目薬の使用期限について

2021年 12月 1日 水曜日

お読みいただいているアナタ!

正しい点眼してますか!?

前回の記事を読んでいない方は、お読みいただけると理解が深まると思います。

 

前回に引き続き、目薬のお話です。今回は目薬に関わる使用期限についてです。

 

■目次■

 1)目薬って何回つかえるの?

 2)目薬の使用期限について

 

では、順番に見ていきましょう。

 

1)目薬って何回つかえるの?

 

1回使い捨ての目薬もありますが、今回は、キャップを開け閉めして使用するものをみていきます。医療用ですと2.5mLや5.0mLの規格が多く、市販ですと12mLなどをみかけますね。では、何回使えるのか。

 

前回の記事で、目薬は1滴約0.05mLであると書きました。

医療用の2.5mL規格ですと、

2.5mL÷約0.05ml/回=約50回 です。

 

仮に1日1回点眼の目薬であれば、1ヶ月使用するのには十分な量が入っているといえます。何度か点すのを失敗しても安心ですね!

 

市販のものだと、12mL規格が多いので

12mL÷約0.05ml/回=約240回

使えるものが多そうですね。目薬をご使用の際は、添付文書をよく読んで用法用量を守って正しくお使いください。

 

 

2)目薬の使用期限について

 

点眼剤は無菌製剤であり、繰り返し使用をできるだけ避けたいものであります。

(無菌製剤は、微生物などが入っていないお薬のこと)

 

市販のものは防腐剤が入っていることが多く、使用期限を伸ばしてはいますが、まだまだ使っていない分が残っているからと何年も同じ目薬を使用してはいけません。

薬には「使用の期限」があります。

ここで間違ってはいけないのが、外箱などに書いてある使用期限は、未開封状態のものの使用期限になります。開封後は、外箱の日付が使用期限ではありません。

 

では、開封後はいつが使用の期限なのか。

市販のお薬を購入したときには、「添付文書」という薬の説明書がついてきます。

添付文書の「保管および取り扱い上の注意」という項目に開封後の使用について記載されていることが多いです。多くは、「なるべく早く使用してください」となっていますが、「開封後は2ケ月以内に使用してください」など記載されていることもあります。

 

「なるべく早く使用してください」の期限ってわからないですよね…。

用法用量から推察してみましょう。

 

例えば、

 

 

〇〇点眼液(12mL)

1回1~3滴、1日5~6回点眼してください

 

 

 

という目薬があったとしましょう。

この目薬は、どれくらいの期間で使い切るのを想定しているのでしょうか。

用法の最低量をみていきます。

 

1回1滴、1日5回点眼した場合、

1日で0.05mL/回×5回×2(両目)=0.50mL を使用します。

 

目薬(12mL)を使い切るのは、

12mL÷0.50mL/日=24日 となります。

すなわち、1ヶ月程度で使い切る想定でいます。

目薬は、使用前においては無菌状態ですが、使用すると微生物などが入るようになり、徐々に衛生面の心配がでてきます。

処方された目薬を手にした場合は、薬剤師のお話をしっかり聞き、市販の目薬の場合は、添付文書をよく読んでお使いください。

 

 

次回は、子供に目薬を点すときについてです。

目薬で1滴十分効く?!

2021年 11月 15日 月曜日

目薬の正しい点眼方法を知っていますか。

我流でやっている人がほとんどだと思いますが、正しい目薬の点し方をご紹介します。

 

まずは、よく見かける誤った点眼方法はコチラ。

 

 ・1度に何滴も使う

 ・点眼後にすぐ目を手やティッシュなどで拭く

 ・目の周りに落ちた液をなんとかして目に入れる

・点眼後にすぐ目をパチパチする

 ・いつ買ったかわからない目薬を使っている

 

 

 

心当たりはありませんか?

正しく点眼方法を知るためには、まず目の周りの構造を知っていきましょう。

 

目薬を点すイメージ

目薬は、下瞼部分を下にさげて液をたらしていきます。

この時、液体が入る部分を結膜嚢(けつまくのう)と言いますが、液体が入るのは約0.03mLといわれています。

では、目薬1滴は何mL???

 

答えは、約0.05mLになります。

すなわち、目薬を1滴目に入れると溢れるのです!

