漢方薬と西洋薬の違い

2023年 1月 15日 日曜日

皆さんは漢方薬をご服用されたことはありますか?

今では「風邪をひいたらいつも葛根湯をのむ!」という方がいらっしゃるくらい、

漢方薬が身近になりました。

 

今回は、漢方薬西洋薬とはどう違うのかをお話していこうと思います。

 

漢方薬には、様々な効能を持つ複数の生薬が組み合わされています。

生薬を組み合わせることで、より効果を増強したり、毒性を軽減するといわれており、

服用することで多くの症状に効果を発揮します。

人それぞれの体質や症状に合わせて生薬を配合しているため、

同じ症状の場合でも違う漢方薬が処方されることがあります。

 

一方、西洋薬原則的に単一の成分でつくられています。

症状や病気に対して薬を選ぶため、その症状や病気をピンポイントに改善します。

即効性があるものが多いです。

 

具体例を挙げてみます。

風邪をひき、発熱や咳がでている場合だと、

西洋薬であれば、解熱薬、鎮咳薬や痰切りの薬、場合によっては抗菌薬など

複数の薬が処方されることが多いと思います。

市販薬であれば、複数の有効成分が入っているものもありますね

 

漢方薬は、風邪のひきはじめなのか、慢性化しているのか、

咳は痰がからんだ咳なのか、乾いた咳なのか、汗が出ているかどうか、などの症状や

風邪になる前の、元々の体力はある方かどうかなどの体質から

処方する漢方薬を1つまたは2つ選びます。

 

風邪のひきはじめで発熱があり、元々の体力があった方であれば「葛根湯」、

発熱が高い場合は「麻黄湯

風邪が治りかけているが、まだ微熱や咳が続いている場合は「麦門冬湯

熱はかなり落ち着いているが体力が回復していない場合は「補中益気湯

など、風邪症状にきく漢方薬はたくさんあります。

 

もし、ドラッグストアなどで薬の購入に迷われた際は薬剤師等にお気軽にご相談ください。

服用忘れのおはなし

2023年 1月 1日 日曜日

長期間の服薬が必要な慢性疾患の患者さんでは

症状が安定するにしたがって、服用忘れが増えるのではないでしょうか。

 

服用忘れの対処法は薬によって様々です。

 

例1)気管支喘息の吸入薬

「2回分を1度に吸入しないでください。気付いたらすぐに1回分を吸入してください。ただし、次に吸入する時間が近い場合は1回とばして、次の時間に1回分吸入してください。」

 

例2)1週間に1回服用する骨粗しょう症の飲み薬

「飲み忘れた場合は、気付いた日の翌朝に1錠を飲んでください(飲み方はいつもと一緒です)。次からは、決められた曜日の朝に飲んでください。ただし決して2回分を一度に飲んではいけません。」

 

例3)毎食直前に服用する糖尿病の飲み薬

「決して2回分を一度に飲まないでください。飲み忘れたときは、1回とばして次の食事の直前に1回分を飲んでください。」

 

このように、服用忘れの対処法は薬によって異なります。

患者さんの中には、服用忘れ時の対処法はどれも同じと思っている方もいるかもしれません。

対処法を誤ると、治療効果が期待できないばかりか、副作用が生じるおそれもあります。

 

服用忘れの対処法は、患者向け医薬品ガイド、くすりのしおり等に記載されていますが、主治医や薬剤師に相談しておくことが何より確実です。

薬の効果を最大限高めるためにも、適切な薬の服用を続けていきましょう。

入浴剤の種類について

2022年 12月 15日 木曜日

本格的に寒い季節にはゆっくり温かいお風呂に入ってリフレッシュしたいですね。

さら湯のみのお風呂でもいいですが、入浴剤を入れることでいつもと違った効果が得られます。

今回はそんな入浴剤についてです。

入浴剤?浴用剤?入浴料?

いずれも言葉として聞いたことがあると思いますが、基本的にはすべて同じになります。

ただし分類が異なり、入浴剤と浴用剤は医薬部外品、入浴料は化粧品になります。

医薬部外品(入浴剤、浴用剤)は効能・効果のある有効成分が配合されており、「肩こり」や「腰痛」といった表現が可能です。

化粧品(入浴料)には人体に対する作用が緩やかであり「皮膚を洗浄する」「皮膚を健康に保つ」など効能の範囲が限定されています。

また、雑品(雑貨)に分類されるものもあります。

こちらは効能を載せることはできず、香りや形、お湯の色を楽しむ目的のものになります。

 

~どんな種類があるの?~

売り場に行くと、たくさんの入浴剤が売られていますよね。

成分により得られる効果が違いますので、順番に紹介します。

 

・無機塩類系 

最も一般的な入浴剤で、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウムといった炭酸塩や硫酸塩を含み、入浴後の保温効果が高く湯冷めしにくいもの。

各地の温泉名をなぞらえた名称のものも多いです。

湯冷めしにくい理由は、塩類が皮膚の表面の蛋白質と結合して膜を形成することで身体の熱の放散を防ぐからです。

 

・炭酸ガス系

炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等とコハク酸、フマル酸、リンゴ酸等を組み合わせたもの。

お湯に溶け込んだ炭酸ガスが皮膚内に浸透し、末梢血管を拡張させて血流量を増加します。

このため同温度のさら湯に比べ2~3℃高く感じます。

炭酸ガスは肺より体外に排出されます。

 

・薬用植物系

生薬を配合しているもので、効果は含有成分により異なりますが、保湿、血行促進、消炎、鎮静などがあります。

トウキ、トウガラシ、ウイキョウ、センキュウ、チンピ、ショウキョウには血行促進効果が認められています。

多くは芳香成分を含み、精神的にも作用をもたらします。

 

・酵素系

パパインやパンクレアチン等酵素を無機塩類と組み合わせたもの。

皮膚に無理な刺激を与えず、皮膚表面の皮垢がとれやすくなる。

ただし、水中で酵素活性を維持が難しく、剤型は主に粉末、顆粒、錠剤タイプになります。

 

・清涼系

メントールによる冷感、ミョウバン等による収れん作用により、特に夏場の入浴を快適にします。

 

・スキンケア系

セラミド、ホホバ油、植物エキス、米発酵エキス等の保湿成分を主に配合したもの。

入浴によって水で潤った角層の状態を維持するために、油性成分で入浴後の皮膚表面からの水分蒸発を防ぎ、保温成分などを効率的に吸着・浸透させます。

 

効果だけでなく色や香りにも違いがあるので、自分のコンディションや好みに合わせて選んでみてください♪

入浴剤をプラスして、バスタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか?

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