滴下を命中をさせ、グリップを軽く握ることにより滴下も補助します。こちら

は市販の目薬には使用することはできません。軽く握るのみで滴下できますので、指先が思うよ

うに動かない方でも少し握るだけで一人で点眼することができます。

市販のものですが、ご自身やご家族の方で点眼が難しい方にやんわりとお知らせをしておりまし

た。コストがかかるので買うことは難しいとおっしゃる方には、参天製薬さんからの補助器具をお

渡しし、指導・説明を行い、点眼薬を全て器具に固定して退院していただいていました。

つい最近私もレーシック手術を受け、点眼薬三種類を約一ヶ月、毎日点眼していました。某メー

カーのボトルが固いと患者さんから何度も聞いておりましたが、確かにボトルをしっかりとつまめ

ないと滴下液量が少なくなり、また残液が少なくなると滴下に力が必要になりました。患者様方

の訴えを身をもって知ることができました。

メーカーさんから無料でいただければいいのになぁ・・・患者さんすごく楽になるのになぁ・・・という

思いを込めて当時は点眼薬を販売している全てのメーカーに電話しました。

あれから約2年経ちましたが、今のところ変化はないようです。。。。

これから更に進む超高齢社会に、無料だと嬉しいな、と思ってしまいます