(ちなみに、涙で既に約0.007mLの液体が入っているので、余計溢れやすいです)

2滴以上たらしても、どんどん溢れていくばかりです。勿体ないですね。目薬は1滴で十分であるということがわかりました(注、使い方の指示が出ている場合はそれに従ってください)。

 

では、

目薬を点した後はどのようにしていますか。

この時、目をすぐ手でゴシゴシしたり、目の中にティッシュを入れつつ拭いてしまうと、せっかく入れた薬液を拭き取ってしまいます。

 

液が溢れてしまうので拭きたくなる気持ち、分かります。

しかし、拭いてよいのは溢れた液体だけです。

目の周りの溢れた液を優しく拭き取りましょう。

 

 

また、目薬を点すのを少し失敗してしまい、目の周りから上手いことやって、目の中に液体を移動させていくことやったことはありませんか?

実は、あの液体移動によって、目の周りに付着していたウイルスや雑菌なども一緒に目の中に入ってしまうことがあります。止めましょう。

 

 

 

でもちょっと待って!液を拭く前にやることがあります!
目薬の正しい点し方のポイントはココです!

 

 
   

⇦ココ

 

 

 

 
   

 

 

 ココ

目頭の部分を押さえる!(顎を上げて、上を向いたらもっと良い)

 

なんで押さえるの??

目の周りの構造を見ていきましょう。

手で押さえていたのはこの部分です

                                  

【目の模式図】

 

 

 

 

【目と鼻の空洞の模式図】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目と鼻はつながっています。目薬を点すと鼻水が出るのは、目の中の液体が「鼻涙管」という目と鼻をつなぐ管を通って、鼻に移動するためです。

目で効かせたいのに、すぐ鼻に行っては困ります!
そのため、点眼後は上を向いて目を閉じ、目頭を押さえる(鼻に液が移動するのを止める)ことが大切です。数分そのままが理想です。

目をパチパチさせたら、せっかく入れた液を鼻の方に移してしまうのでやめましょう。

 

これで正しい点眼ができますね!

 

 

■正しい点眼まとめ■

 ・液は1滴でよい

 ・目の中にしっかり入れる(目からこぼれたのは拭き取る)

 ・点眼後は、上を向いて目を閉じ、目頭を押さえる(数分)

 

スキンケアはお風呂上りに

2021年 11月 1日 月曜日

スキンケアをお風呂上りにするのは、当たり前のことと認識されているかもしれません。

他にもタイミングとして、日中の紫外線があたるとき、寝る前などがあるかもしれませんが、「スキンケアはお風呂上り」にされる方が多い。

なんで?(・・?

今回は皮膚についてです。

まずは、皮膚の状態をみていきましょう。

下図は、皮膚の模式図です(図の上が身体の外側、下が内側)。

人の身体の表面は、角質層に覆われています。

角質層は、ウイルスや雑菌などの外敵から生体を守るバリアの役割を担っています。そのため、通常、物質は角質層を通りにくくなっています。

皮膚内に化粧水成分などをより浸透させるには、バリアである角質層を壊してしまえばよいのです。

では、どうやって皮膚を壊しますか?

ナイフで切る??痛いですね…血が出ますね…壊しすぎですね。

もっと痛みがなく、角質層を壊す方法があります。

それが「入浴」です。

お風呂上りは、手のひらが「しわしわ」になっていますね。あれは、角質層が水を含んで膨れ上がっている状態なのです。すなわち、角質層が壊されているのです。

ナンダッテェ━━━━━( ゚A゚;)━━━━━!!?

『角質層壊れている状態=物質浸透チャンス』です。

自信をもって塗りましょう

ちなみに、お風呂上りは角質層が破壊されているため、体内の水分も皮膚から蒸発しやすい状態になっています。お風呂上りに肌が乾燥しやすいのはそのためです。

お風呂上がりの肌の状態は、乾燥しがちで、成分を浸透させやすいため、スキンケアを行うタイミングとして最適といえます。

医薬品の投与経路として、皮膚投与があります。

主に貼り薬や塗り薬が該当しますが、いまの原理を利用した投与方法があります。

それは、「密封療法」です。ODT(occlusive dressing technique)療法ともいいますね。

密封療法とは、皮膚におくすりを塗って、その上をプラスティックフィルム等で覆ってしまう方法です。すると、お風呂上りと同じ状態を作ることができます。

絆創膏をはがしたら、皮膚が白くなって「しわしわ」になっていたことはありませんか?あの状態です。

密封療法を行うと、薬物の吸収が高まり、より強い効果が期待できます。しかし、同時に副作用の危険性が高まるとも言えます。

そのため、密封療法を禁止しているおくすりもありますので、勝手にやってはいけません。

専門の先生のご指示に従うのが一番ですね。

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