オブラートのおはなし

2020年 3月 15日 日曜日

 

子供のころ、薬がなかなか飲めないときに使っていたオブラート

苦い薬を飲むときに味をマスキングするために使っている人もいますが、実は薬を飲み込みやすくするために使うのが本来の使い方です。

 

そもそも、オブラートは何からできているのでしょう?

オブラートは馬鈴薯でんぷんが原料です。つまり、ジャガイモから出来ています。

ご存知のとおり、オブラートは透明のフィルム状の形です。

でんぷんでなくても、似たようなものは作れそうです。しかし、でんぷんからできていることが薬を飲み込みやすくする理由になっているのです。その理由をオブラートの正しい使い方とともに説明します。

 

オブラートを正しく使うためには、

まず、用意したオブラートを半分に折り、それをもう半分に折ります

すると、ちょうどクレープのような形になりますね。この中にこれから飲もうとする薬を入れます。

薬を入れた入り口を少し水で濡らすと、でんぷんが溶け出し糊になってくれます。これで、中に入れた薬はしっかり封をされます。

次に、オブラートの表面を水で少し濡らしてあげることで、またオブラートの表面が溶け出します。このヌメリを利用して、水と一緒に飲み込みます。

 

でんぷんから出来ているおかげで、水に少し濡らすだけで、薬を閉じ込める糊になったり、ヌメリでのど越しが良くなったりしますね。

飲み込むのが苦手な子供や高齢者もこのようにオブラートを使用することで、薬が少し飲みやすくなります。

 

しかし、実際にオブラートは間違えた使い方をされがちです。

よくあるのは、オブラートの上に薬を乗せ、そのままクシャクシャ丸めて、水と一緒に飲み込むやり方です。

これでは、飲み込むものを大きくしているだけで、余計に飲みづらくしているだけになりますね。

他には、表面を濡らさずに口内に入れるのも、唾液で口の中に張り付いてしまい誤嚥の原因になります。

また、漢方薬の中にはオブラートに包むと効果が落ちるものもあるので、注意が必要です。

 

以上が、オブラートの大まかな説明と、使い方でした。

もしまわりで、薬が飲みづらくて困っている人がいたら、オブラートを紹介してみてください。

正しい使い方で、薬を飲むストレスがちょっと和らぐかもしれませんね。

 

 

口腔アレルギー症候群(OAS)についてのおはなし

2020年 3月 1日 日曜日

 

果物や生野菜を食べた時に、口の中でかゆみや腫れ、喉のイガイガが起きることがあります。

これは口腔アレルギー症候群(Oral Allergy Syndrome)と呼ばれるアレルギー反応の一種であり、花粉症との関連性が報告されています。

果物・生野菜アレルギーについて、症状や原因、対策について見ていきましょう。

 

症状

リンゴやモモ、ナシなどの果物や、生野菜や大豆(豆乳)を食べてから数分以内に、唇や舌、口の中やのどに、かゆみや痺れ、イガイガや腫れなどの症状が起きます。

たいていは食後しばらくすると自然におさまります。

 

原因

果物や生野菜に含まれるアレルゲンが口の中の粘膜に触れ、アレルギー反応が起こることが原因です。

果物、生野菜のアレルゲンは花粉のアレルゲンと構造が似ているため、花粉症の人はこれらに対しアレルギー反応が起こりやすいと言われています。

 

◇花粉との関連が報告されている食べ物

カバノキ科【シラカバ・ハンノキ・オオバヤシャブシ】…リンゴ モモ ナシ サクランボ キウイフルーツ ジャガイモ ニンジン 大豆 ピーナッツ アーモンド等

ヒノキ科【スギ】…トマト

イネ科…メロン スイカ キウイフルーツ オレンジ トマト ジャガイモ等

キク科【ヨモギ】…マンゴー ニンジン セロリ等

キク科【ブタクサ】…メロン スイカ キュウリ バナナ等

 

しかし、花粉症でなくても発症することもあります。ゴム手袋(ラテックス)過敏症の人は、パイナップルやバナナなどの果物を食べた際に同様にアレルギー反応を起こすことがあります。

 

対策

花粉症の方で、食事の際に口の中に症状が認められた場合は、医療機関でアレルギーの原因食物を確認し、今後食べるのを避けるといった対策があげられます。

また、加熱や加工処理も対策の一つとして挙げられます。

果物や生野菜のアレルゲンは熱に弱いため、加熱や加工(缶詰など)をすることで食べることができるといった例もあります。症状の程度を医師に相談することが望ましいです。

 

◇口腔アレルギー症候群と食物アレルギーとの相違点

食物アレルギー 口腔アレルギー症候群
感作経路 食物が腸管から

吸収されて感作

花粉の吸入により感作
代表的な原因

となる食品

卵・牛乳・小麦・魚など 花粉のアレルゲンタンパクと

類似したタンパクを含む

果物・野菜

アレルゲンの特徴 熱や消化酵素に対して

安定したタンパク質

熱に不安定で消化されやすい

タンパク質

症状を誘発する

箇所

消化管での吸収により発症 口腔粘膜で発症
症状 主に全身症状 口唇、口、のど

 

いわゆる食物アレルギーの特徴としては、症状じんましんや湿疹、下痢などの全身症状が現れ、重篤化しやすいことがあげられます。

また、アレルギーの原因物質は牛乳や卵、小麦などの熱や消化酵素に強いタンパク質であり、小腸から吸収されやすいという点が特徴です。

紫外線と日焼け止めのおはなし

2020年 2月 15日 土曜日

1年のうち紫外線に注意したい季節は3月~5月です。

えっ?夏じゃないの?

このように、皆さん夏には注意していると思います。

なぜ春に注意が必要かというと、冬の乾燥で肌が弱っているところに、

肌に影響の大きいUVBが3月から増加するからです。

 

紫外線には種類があります。

紫外線は波長によって、UVA、UVB、UVCの3つに分けられます。

UVA:地表に届く全紫外線のうち約95%を占め、1年を通して注意が必要で

す。UVBほど有害ではありませんが、シミ、シワ、たるみの原因となります。

UVB:全紫外線の約5%を占めます。3月から徐々に増え始め、5~8月がピークとなります。屋外での日焼けの主な原因で、肌に強く作用します。シミやそばかす、皮膚がんの原因となります。

UVC:大気層(オゾンなど)で吸収され、地表には到達しません。

 

日焼け止めの選び方

日やけ止めには「SPF値」「PA分類」といった2種類の表示が用いられます。これは紫外線を防ぐ効果の目安を示す指標で、SPFはUVBを、PAはUVAを防ぐ効果を表しています。SPFは数字が大きいほど、PAは+の数が多いほど効果が高いとされています。

 

正しい日焼け止めの使い方

1:きちんとよく振ってから使う

2:顔は1円硬貨大をとり、5カ所 (両ほお・額・鼻・あご)に置いてからのばす

3:顔のすみずみまでていねいになじませた後、もう一度重ねづけをする

4:首は10円硬貨大をとり、数カ所にのせ、軽く広げてなじませてからなじませる。

最後に下から上に向かってなじませる

5:腕や脚は容器から直接、肌へ線状にとる。手のひらで大きく円を描く

ように優しく広げながらなじませる。

 

用途に合った日やけ止めを選び、早めの紫外線対策を行いませんか?